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解体が終了したミドリガメとスッポン。早速調理に進んでいきたいわけですが、その前にひとつやらないといけないことがあります。それは「皮剥き」。
ミドリガメやスッポン、更にいうとすべてのカメ、いやもっと言ってしまうとあらゆる両生・爬虫類において、必ずやらないといけないのが「表皮を剥く」という工程です。これらの生物の表皮は汚れや臭いが溜まっており、そのまま調理すると全体が臭くなってしまって食べられなくなります(なので丸焼きにすると皮は食べられなくなる)。
表皮=皮、ではないことにご留意ください。表皮はいわゆる“皮”の上に張り付いている薄い膜のようなものです。脱皮するときに脱げるもの、といえばわかりやすいかな。
この工程はかなり面倒ではあるのですが、しかし逆に言えば「表皮さえ剥けば臭くなく食べられる」ということでもあります。泥抜きの必要もないし、ある程度汚いところに棲む個体でも食べられる、ということ。魚と違って異物を体内に混入させないようにするシステムが強力だということなんでしょうね。
食べたことないからわかんないけど、タイのドブに棲むミズオオトカゲなんかも、表皮さえ剥けば別に臭いというわけじゃないんじゃないかしら。しらんけど
表皮の剥き方ですが、まずは熱湯にくぐらせます。こうすることで表皮だけが浮き上がり、容易にぺろりと剥くことができる……はずなのですが……
なんかこのミドリガメ、剥けねぇな。。表皮が非常に薄く、指で擦ってもうまく剥がれてくれません。ヘビなんかだと脱皮直後でこんなふうに剥けないパターンっていうのはあるんですが、カメでは初めてです。
しょうがないので表皮だけじゃなく、皮ごとべろりといってしまうことにしました。皮にはゼラチン質がたっぷり含まれていて美味なのですが、臭くするわけにはいかないのでやむを得ません。
今回のメインテーマです。
剥いた皮。
皮を剥いた手です。
卵巣も湯通しして薄皮を剥いておきます。
画像のとおりです。肉! という感じですね。具体的に言うと筋肉が赤く、繊維が太く、長い。
スッポンの方は表皮がうまく剥けました。スッポンは皮から出るゼラチン質が命なので、こちらも表皮がうまく剥けなかったらどうしようかと不安でした。剥けてくれてよかったです。
スッポン、ミドリガメいずれも、表皮が剥けると地の色が濃くなり、模様がはっきりと出ます。
下処理はこれで終了。いよいよ調理へと進んでいきます。
まずは鍋から。下処理した肉を入れ、水からグツグツと煮ます。強火でガツンと煮たいので、テフロン加工のフライパンは使わないほうが良いかもしれません。
アクが信じられないくらい出てくるのできれいに取り除きましょう。臭みも一緒に取り除けます。
ある程度水分が飛んだら、臭い消しのショウガと日本酒を入れます。
更に飛んだらみりんと醤油で味付けし、ひと煮立ちさせて完成。
続けて唐揚げいってみよう!
塩コショウをふって揉み込み、小麦粉をまぶします。
中温の油でじっくりあげていきます。これには「臭みを取る」「ゼラチン質を柔らかくし食べやすくする」そして「芯までしっかり火を通し寄生虫や病原菌を滅殺する」といった意味合いがあります。
こんがりきつね色。
お鍋もいい感じに煮詰まりました。
というわけで、完成です!! いやーうまそう!!!!!
こんな感じです。
味を比べた感想ですが、結論から先に行ってしまうと「めっちゃ違う!!!」
まずスッポンですが、見た目の通りゼラチン質が超豊富で、加熱によりそれが肉汁に変わります。身自体も柔らかく、例えるなら地鶏の若鶏のような弾力と歯切れ良さを併せ持っています。旨味はたいへん強いです。
スッポンの唐揚げは皮がまるで鶏皮のようになっているので、それがたまらんというひとにはたまらんかと思います。
鍋にしても、そのジューシーな柔らかさが非常に魅力的。それからやはり、溶け出した旨味がサイコーですね。昔から病人食や産後の食事として珍重されてきたわけですが、栄養豊富でかつ旨味がすごいので食欲がなくても食べられそうです。ってか実際に昔ときどき母親が食べさせてくれました。
一方でミドリガメですが、これは対象的に「荒々しい」の一言。肉は締まって力強く、骨にみっちり張り付いて、唐揚げを食べようとすると「噛み付いて、食いちぎる」くらいのパワーが必要になります。筋肉の繊維は太く、歯ごたえは強烈で、噛みしめるほどに旨味が染み出してきます。一番近いのは、ずばり牛肉です。
今回の個体の卵巣はちょっと臭いが強めでした。実にカメっぽい臭い。
モツは濃いめの味付けにしたほうが良いでしょう。山梨のB級グルメ「とりもつ煮」のタレで煮たら結構美味しかったです。
正直、ミドリガメは何度も食べてきましたが、今回始めて「牛肉じゃん」と思いました。これは味の個体差があるというのではなく、カメの肉から牛の味がするという事実に発想がついていかなかったという自らの未熟さがあったのではないかと思います。もっとフラットな感覚で評価していかなくては……
まあそんな感じで、スッポン、ミドリガメいずれも「みんな違って、みんな美味」という感じでした! 捌くにあたり始めはちょっと勇気が必要ですが、慣れれば簡単に美味しい肉にありつけるので超絶オススメ。
皆さんも是非やってみてください!!
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youtubeから画像持ってくるなら、せめて再生バー等の表記を消してからじゃないと酷い手抜き感が溢れてる
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