あらゆる釣り、どんな餌でも必ず釣れてきちゃう外道というものがいます。それは
ヒトデ。
とくにこの写真の「イトマキヒトデ」は、堤防で釣りをしていると必ず一度は顔を見ます。オキアミ、ゴカイ、貝餌身餌なんでも食う貪欲な生物で、口から胃袋を出して餌を丸呑みするためにかなり大きな針でも飲み込んでしまう厄介者です。
波打ち際にもたくさん生息していて、水族館のお触りコーナーにはだいたいいるので馴染みがあるお子さんも多いと思います。
このあとちょっとオトナなはなしをするからよいこのみなさんはページをとじましょう。
イトマキヒトデを食べてみたい、毒だけど……
皆さんの認識はどうかわかりませんが、このサイトではヒトデという生物は基本的に「食べられるもの」という前提で話が進んでいきます。
とくにマヒトデ(キヒトデ)は美味しい。
一方でクモヒトデは美味しくなかったですね。
なのでこのイトマキヒトデもいつか食べないととは思っていたところです。今回ここで釣れたのも何かの縁ということでぼくの胃袋に収まってもらうことにしました。
こう言うと「えっ、イトマキヒトデって有毒じゃなかったっけ」と思われる方もいると思います。確かにそんな話も聞いたことがある。
でも、食べてる人も結構いるんだよねぇ……
多分だけど、イトマキヒトデの毒は、ほかのヒトデ(さらにいうと同じ棘皮動物であるウニ、ナマコなど)と同じサポニンなんじゃないかと思うのです。
その含有量が多く、そのために普通に食べると苦くてえぐくてとても食べられたもんじゃない上に、無理に飲み込むと喉が痺れるような感じを受けるのでしょう。まあこれも毒ったら毒ですよね。
なんですけども、サポニンの類いなら水溶性なので、茹でこぼして水にさらしたらしっかり食えると思うんだよね。
小型のヒトデだけど可食部はまあまあありそうだし、美味しければ嬉しいですよね。試してみましょう!
イトマキヒトデ食べてみた
よーく洗ったイトマキヒトデを
しっかり10分ほど茹でて
水にさらします。なんだかオレンジ色になりましたねぇ。
割ってみましょう。卵が入ってたらいいな……
残念、ありませんでした。産卵期ではなかったかな。
仕方ないので内臓的なものをほじくりだして食べてみましょう。
生臭そうな見た目だ……思いきって、口にインします。
……(・~・)……?
なんだ……これ……
生臭みは意外にもほぼなく、まったりとしたカニみそのような味が舌の上に広がります。ウニとカニみそを合わせて、そこから旨味を5割引にしたような感じ。美味しいとはギリギリ言えないけど、かといって不味くもない……かな……
そして肝心の痺れや苦味ですが、しっかり水さらししたためかあまり感じませんでした。ただ、飲み込んで1分くらいしてから、舌の付け根がじんわりと熱くなるような感覚がありましたね。サポニンは血行をよくする作用があるのでその影響かもですね。
味:★★☆☆☆ 卵入ってる時期にまた食べたいな
入手難易度:☆☆☆☆☆ 海ならどこにでも。
アレには効いた?
さて、ぼくがヒトデを食べることに拘るのは、裏の理由があったりします。それは「下半身に効くのか」を知りたいというもの。
いくつかのサポニンには毛細血管の働きを良くして血行を良くする作用があります。朝鮮人参に含まれるジンセノシドなどが有名ですが、ヒトデ(キヒトデ)もまた中国や日本の食用にする地域で「精のつく食べ物」「食べ過ぎると“効きすぎる”」なんて言われているんですよ。
なのでこのイトマキヒトデもワンチャンあるんじゃないかと期待していたのですが……
翌朝。
(´・ω・`)うーん、とくに変わらないな
ちょっと水さらしをし過ぎて、サポニンが抜けすぎてしまったかもしれませんね。もちろん美味しく食べるにはその方が無難ですが、おっき力への作用を期待するなら多少痺れる味で食べた方が良かったかもわかりませんね。まああくまで茸本の勝手な推測ですが。
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