瀬戸内の「幻のイカ塩辛」をホタルイカで再現してみた

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冷蔵庫からイカナゴ酒盗が発掘されたあと、他にもないかと野菜スペースをひっくり返していると、またも謎の袋が発見されました。

灰色のドロッとした液体がたっぷり詰まっていて、禍々しいオーラを放っています。えっ、マジでこれ、なんだっけ……?

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ホタルイカの塩辛、うんめぇぇぇ

半径5m以内の立ち入りを禁止し、マスクとディスポを装着して、恐る恐る開けてみると……

……うわっクサッ!! なんだこれ、腐敗臭ではないけど、発酵しすぎたみたいな臭いがするぞ。
中身はなんだ……?

……イカだ! ちっちゃいイカ!
わかった思い出した、これ、今年の春に採ったホタルイカだ! 

富山湾で掬ってきたホタルイカのうち、食べきれなかった分をどうしようか迷って、やむなく25%の塩で漬けておいたのでした。いま思い出した。


そういえば夏ごろ一回存在を思い出して状態を確認した気がします。そのときも確かとんでもねぇ臭いで反射的にゴミ箱にぶちこもうとしたのですが、せっかく一晩中冷たい水に浸かって採ったホタルイカ、無駄にしてしまうのも憚られて、なかったことにして冷蔵庫に戻したのでした。

連れからの「冷蔵庫が臭い」というクレームのたびにジップロックの枚数を増やしつつ、ごまかしごまかしやっていくうちに存在を忘れてしまっていたようでした。すまんなホタルイカ。


しかし、一度捨てかけたほどの臭いのブツ、果たしてマジで食べられるのでしょうか。いたずらに食べて野食会行けなくなるとかマジでギャグやからな……

意を決してもう一度袋を開き、鼻を近づけてみると……ん、これはでも、慣れればそんなでもない……かも……?
前に嗅いだときは完全に古くなったイカの臭いがしてたのですが、発酵がうまく進んだようで普通のイカの塩辛の倍くらいの臭いに落ち着いています。


箸でつまむと、旨味のアミノ酸が結晶化してイカがお互いに絡み合っているのがわかります。もしかしてこれ、もしかするかも。
小さめの個体をひとつ引っ張り出して、食べてみます。

(≧∀≦)美味いじゃん!
塩気がかなり強めですが、塩分濃度の高さのわりには食べやすくまろやかな味わいです。熟成によって塩味の角がとれたのと、強い旨味のおかげでしょうか。


内臓はどろどろにとけて形状を無くしており、消化酵素のパワーで身も柔らかくなっています。
イカの塩辛自体、本来は内臓の消化酵素で身を発酵させて旨味をもたらす料理なのですが、最近のものは臭いが出ないよう浅漬けになっていて、うま味が足りないのであとからアミノ酸が添加されています。今回のホタルイカの塩辛こそが、本来の塩辛に近い味わいです。マジ美味い。


こちらも少量をオリーブオイルで和えて、野食会で出してみました。
ちょっとみんなこれ食べてみてー

「ヤバい、危険すぎる旨さ」
「これは酒が盗まれる」
「(食べようとしたくりふじ氏に)おいやめろ、死ぬぞ」

となかなかの好反応。あれ、これ昨日も見た……?


この塩辛、今回の瀬戸内野食会に持っていけてとてもよかったと思います。
というのが、瀬戸内にはこんな感じの「本物の塩辛」を作る文化があるから。

兵庫県にある瀬戸内海の島「坊勢島」では、瀬戸内海で一般的な「べか(標準和名ベイカ)」という小さなイカをまるごと塩辛にします。
これはまだ食べたことがないのですが、話によると非常に強い臭いがあり、一方で旨味もめちゃくちゃ強く、酒盗としてのパワーかとんでもないとのこと。まさに今回のものと同様です。

参加者のなかで、坊勢島のべか塩辛を食べたことがある人がいなかったので、本物と比べてどうだったかはわかりませんが、ともかく今回のホタルイカ塩辛は成功だったんではないかと思います。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆


この二日間で何リットル日本酒を飲んだかわかりません。でもおかしいな、盗まれたはずなのにな……?

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