年末の釣り納めに、予定だと戸田のタチウオ釣り&生シラスすくいを予定していたのだが、お世話になっている係留船「ちどり丸」の釣果情報があまり芳しくなかったので断念。
テキトーに五目釣りでもしようかなと思って上州屋の釣り情報を調べてみると「ワームでアイゴが釣れている」というにわかには信じがたい記事が。
早速お店を訪れてスタッフさんに詳細を聞いてみると、コマセで寄せたアイゴの群れの中にジグヘッドを付けたガルプを通すと入れ食いになった、という。
更には夜になるとメジナまで食ってくるとも…
本来海藻食のアイゴやメジナにまで口を使わせるたぁ、ガルプやべぇなぁ…
と言うわけでガルプとコマセを購入し、友人と三浦の某有名磯に向かった。
アイゴはいないが小魚は元気
着いてみると、先端の一級ポイントは先客がおり入れず。
ちょっと脇のワンドに入れさせてもらい、早速コマセをまいて反応を見るも…ボイルなし。
それどころか、海中にポツリポツリ見える小魚もコマセにまったくの無反応。
どうも活性がめちゃめちゃ低いようだ。
先端ポイントに入っている人たちを見ても釣れていない。
コマセに寄らないのでは当然、ルアーに反応するはずもない。
仕方ないので自分は足元にアオイソメを付けたサビキ仕掛けを入れ、友人は磯際をワームで攻めてみることに。
するとすぐにヒットしたのが
ルアーマンの友達ことアナハゼ。オビアナハゼだと思われる。
低水温に強く、春先の魚がいない時期にもよく遊んでくれる。
さらに、サビキにはベラがヒット。
このあと立て続けにタケノコメバル、チビカサゴと掛かってきたが、どれも小さいのでリリースした。
これとキタマクラを合わせて五目釣りに成功したが、本命のアイゴやメジナ、ウミタナゴなどのガルプを咥えてくれそうな連中に会うことはできなかった。
オハグロベラを食べてみた
ルアーのアイゴはまた次回トライしてみることにして、釣果のベラとアナハゼを食べてみるために持ち帰って来た。
ベラは普段あまり見かけない色合いの種類で、全体としては赤みがかった黄土色で、エラブタのすぐ後ろに青い斑点がある。
見た目にはホシササノハベラとアカササノハベラの中間のように見えるが、ヒレの第1・2条が糸のように長く伸びているのでササノハベラ属ではなさそうだ。
どうやら彼らはベラのなかでもとりわけ蔑ろにされているオハグロベラということで良さそうだ。
有名な黒地に黄色の網模様の柄はオスのもので、メスはこのような地味な色合いであるらしい。
図鑑などを見ても、食味についてはほぼ言及されておらず、キュウセンやササノハベラと比べると落ちる、程度の記述しかない。
地方名もテンジョウバカ、クソベラといった聞くに耐えないものばかり。
大きくても20cmに届かない小魚で味も良くないとなればこのような扱いも致し方ないが、果たして本当はどうなのか。
オハグロベラの活造り
美味しいかどうかわからない魚を食べるときは、まずは刺身に限る。
生の状態の味と香り、食感を見ればその魚にもっとも向いている料理が見極められるからだ。
とはいえ一番大きな個体は15cmくらい、刺身とするにはかなり小さいが、先日のハオコゼと比べたらかなり楽なはず。
例によって活け造りにしたいので、頭を落とさないようにしながらていねいに包丁を入れていく。
ベラは身が柔らかいものが多いので、捌くときはウロコを剥がさず、皮を引くときにウロコごと取り去るのがコツ。
完成。
半透明の白身で、表面に脂がうっすらと浮いた上等な刺身だ。
捌いているときは水っぽいかなと思ったのだが、意外にも締まってしっかりとしている。
海塩をつけて食べてみる。
…( ̄~ ̄)
美味いっ!
なんだこれ、かなりイケるぞ。
もっちりふわふわとした甘みのある柔らかい白身で、しっかりと脂がのっていて舌の上でシャッキリポン系。
一番近いのはメバルかな…
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
これまで食べたことのあるキュウセンやササノハベラと比べてもこちらの方が上だ。
これはおそらく冬を前にして栄養をたっぷりため込んでいたのだろう。
夏は磯臭いとも聞くが、この個体は全く臭みもなかった。
これはなかなか驚き。
小さい個体は丸のまま塩をして軽く干しておいた。
これも身に味があって美味しい。
あぶってかものような味わいで、酒が飛ぶようになくなる。
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
刺身は出色の美味しさだと思うが、頭が大きく歩留まりが悪いことや、身が柔らかいということもあるので15cm以上の大物でないと難しい。
面倒な人は、内蔵もウロコも取らず丸のまま、一塩して干せばすばらしい酒のつまみができる。
これから寒くなって獲物が減る中でも、このベラは釣れてきてくれると思うのでチャンスがあればぜひどうぞ。。
次回はアナハゼさん。
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