マムシグサが食えるんだからムサシアブミも食えるだろの精神(なお、食えるとは言っていない)

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先日、福岡の山中をうろうろしていると、ミツバのお化けみたいな植物とエンカウントしました。


これは、ムサシアブミ。武蔵国で作られた鐙の如くカッコいいのでそう名付けられたそうです。

塊根からまっすぐ葉柄が伸びる典型的サトイモ科植物


種としてはサトイモ科の植物で、有名な作物でいうとコンニャクイモに近いですが、我々の界隈ではそれ以上に「マムシグサの近縁」といった方がイメージがグッと湧くと思います。


マムシグサは全国に分布し、毒草としてよく知られています。ムサシアブミも同様で、全草に強い毒を持ち、誤食すると舌が痺れて喋れなくなり、場合によってはそのまま窒息して死に至ることもあるほど。

ちなみにこの毒はコニインという物質で、あのソクラテスを処刑するのに使われた「ドクニンジン」にも含まれている由緒ただしい猛毒です。喧しい哲学者を処刑するのに「喋れなくなる毒」を用いるなんてなかなか良くできた話で。。


マムシグサにはそのほか、口のなかに激痛をもたらす針状の結晶であるシュウ酸カルシウム、強いエグ味で口内を麻痺させるサポニンなど、様々な毒成分を含む危険極まりない植物です。


しかしその一方、マムシグサは救荒植物としても利用されてきました。長時間ゆっくりと蒸す、焼くなどして加熱されると、毒成分が分解されて食べられるようになるというのです。
しかしそれでも完全に毒を除去することはできず、口の痺れや舌の痛みを我慢して食べたといいます。本当に餓死寸前という時にやむなく口にしたのでしょうか……

というかそもそも今回の食材はムサシアブミなんだけど、マムシグサと同じように食べることはできるのかな?

球根も明らかにマムシグサよりでかいし


まあいいや、やってみるしかありません。基本的にはこの仲間は似たような毒性があると考えれば良いはずなので、マムシグサと同じ方法を試してみることにします。

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オペレーションMUSHIYAKI


まず試してみるのはずばり「焼き」。


小さめの球根を選び、蒸し焼きにしてみることにします。
かつてはマムシグサの球根を囲炉裏や焚き火の灰の中に埋め込んで蒸し焼きにしたそうで、灰のアルカリとメインの毒であるシュウ酸カルシウムを反応させ除去したという話もあります。

しかし、そもそもシュウ酸カルシウムはアルカリ性の物質、コンニャクイモのようにアルカリと混ざって凝固するような物質でもなく、灰のアルカリと反応するというのは文系のぼくでもちょっと?マークです。

改めて調べてみると、シュウ酸カルシウムはやはりアルカリではなく酸と反応し、水溶性の非刺激性物質に変化するそう。やや高温の環境に長時間放置すると、植物体の中にもともと含まれる各種の酸と反応して変化するため、食べられるようになるみたいです。つまり灰はなくてもいいんだな。


つー訳でアルミホイルにくるんでグリルでじわじわ焼いていきます。

30分ほどたつと、いい感じの焦げ目がついていい香りがしてきました。
剥いてみると、ホクホクとして美味しそうなイモがあらわに!
香りはジャガイモ寄りのサトイモ、質感はサトイモ寄りの男爵イモという感じでとても美味しそう。


端っこのホクホク部分を一つまみ、口に含んでみます。
いただきマース……

……おっ、これは…蒸かしジャガイモの味がして美味し

Σ(;゚;艸;゚;)

ゲェェェ
 (ii  ´Д )
 ノ つi∥。゚・
と__)川|;;:⊃
  ⊂;:;;;::;:⊃

アカーン!!
美味しいし、何も刺激ないからいけるべって思った瞬間に来た! 両唇とベロを剣山で貫くような、まるでクロムツとディープキスをかましてしまったかのような鋭く突き刺す痛み!!

釘で穴を開けたベロに花椒を刷り込まれるような地獄の刺激が絶え間なく襲いかかります。シュウ酸カルシウムの結晶が針状だということが嫌ってほど実感されます。
同時に喉を胃カメラ飲むときの麻酔のような麻痺が襲います。呼吸困難の恐れが頭をよぎります。

これはダメです、可食とか不食とかそういう話じゃない、物理的にダメなやつ!
やっぱりこいつら口にしたらアカンやつなんじゃないか!


……いや、しかしここで諦めたら先人たちを超えられない、心を奮い立たせてもう一発!


ということでもう一時間くらい加熱してみました。ここですべて終わってもいい、真っ黒焦げになっても……シュウ酸カルシウムを殺す……

いただきマース

……(`・~・´;)む、むむっ
まだ若干チクチクするところはありますが、これなら全然食える!
やっぱりさっきのは加熱時間が足りなかったんだ……小さいものにさっと火を通すんじゃなくて、大きいものを焦げるのも厭わずじーっくり加熱するのがいいんだねきっと。これは確かに灰にぶっ込んで加熱するのが楽です。

味:★★☆☆☆
価格:★☆☆☆☆ 餓死寸前なら余裕で食える


しかし、この方法ではシュウ酸カルシウムこそ処理できているものの、コニインやサポニンについては目を瞑ってしまっている状態です。
もっと安全性を重視した料理法があるはず……

ということで明日はより科学の知識と先進技術を駆使した方法でムサシアブミ(とマムシグサ)に挑んでみたいと思います。


あ、明日は漫画の発売日なのでぜひそちらもお気に掛けていただければ……初動でドカっと動かしたいのです、お買い求めくださる予定の皆様、ぜひお早めに……何卒……

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植物
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野食ハンマープライス

コメント

  1. ムジカ より:

    ざざむしで読んで「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛」のあたりで失礼ながら笑った記憶が

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