海藻とスパムがとてもよく合う件について ~「つのまた豆腐」を作った~

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昨日のいぎす豆腐のことを調べていたときに、沖縄にも海藻を原料にした「豆腐」があることを知った。

その名も「つのまた豆腐」である。

コトジツノマタ

ツノマタで、豆腐?


これは当地で「つのまた」と呼ばれている海藻を煮溶かし、具材を入れて冷やして固めるという、いったい何番煎じだよ…と思わせるシンプルな海藻料理である。

まあそれだけ「海藻を煮たら溶けた」という事実にワクワクした人が多かったということなのだろう。
近頃は僕も海藻(紅藻)をみる度に「お前も溶かしてやろうか?」と思ってしまう。

しかしこのつのまた豆腐、ググっても2つのサイトしかヒットしないうえ、画像も全く出てこない。
もしかすると伝統料理っぽいオリジナルメニューなのかもしれないが、まあ深く考えずに作ってみることにしよう。

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つのまた豆腐を作る

まず、沖縄料理で使われる「つのまた」は、標準和名ツノマタとは別のキリンサイという海藻であるらしい。
本州にはあまり生えていないようなので、ここでは本家のツノマタおよびコトジツノマタを使用する。
いずれも今年の初めに相模湾某所で採取し乾燥させていたものだ。
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ツノマタ

ツノマタ


コトジツノマタ

コトジツノマタ

こちらを水に漬けて戻す。
ほんの20~30分で柔らかくなるが、レシピでは最低3日はかけて戻すと書いている。
それはめんどくさいので、長めに加熱することで勘弁してもらおう。

戻るとこうなる。
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戻している間に、具材のスパムとツナをフライパンでカリカリになるまで炒めておく。
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スパムは量の割にバカ高いので好きではないが、沖縄料理と言うことでこれを外すわけにいかないだろう。
以前作ったぶどなど、海藻を溶かした物に魚介類を入れることは多いが、肉系の具を入れるのは珍しく、沖縄らしさを感じる。

戻ったツノマタを火にかけて溶かすのだが、この工程が少しユニークである。
ふつう海藻寒天を作るときは、多めの水でことことと煮ながら、へらで練ってじっくりと溶かしていくのだが、このつのまた豆腐ではツノマタをひたひたの出汁に漬け、蓋をして蒸し煮にするように加熱するという。
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この方法だとツノマタが溶け残りやすいので、完全に溶かすために、戻す際に長時間水に浸しておくのかもしれない。
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ツノマタが溶けたら炒めておいたスパムとツナを入れて混ぜ、型に流して固める。
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完成!
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…(・~・)

スパム、いいじゃない…!
まず、例によって完全に海藻そのものの味がするうえ、少ない水で煮溶かしているからかさらに風味が濃厚なので、ダメな人には全く受け付けないだろう。
しかしこの海藻の風味と、スパムというしょっぱくてジャンクな豚肉がとても良く合う。
その強い風味で海藻の潮臭さに負けず、さらに足りない脂味を補ってくれるのだ。
沖縄でしか生まれ得ない異色のベストマリアージュである。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

海藻ってのは全国津々浦々でいろんな利用法があって面白い。
旅行の際には海辺の乾物屋や土産物屋を覗くと、そこでしか食べられていない海藻に出会えることがあるのでオススメだ。

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