ムサシアブミとマムシグサの毒をかっちり抜いて食べてみた

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球根も明らかにマムシグサよりでかいし


というわけで、じっくりじっくり蒸し焼きにしてあげることで食べられるようになるとわかったムサシアブミ(と、マムシグサ)


長時間加熱することによって毒が消えるのみならず、デンプンが糖に変わるためホクホクとして甘味を感じるようにもなります。まるで「インカのめざめ」みたい。

この味ならば、飢饉の時に重宝されたのもわからなくはない感じです。ピリピリはするけども。


しかし、昨日も書きましたがこの「蒸し焼き」は理屈上、メインの毒成分であるシュウ酸カルシウムこそ処理できるものの、ほかのコニインやサポニンについては無視した形になっています。
もちろん古くからこうやって食べられてきているので問題はないと思うのですが、なんとなく気味が悪い印象もなくはないです。より安全な利用法はないものでしょうか。
いろいろな文献に当たってみて、これなら……という方法を考えてみたので、トライしてみます。

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ムサシアブミを毒抜きして食べてみた

工程①:サポニンとコニインを除去する

毒成分のうちサポニンとコニインは水溶性のため、水に晒すことで取り除くことができそう。

とはいえ塊根は大きく、そのままでは晒しても意味がないので、まずは砕いてデンプンを取り出して、それを水に晒してみます。


ミキサーにかけて

水切りネットに入れて絞ります。
このとき、初め素手でやっていたのですが、徐々に手のひら全体がチクチクと痛くなってきました。
慌てて水洗いするも収まらず、先端や関節を中心に鋭い刺痛が拡がって止まらなくなりました。きっとシュウ酸カルシウムの結晶がドスドスと手に刺さっているのでしょう。

シュウ酸カルシウムといえば痛風の原因物質、ある意味では手が痛風状態になっているともいえるでしょうか。いたたたた……

デンプン自体はいっぱいとれる





とれた汁を放置してデンプンを沈澱させ、上澄みを捨てて水を加えて撹拌……というのを5回ほどやります。

これでよし。

工程②:シュウ酸カルシウムを除去する

シュウ酸カルシウムはアルカリ性で、水に懸濁した状態で酸と混ぜ、加熱すると中和し、水溶性の物質になり結晶ではなくなります。
そのため、この取り出したデンプンに酢を混ぜて加熱すれば、最後の毒成分であるシュウ酸カルシウムも除去することができるのですが、しかし問題が。
加熱するとデンプンはアルファ化し、糊状になります。つまり酢と混ざったネトネトのなにかになるわけでそんなん美味しいはずがありません。

調べると、シュウ酸カルシウムと酸は60℃程度で一時間加熱するのでも反応してくれるそうです。この温度ならデンプンがアルファ化しないのでちょうどいい。



ということで取り出したムサシアブミデンプンに水と少量の酢を加え、

低温調理器で60℃・1時間加熱します。


うむ、アルファ化してないですね。
ここにまた水を加えて撹拌・沈澱・上澄み除去を繰り返して、酢を取り除きます。


無害(のはず)のデンプンができました。




ここに水を加えて火にかけ、練り上げ、器に入れて冷やし固めます。
鍋に梅酒と砂糖を入れて火にかけ、梅酒シロップを作成。

皿に盛り付け、シロップをかければ

ムサシアブミデンプンのくず餅、完成!

早速いただきます……が、毒抜きに失敗していたら大変なことになるので、まずは耳掻き一杯分を口に含んで、様子見……

……痺れや痛みはなさそうだな。
改めて、いただきマース

…(≧~≦)イイカンジ
味はほんのちょっと酸味のあるくず餅で、梅酒シロップがめたくそ合います。
かなり練りましたがやはり本家葛餅やわらび餅のような弾力は出ません。しかし固まるは固まりますし、舌触りも滑らかで悪くないです。

何より痛み、エグ味、痺れ一切なし! 喉に引っ掛かることも麻痺することもなく、毒抜きがバッチリだったことがわかります。うれしす(`・ω・´)

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


とはいえこの手間、デンプン取りが趣味だよというひと以外にはオススメできません。
今回の試行のあと、囲炉裏の灰を用いた毒抜きを試す機会に恵まれたのですが、結果として食べ物として全く問題ないレベルの刺激に抑えることに成功しました。
時間こそかかるものの手間はほぼ要らないし、飢饉で食べ物がないときはこの方がいいと思います。いいかみんな、家に囲炉裏を作るんだ……!

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コメント

  1. しろづき より:

    初めまして。
    3巻をKindleで購入して、読み終わった勢いで初めてコメントしてみてます。
    美味しいものに前のめりになってあっという間に虫を食べ始める都田さんの成長っぷりに驚きつつ…、絵も好きなので相乗効果で面白かったです。4巻が待ちきれないくらいです。
    コマ間のコメントもコラムも毎回楽しみで読み込んでます!

    ブログは、大和芋を素手でおろしたときに味わった堪え難い痛みと痒みを思い出しつつ読みました…。毒抜き系は人体実験みたいでヒヤヒヤドキドキするのが妙に好きです。

  2. 趣味園芸家 より:

    デンプンを多く含む植物は有毒でも殆どが救荒作物として利用された歴史がありますね。
    次は公園などで採取できるソテツの種子からデンプンをとってみるというのはどうでしょうか。

  3. うー より:

    確かせつなさんもマムシグサを食べてひどい目にあっていたような。