幻のコゴミ“赤こごみ”こと「キヨタキシダ」をハナマサで買って食べてみた

スポンサーリンク

「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
↓↓
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


植物ネタ全然読まれないし、ましてやシーズンがとっくに終わった6月にマニアックな山菜の話するとかPV爆死の未来しか見えないんだけど、個人的にすごくグッと来たので記事にしたろうと思います。


僕の勤務先は近所にアメ横、吉池、ハナマサ×2軒があるという極めて恵まれた場所に立地していて、昼休みや会社帰りにしょっちゅう覗いているのだが、ブログのネタになりそうな面白いものが見つかることがしばしばある。
確率としては吉池≧アメ横>>>>>>ハナマサぐらいの感じで、とくに前者2つにはネタ枯渇のピンチを救ってもらっているのだけど、なかなかどうしてハナマサもバカにできないというか、ときに予想を上回るファインプレーを見せてくれることがある。


知らない人のために解説しておくと、ハナマサ(正しくは「肉のハナマサ」)とは23区東部を中心に展開している、業者向けホールセールの側面が強いディスカウントスーパーマーケットだ。
いわゆる下町に店舗が多く飲食店からの需要が多いほか、エスニックタウンが近くに立地していることも多く、結果として普通のスーパーでは見かけないような変わった食材が並べられていることがある。

秋葉原の店舗だと、ほぼ毎日ボラ(刺身用)の入荷がみられ、また肉類が充実しているなど、チャイナタウン・コリアタウンが近所にある影響を感じさせる。
最近では御徒町の多慶屋目当てのアジア人買い出し客が、ハナマサまで足を延ばしている様子もしばしば見うけられる。

入荷も日本全国様々な場所から行われており、築地のような中央市場を通ってきてないと思しき食材もあることから、何かしら特殊な仕入れルートを確保しているのだろう。
僕みたいな個人客にはありがたいこと限りない。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

そのコゴミ、レアな奴っすよ

さて、先日もハナマサをうろつきながら変わった食材(と晩御飯の材料)を探していたのだが、その時にふと目についた商品に強い違和感を感じた。


コゴミ(クサソテツ)といえばシダ系山菜の代表格で、ワラビ・ゼンマイに次ぐ知名度を誇る。
郊外や野山にも多く、調理のしやすさ・味の良さでファンも多いのだが、これはちょっと見た目がヘンだ。

コゴミ Google画像検索結果
コゴミといえばさわやかな黄緑色、あるいは輝きのある深緑色をしてり、茎もつるっとしていて美味しそうだ。


一方でこれは茎が鈍い赤色で、鱗片のようなものもくっついている。
美味しそうに見えない。
と、とりあえず購入だ!


持ち帰って調べてみると、これはいわゆるコゴミとは違った、キヨタキシダというシダの若芽であるということが分かった。

コゴミはクサソテツというシダの若芽だが、これらは全く別の種類で、キヨタキシダの若芽は赤こごみ、いっぽんこごみなどと呼ばれているらしい。


茎の形状がコゴミに似ていて赤いから「赤こごみ」、またコゴミと違って群生することが少なく、株ごとの芽出しの本数も少ないことから「いっぽんこごみ」と呼ばれているそうだ。

つまり、普通の「コゴミ」として販売するのは間違っているんだけど、なんとこの赤こごみ、マニアの間ではコゴミよりも珍重され、高値で取引されているとのこと。
発生量が少なく、芽も小さく、さらには普通のコゴミよりもずっと美味しいなどという声もある。
今回のミス販売はつまり、関アジを普通のアジと同じ値段で売っているみたいなものか……?


まあいいや、ありがたいことこの上ないので、早速食べてみましょう。

キヨタキシダを食べてみた

コゴミはアクが少なく、さっと加熱してそのシャキシャキした歯ごたえを楽しむのが通の食べ方だと思う。
赤こごみはどうなんだろう。

まず、ざっと水洗いして、鱗片を洗い落とす。

鍋に湯を沸かし、塩をひとつまみ入れてから赤こごみを投入。
30秒ほどで湯から上げ、冷水にとって残りの鱗片を洗い落とす。


まずはシンプルにお浸しで。

……(≧~≦)
カリカリして美味しー!!
普通のコゴミも歯ごたえはシャキシャキとしてとても良いのだけど、この赤こごみはシャキシャキを超えてカリカリといった歯ごたえ、歯切れの良さがある。
味もコクがあり、わずかな甘みとシダには珍しい旨味を感じる。
これは相当上等な山菜だ。


クセが全くないのでマヨネーズで食べてもよいし、


ごまで和えても美味しい。

でも軸が細いせいか、天ぷらにすると歯切れの魅力が飛んでしまった。
シンプルに食べるのが正解と言えそうだ。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆


僕らはいつだって変わった美味しいものを食べていたいけど、と言っても北海道までオオカミウオを釣りに行ったり、フィリピンまでオウムガイを採りに行ったりするのは市井の人間にはそうそうできない。


僕の友人であるひろしくんの新刊が出ます! みんな買いまくるんだ!!↓



だから、ハナマサや吉池でレアアイテムを売ってくれるのはとても有難い。
こういうものは味如何にかかわらずどんどん購入して仕入れ担当さんを応援していきたいので、よかったらみんなも協力してくださいオナシャス!!

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
植物
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. 畦之助 より:

    いつも楽しく読ませていただいております
    キヨタキシダの芽って食べれるのか…
    今度見かけたらトライしてみます。

    先日ウツボを捕まえたので身は食べ、皮を革にしてみました。茸本様の記事を参考に煮出した烏龍茶で漬け込み、無事革に加工することができました。ありがとうございます。

  2. うらな より:

    初めてコメントさせていただきます。
    私がこちらのサイトを知ったきっかけはアーティチョークの紹介の記事でした。
    次いでテンサイの食レポの記事を読み心を掴まれ、それから欠かさず拝読させていただいております。
    植物関係の記事を楽しみにしている者もいるとお伝えしたく書き込みさせていただきました。
    今後とも変わらぬ活躍を期待しております。

  3. ぴんこ より:

    山菜やキノコの記事大好きなんですが、PV少ないんですね…
    美味しいのを食べた経験がないと魅力が伝わりにくいのでしょうか

  4. りょ より:

    初めまして。確かに私も魚介類時々獣類ばっかりで、植物系はスルーしてしまってました。ちゃんと植物も食わんと。反省。
    赤こごみですが、確かに(こちらは新潟です…コゴメと呼ぶことが多い)売ってるのは見ないですが、山菜採りに行った知り合いから青(=ふつうのコゴメ)赤共々袋パンパンのをワサっと貰って食べたりしてたので、貴重品だとは露知らず。なんかオヒタシにする前から鰹節まぶってる(=鱗片ですね。敢えて落としてはいませんでした)みたいなヘンなのだなーぐらいの認識でした。
    また新しい記事も楽しみにしています。長文失礼しましたm(_ _)m

  5. りょ より:

    追記;キヨタキシダ…「清滝羊歯」なんでしょうかね。どうしても脳内で「清田岸田」と若手お笑いコンビみたいに変換されてしまいますw
    ハナマサは、私の幼少期(平成初期)には新潟にもありましたが、気付いたら撤退してました。というか東京が本拠地とは知らず、地元から無くなった=潰れたと思っており、東京にはまだあると知り赤面。そして肉しか売ってないとばかり思ってました。新潟店は今住んでる所の近くにあったので、今でもあったら行くのに。

  6. れい より:

    いつも楽しく読ませていただいています。
    赤こごみ、美味しいですよね。神奈川ではマイナーですが、足柄の方にそこそこ大きな群生地があって、5月頭から終わりくらいまでの間はよく採れます。
    マヨや天ぷらもいいですが、からし和えが個人的にはイチオシです( ´∀`)

  7. 芋虫 より:

    植物系記事のPVが少ないのは意外でした
    これからも植物ネタ楽しみにしてますm(_ _)m

タイトルとURLをコピーしました