今年も虫どもが飛んで食卓に入る時期となってまいりました。
梅雨明けが近づくと、多摩川河川敷で発生したセミをはじめとする各種昆虫類がうちのマンションに飛来するのです。
廊下にひっくり返っている虫たちを拾い集めれば一食分くらいになったりならなかったり。とくにセミは種類を問わず何でも来てくれるのでありがたいです。
なんですけど、セミが美味いという話は当ブログでもさんざんやっており、今更取り上げてもなぁ……
なにか面白い加工ネタでもあればいいんだけど……
と、思いながらインターネッツをサーフィンしていたら、面白いものを見つけました。
虫は納豆になる
我が国における昆虫食研究の第一人者・内山先生が代表をされている「昆虫料理研究会」のサイトでは、日々様々な昆虫料理レシピの研究が行われています。
そしてその中でもひときわ異彩を放っていたのが
虫納豆。
虫類は基本的に高タンパクな食材として知られているのですが、そのタンパク質を納豆菌によって分解し旨味を増やしたものが、この虫納豆です。
いやまあ理屈上は解るし、納豆菌をはじめとした枯草菌にはリネンス菌など動物性たんぱく質を分解するものもいるのでおかしな話ではないのですが……植物以外を納豆にしようという発想がすごいよね。ぼくだってタケノコは納豆にしたけども。。
サイトではいろいろな虫を納豆にしており食味評価もしているのですが、とくにセミについては極めて高評価を受けているので、今回捕まえたセミを納豆にして本当に美味しいか確認してみようと思います。
また、それだけだとオリジナリティに欠けるので、冷凍庫に入っている
フェモラータオオモモブトハムシ(幼虫)も納豆にしてみよう。
ということで、やってみました。
セミとフェモで納豆作ってみた
納豆にするにあたり、昆虫の外骨格・外皮が発酵を妨げることがあるそうなので
セミは胸筋部分はむき身にし、さらに永野さんから先日送ってもらった、幼虫から羽化したばかりの「ソフトシェルセミ」も追加します。
フェモのいくつかを半割にします。
それぞれの虫を熱湯で5分ほど蒸し、表面の雑菌を殺菌します。
そこに納豆菌を溶かした熱湯を振りかけて混ぜ、
40℃前後の温度帯で1昼夜放置します。
その後、冷蔵庫で少し風味を落ち着かせたら
完成!
さっそく食べてみましょう。いただきまーす
まずセミから。
……(`・〰・´)おっうめぇ!
ただ茹でただけのセミより、明らかに旨味がましているのを感じます。香りは納豆……というよりはウォッシュチーズの熟成前の感じで、臭さはありません。
ねっとりとしたコクのあるうま味があり、例えるならば「蒸かしたソラマメにラクレットチーズを溶かしてちょびっと乗せた」みたいな味がします。醤油かけてご飯に乗せて食べるとかなり美味い!
しかし、成虫の外皮は発酵によって柔らかくなってはおらず、口のなかでモシャついてしまい不快です。ソフトシェルセミで作るべき料理ですね。
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
フェモのほうはどうかな?
……(´・〰・`)いまいち
フェモ特有の苦みが、発酵によってより立ってしまっていてちょっとよろしくないです。匂い的に間違いなく発酵はしているのですが、かといって旨味が増しているようにも思えないのも残念。ただ茹でただけでも美味しい虫なので期待しましたが、発酵や熟成に向いているわけではないのかも。
味:★★☆☆☆
価格:★☆☆☆☆
セミの幼虫で作ったらたぶんかなり美味いものができると思います。また虫に限らず、カニとかエビなんかで作った納豆ももしかしたら美味しくなるのかも。匂いはヤバくなりそうだけど……
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コメント
鶏むね肉とかスルメとかどうでしょう
たぶんうまくいくと思います。。納豆菌よりも、ウォッシュチーズ製造に用いられるリネンス菌とかがいいかもしれませんね。