最高のアライグマで作るすき焼きが絶品だったのだ

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日本において人気のあるジビエはおおむねイノシシ、シカなどの大型哺乳類とキジ、カモ等の鳥類ですが、小型哺乳類の仲間にも美味しいものはたくさんいます。
その代表がアナグマとハクビシン。

アナグマを捌いて食べてみた①:とりあえず解体してみた
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いずれも肉は旨味が強く、また脂肪に甘みがあり臭みもなくて大変美味です。
一方で多くの人が「食用小型哺乳類」として想像しそうな「タヌキ」ですが、残念ながら美味しい個体というのはまず存在しないようです。イヌ科の動物はどれも脂肪が臭いみたいでね……タヌキもなんか洗ってない犬みたいな臭いするんだよね。雑食性だからかなぁ。


でね、この3種のほかにもう一ついるわけですよ。厄介な外来生物が。
そう「ぼのぼの」で広く知られるようになったアライグマですね。

北米原産のアライグマは日本には動物園の展示動物として移入され、逃げ出して全国に広がったと考えられています。農作物に甚大な被害をもたらし、家屋に住み着いて悪臭被害を発生させ、しまいには狂犬病を媒介するぞということで特定外来生物に指定されたのですが、盛んに駆除が行われているにもかかわらず、首都圏を含めしばしば見かけます。


さてこのアライグマ、味の評価はというと、上の3種の間に収まることが多いですね。つまり「アナグマやハクビシンほどは美味しくないけど、タヌキよりはまし」といった感じ。
ぼくも前に食べたときは「脂身はタヌキと同じ臭みがあり、赤身は旨味や歯ごたえが弱いけど臭みも少なく悪くない」といった感想を持ちました。
アライグマくんは悪食で何でも食べるために臭みを持ちやすいのかもしれません。

というわけでぼくの中では「アライグマ=そんなに美味くないし進んで食べるもんじゃない」という理解が出来上がっていたのですが……

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「ガチで美味いアライグマ」はいるのか

先日ゆぞくさんとキノコ狩りをしていた時のこと。
アライグマの話になったのですが、その時「わっきー、美味しいアライグマって食べたことある?」と聞かれました。
正直ないっす、ってか美味いのなんかいるんですか? と聞き返すと「おると思う」との返答が。

ゆぞくさん曰く「ジビエの味を決めるのは、捕った後の処理や」とのこと。肉自体が臭いということももちろんあるだろうけど、処理をちゃんとすることで臭みを発生させなくすることができるというのです。
なので、アライグマも「品質の良いものを捕って、ちゃんと処理したら美味しいはず」だと。


考えてみれば、アライグマは有害鳥獣駆除で捕られることが多い生物。旬を外した時期であったり、都市部や人家近くに出没したもの(≒ごみをあさったりしていたもの)を口にすることが多くなっている可能性はあります。
しかも有害駆除というのはもちろん食べるために行うわけではないので、どうしても「食肉加工のためのベストな処理」を施すのが難しいこともあるでしょう。それが結果としてアライグマの評価を下げることにつながっているのかもしれない。


なので、ゆぞくさんのような真のプロフェッショナルハンターが吟味した個体を、食肉とするために万全な処理を施したのならば、もっと美味しくなるかもしれない。すくなくとも、ゆぞくさんにはその自信があるご様子です。
これは面白いじゃないか! ということで「手に入ったらぜひ分けてください!」とお願いし、送ってもらったのです。

最高のアライグマを食べてみた

数日後、届いたのはこちら。


うわぁめっちゃ綺麗……!
鮮やかな赤身肉は純白の脂をまとい、大きさのわりにぷっくらと太っていていかにも美味しそうな見た目です。
どこに刃を入れても血が滴ることはなく、血抜きがこれでもかというレベルで完璧に行われたことが分かります。
もちろん、この時点での臭みは皆無。



モモ、ウデ、バラ、ロースに切り分け、とりあえずバラを一口サイズに切って


焼き肉にしてみました。

……(≧〰≦)うわ、美味しい!
加熱することで臭みが出ることを懸念しましたが、噛みしめた奥の奥にわずかに「ジビエらしさ」として発現する程度。これなら「好ましい個性」と言い切ってしまって差し支えありません。
ご存じの通り茸本は多少のジビエ臭でも参ってしまうくらいの貧弱マンなのですが、全く気になりません。

そして味ですが、脂が甘い! ハクビシン・アナグマにも匹敵しますね。そして赤身も旨味、歯ごたえが強く「食べごたえの強まったイノシシ」という感じです。イノシシより好きという人は結構いるはず!


これまでぼくが食べたアライグマとは違い過ぎて、正直信じがたさがあります。臭みがないからしっかりと噛みしめられて、その肉汁と脂のジューシーさを堪能することができる、、。
目利きと処理の違いでここまで差が出てしまうのか……まあでも考えたら魚もそうですもんね、おりしも前回「血抜きが魚の磯臭さを減らす」なんて話したばかりですし。

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このアライグマ肉について、連れが「すき焼きにしたら合いそうだよね」というのでやってみることにしました。


できる限りの薄切りにして


すき焼きのたれで煮ます。
溶き卵を絡めて

いただきまーす

……(≧〰≦*)これだー!
醤油で甘辛く、かつさっと加熱されたアライグマ肉は「赤身の旨味の濃さ」「脂身の甘さ」「柔らかさ」を兼ね備え、その素材の良さを存分に見せつけています。
ちょっと風味の強い肉なので、すき焼きのたれにも負けませんね。イノシシに似てるから味噌仕立ての鍋がいいかと思ったんだけど、これは醤油があうな。

アライさん美味すぎだろ、アナグマとどっちが上か分からなくなってきちゃったな……

味:★★★★☆
入手難易度:★★★★☆ ゆぞくさんに頼み込む以外にこのレベルのアライグマ肉を手に入れるすべがあるのかどうか……



こうなるとがぜん気になるのは「本気の食肉加工処理をされたタヌキ」の味ですね。さすがにタヌキの臭みはいかんともしがたいところがあると思うけど、でもゆぞくさんならワンチャンやってくれるかもしれない。

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肉・シビエ
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コメント

  1. うめ より:

    初めまして、いつも楽しく読ませていただいています。私は北海道でハンターをしているのですが、知り合いが牛舎に入ってくるタヌキを罠で捕った物を頂いたことがありました。止め刺しに立ち会って、血抜きから解体までは私が行いましたが、私の未熟な技術でもかなり美味しかったですよ。限りなくラムに近い印象でした。牛舎の餌で丸々と肥っていたのと、箱罠だったので処理がしやすかったためかなと思います。ぜひ、試してみて下さい。

  2. たいめん より:

    故C.W ニコルさんのエッセイに、「この肉(狸)には臭みというものが一切ない」との記載があったので轢いちゃった時に試してみたのですが、

    …ブリカス人の戯れ言を真に受けたオレが馬鹿だったは!!!!!!

    *ちなみにニコルさんはウェールズ系日本人なのでイギリス人扱いすると激怒されたそうですが、五月蠅い!オマエなんかイギリス人だ!

    …すいません調子乗ってました。(ニコルさんはエチオピアで密猟者を蹴り殺した事もある超武闘派)

    とは言え、私は育ちが悪いので(一応)食える、しかも自分が殺した生き物を捨てるのは凄く抵抗があるのでやむを得ず我慢してちびちび食ってたんですが、不思議な事に3日目くらいから匂いが消失し、最終的にはまあまあ美味しく頂けました。あの匂いは揮発性なんでしょうね。

    つーこって本気の食肉加工処理をされたタヌキ、期待していますw

    • 茸本 朗 より:

      たいめん先輩! ご無沙汰っす!!

      肉食ネイティブな人たちは、生まれつき肉の臭みを感じにくいんじゃないかなーと思うことはあります。そしてジビエの臭みが揮発性だなっていうのも賛同しますね。
      ニコルさんは捕鯨反対なところ以外はとても「日本人らしい日本人」でしたね。最近こういう表現はポリコレ違反で怒られちゃいますが。。

  3. トム より:

    すき焼きと言いつつ焼かずに煮たんですね。
    ホントのすき焼きのように、砂糖と醤油だけで焼いて、お野菜の水分で調理したらもっと美味しいかも。

    • 茸本 朗 より:

      そこはね! 西と東で違う話なので、突き詰めると戦争になっちゃいますんで一回置いときましょう(;´∀`)

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