「くーねるまるた」のバカリャウコロッケを サメ肉(深海ザメ) でやってみた

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先日の焼津・長兼丸さん訪問の際に頂いた魚のなかに、1匹だけ深海ザメが混ざっていました。


これはサガミザメ系なんだと思うけど……いや……ヘラツノザメかな? わからぬ……


深海ザメの分類はソコダラに負けず劣らず難しく、ざっくりと「カラスザメかフジクジラだろうな」

「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。 ↓↓ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 星海社Webサイト「ジセダイ」...

「ヘラツノザメ系かな……」

Hさん、長兼丸さん、タイトルお借りしちゃいました。。この場を借りてお詫びいたします東京湾の魚は美味しい。これは嫌味でも何でも...

アイザメ類っぽいな……」

先日の超深海釣りで釣れたアイザメ科のサメ。基準種のアイザメでよろしいかと思うのだが、なにぶん似た仲間が多いもので確信は持てない。 ...

ユメザメ……?」

みたいなところまでしか分かりません。。


あきらかにサイズの小さいカラスザメ類はともかく、それ以外は利用方法も「肝は肝油、身は湯引きかフライ」あたりで共通してきます。

深海ザメは肝臓がデカいのだ


なので釣りにあたっては、どんなサメなのかきっちり同定しようという気にはあまりなれません。(「アイザメは高く、ユメザメは安い」など魚価の差はあるので、漁業においては同定大事)


そう、いろんなサメを食べてきて思うのは、美味しいものにしろそうでないものにしろ、「サメはサメ」なんだなぁということ。
生で食べていると、噛み続けていると徐々に口の中が「塩化アンモニウム」系の香りで満ちてくるし、火を通すとどことなくしょっぱいような風味が生まれます。
好き嫌いが分かれ、調理法も選ぶ食材であることはやむを得ないかなとも思えます。

ということで今回もいただいては来たものの、調理法のビジョンはないまま帰宅。
どうしようかと悩んでいるうちに鮮度が落ちてアンモニア臭くなってしまってはしょうがない……と、とりあえず3枚におろして、ソコダラと一緒に

塩漬けにしておきました。

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サメの“バカリャウ”

塩漬けにした理由は2つ。


①深海ダラでバカリャウを作っていたので

バカリャウとは、西ヨーロッパを中心にアフリカやラテンアメリカでも食べられている干し鱈のこと。新鮮なマダラ(厳密には近縁種)を塩蔵し、カチカチに干したものです。
深海ダラは身の水分が多くそのままだとすぐに腐敗するので、すぐに調理するもの以外は塩蔵して水分を抜き、乾燥させておこうと思ったわけです。漁のお手伝いでもうへとへとだったしね……。
ついでに深海ザメもやっておこう、そういうカンジです。


②サメ筋肉中の細菌を殺菌するため

軟骨魚類のアンモニア臭は、体内に大量に含まれる尿素が、菌の働きでアンモニアに分解されることで発生します。
であれば塩漬け・乾燥を経ることで当該菌を殺菌しておけば、長期保存ができるようになるのではないか。

サメの干物自体は世界各地に存在しますが、アンモニア臭がするものも少なからずあるようです。
初めにかっちり塩蔵してあげれば臭くならないのではないかと思うのですが、やってみないとわかりません。


塩蔵し、塩分が飽和した状態の深海ザメたちをザルに上げて数日干します。

こんな感じかな。
深海ザメのバカリャウ“風”とでも呼びましょう。

バカリャウコロッケを作ってみた


さて、あとはこれをどう料理するか。
バカリャウの本場であるポルトガルには、実に数百ものバカリャウを使った料理が存在するそうなのですが……

今回は、週刊ビッグコミックスピリッツで連載中(現在は続編)の漫画「くーねるまるた(高橋じんぐ作、小学館)」に出てきた料理を参考にしてみましょう。
主人公のマルタことマリア・マルタ・クウネル・グロソがぽっちゃりしていてかわいいメシもの漫画です。

こちらの第1話に登場した「バカリャウのコロッケ(パステイシュ・デ・バカリャウ)」を作ってみたいと思います。


バカリャウ(サメだけど)は小さく切り、水で戻します。
マルタさんは数時間で引き上げていたけど、一般的には24時間ほど戻すそう。

ここで匂いを嗅いでみますが……
……(`・∞・´)
うん、魚の発酵臭みたいなのはあるけど、アンモニア臭さは皆無ですね。よかった。

戻ったバカリャウの皮や骨を取り除き、身をほぐしておきます。

今回はタラではなくサメなので骨は気にしないでいいですが、皮にざりざりとした鱗がついているので、こすり落としましょう。


サメの身は繊維質ではないのでうまく裂けず、キッチンばさみで細かく刻んでいきます。



ジャガイモをふかしてつぶし、


バカリャウと


卵を入れてよく混ぜてタネを作ります。


2本のスプーンでラグビーボール型に成型し


衣などは特につけずに、180℃の油でからりと揚げましょう。


完成!

いただきマース

……(≧~≦*)
これは……美味しい!!
加熱されたバカリャウは、サメが原料とは思えないほど強烈な旨味を醸し出して、その強めの塩気とともにジャガイモに混ざり、でんぷんの甘みを全力で引き出します。
あれ、砂糖入れたっけ? と思うくらいの甘み。
卵が入ることで食感がふわふわになり、また衣をつけなくとも表面にクリスピーな皮が形成されて「サクふわぁッッ」って感じの不思議な風味がもたらされています。

マルタさんは「タマネギやパセリが入るともっと美味しくなる」と言っていますが、敢えて言いましょう、これこそが完成形だと。
ジャガイモ、バカリャウ、卵のトライアングルの前にはいかなる要素も不要。塩はもちろん、コショウも不要です。
全力でこの塩気と甘みを楽しむべし。

まあ、サメなんだけどさ。

味:★★★★★
価格:★★★★☆



いやーこれヤバい、超美味いよ。
サメバカリャウは使い切っちゃったけど、ソコダラバカリャウはまだたっぷりあるから、次の野食会まで残ってたら会場で作ろうかな! まあ、たぶん残らないと思うけど。

サメが釣れたら塩蔵して干物、マイブーム来ましたね。やっていく所存です。

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コメント

  1. 鏡の破片 より:

    >軟骨魚類のアンモニア臭は、体内に大量に含まれる尿素が、菌の働きでアンモニアに分解されることで発生します。
    >であれば塩漬け・乾燥を経ることで当該菌を殺菌しておけば、長期保存ができるようになるのではないか。

    これで大成功なわけですが、人類の長い歴史の中で「サメは塩漬けして干すとアンモニア臭くならないぞ」って発想がこれまで出なかった理由とは。
    ひょっとするとものすごい大発見なのかもしれませんね。

    • からす より:

      サメやエイをわざわざ臭くならないように工夫する、という考えがなかったのかもしれませんね。
      『もやしもん』でホンオフェを食べる話を思い出します。くさや感覚かな……うまい魚を食べようと思ったら、他にあるだろうし。

  2. 8kon より:

    いつも楽しく読ませていただいております。

    三重県の伊勢地方にも「サメのたれ」と言う干物があり、
    こちも塩漬け(みりんの場合もあるらしいです)してから干すため
    臭いがほとんど無いとのこと。

    沖縄にも「サバ(サメ)のそうじり」
    アイスランドには「ハカール」等のサメ+塩漬け干物があるそうですが、
    前者は干してから塩をする
    後者は発酵させる過程が入るため臭いがあるそうで…、
    後者はとくに強烈らしいです(試してもイイノヨ|ω・`)

    酢や塩水でマリネして臭みを抑える食べ方で探すと結構多いようなので、
    そこからさらに干すという食材は探せばもっとあるかもです。