深海ザメ「フジクジラ」がフツーのサメだったので、サメ版ホンオフェこと「ハウカットル」(もどき)を作ってみた

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「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。
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makimary船長の船が所属しているマリーナでは、ボートオーナーさん同士の仲が良いそうで、しばしばレクリエーション的なイベントが開催されている。
また釣り日和の休日には示しあわずともみんな出港して、お互いの釣果を報告しあったり、オーナー専用のキッチンスペースで会食が行われたりする。

船長はとても親切なので、僕が同船するときはほかのオーナーさんに「ヘンな魚が好きな人が来るから、もし釣れたら取っておいてほしい」とお願いしてくれる。
そうやって僕はまんまとブログネタをゲットすることができるのだ。
他力本願万歳である。

今回も帰港すると、とあるオーナーさんから「ダッコちゃん釣れたけど持ってく?」と声をかけていただいた。

……ダッコちゃん!?

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小型深海ザメ「フジクジラ」はダッコちゃん

動揺しつつ「是非ほしいです!」とお願いすると、ビニール袋に入った「ダッコちゃん」を持ってきてくれた。


こ、これは……フジクジラ

35㎝ほどと小さな体躯、

毒棘らしいけど別に痛くない


鰭の棘、そしてきれいな紫色がかった黒の体色。
確かにフジクジラだと思うのだけど、なぜダッコちゃんなんですか?

「似てるでしょ? 目が。」

タペータムピッカーン!

ダッコちゃん Google画像検索

お、おう……ぜやな!
似てますね! 目と、あと体色が。

なんにしても、フジクジラはまだ未食だったのでとてもうれしい。
ありがたく頂戴し、持ち帰って試してみることにした。


フジクジラはカラスザメ科に属する小型の深海性のサメで、生きているときはきれいな紫(藤色)に輝いているのでこのような名前が付けられているそうだ。

ふんふん、なるほど、確かにね……
……ってクジラは!? クジラについては理由はないの!?


どう見てもサメだし、小さいし、これクジラはありえなくない?

調べてみてもなぜ「クジラ」と名付けられてしまったのかについて、はっきりとした理由は見つからなかった。
なんでしょうね、縁起物的な命名だろうか?

フジクジラを味見してみた

食味については、まず市場に出ることはないうえ、小型のサメということで釣り人が試してみた例もあまりなく、しっかりしたレポートはせつなさんところの記事くらいしか見つからなかった。

氏曰く「コリコリ感と甘みがあって悪くない」とのことで、まずは一切れ刺身で食べてみる。

……(`・~・´)
うん、美味しいね。
サメとしてはかなり美味しいほうかも。

雰囲気としてはほかの深海ザメよりもサカタザメとかウチワザメに近い印象があるな。
クセがなく、くにゅくにゅというよりはサクサクとした歯ごたえがあって、さっぱりとして美味しい。

……でもねぇ、フツーの美味しいサメってことになっちゃうと、あんまり面白みがないよねぇ。
サイズも小さいし、フツーに刺身とから揚げで一口二口食べておしまい、ってんじゃあ、フジクジラを下さったオーナーさんにも申し訳ない気がする(杞憂)。

……またアレやりますか。

フジクジラで「ハウカットル」を作ってみた

アレとは、以前キス釣りの外道で釣れたドチザメで作った刺身

ただの刺身ではなく、冷蔵庫の野菜室で2週間ほど放置しておいたもの。

これが結構美味しかったのだ。


サメやエイなどの軟骨魚類は、鮮度が落ちると体内の尿素が細菌によってアンモニアへと変わるため、非常に臭くなる。
ただそのおかげで腐敗が起こらず、食べても食中毒を起こさない状態で保存することができる。
これを用いた保存食が世界で作られており、最も有名なのが韓国の発酵エイ刺身「ホンオフェ」である。

ホンオフェは世界で2番目に臭い食べ物として知られており、食べるとあまりの強烈なアンモニア臭に涙が止まらなくなり、時に口の中がただれてしまうほどだという。

これと同様の食べ物で、サメを用いて作るのがアイスランドの「ハウカットル」だ。
熟成庫内にぶら下げたサメを数か月放置し、ぶつ切りにして食べるという代物。
やはり強烈なアンモニア臭がするが、これを食べた後ですぐにキンキンに冷やした蒸留酒をグイッとやるととても美味しいのだという。

例の刺身はこのハウカットルを目指して作ったものだったのだが、意外にもアンモニア臭が控えめで、歯ごたえの良さがむしろ目立ち予想よりもおいしく食べることができた。
フジクジラも、これに倣ってみようと思ったのだ。


前回は夏場なのでひよってしまい、冷蔵庫内での熟成にとどめたが、今回は春先ということもあり、また小型ということもあって少し頑張ってみようと考えた。


そこで、3枚おろしにしたフジクジラをラップにくるみ、10日ほどキッチンに放置し、さらに陰干しして水分を飛ばした。
本場のハウカットルと比べると熟成期間が短いが、あちらはメーターオーバーの巨大なサメでやるらしいので、今回はこれで問題ないだろう。


熟成後のものがこちら……


……うん、ちょっぴり禍々しさが増したかな♪
早速食べてみよう……


……っと、その前に。
ハウカットルを食べるときは、ライ麦パンとキンキンに冷やしたブレニヴィンという蒸留酒(アルコール度50%くらい)を用意しないといけないそうだ。

ということで、ライ麦パンの代わりにライ麦入り全粒粉クラッカーと、

うちにあった蒸留酒の中で一番度数の高い白酒(紹興酒を蒸留した中国の焼酎)を用意して


さあ、行ってみよう。

まずはフジクジラを乗せたクラッカーを、一口で。
……


(΄◞ิ౪◟ิ‵)←この後しばらくこんな顔に

……アンモニアが、喉の奥からせり上がってきて、まだ放射線をうまく吐けなくて炎のゲロを吐いてた時のシン・ゴジラの時のような気分になる……!!

酒だ! 酒をかっこめ!!


(;  ิ◞౪◟ ิ;)
……うん、いや、やっぱりしんどい、けど、この刺激は……悪くない、かも……!?

アンモニア臭をアルコールが押し流しつつ気化熱を奪っていくので、ワサビの鼻ツーンを10倍くらいに強烈にしたやつが鼻粘膜を襲ってきて……
……こういう刺激が好きな人、かなりいそうな気が……ww

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



ホンオフェも、食べた後にマッコリを飲むのが美味しいらしいので、強烈なアンモニアとアルコールの刺激というのは合うのかもしれない。

体験としては非常に楽しかったけど、たぶんフジクジラじゃなくても同じような刺激になると思うと、やっぱりこの魚でやるべきだったかどうかについては悩みが残った。
むしろもっとアンモニア臭がやばくなるやつ(それこそドチザメのデカいのとか)でやるべきでしたな。

次回は普通に姿揚げとかで食べよう。

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魚介その1(魚系) 深海魚
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