先日の追いトリュフは実は「リリーフ」で、先発はコウタケだった。
しかして先発は4回5失点で降板(1本しか採れなかった)したのだが、ロングリリーフがしっかりと仕事をしてくれてレンタカー代のもとは十二分にとれた。
イボセイヨウショウロも、先発完投型のスーパーエース・黒トリュフの端くれである自分が、まさかブルペンに使われるなんて……とショックを受けているかもしれない。
確かに価格で言えば黒トリュフの方がコウタケより高いのは確実だ。
しかし僕のトリュフのシロを知っているのはおそらく友人しかおらず、というか当該都道府県では初の生息確認とかそういうレベルだと思うので、ライバルがいない。
さらに連れが編み出した最終奥義「Don’t watch! Think & feel!」理論によりトリュフ豚をも凌駕する索敵能力を確保し、地中のどこにどのサイズのトリュフがあるかまでわかる状態に至った。
ほぼ「円」である。
これらの要素により、トリュフは「いつでも短時間でサクッと採れる」リリーフエースとしての地位を確立し、往年の長谷川滋利レベルの計算できるリリーバーとして、キノコ狩り軍の殿に名を連ねることとなったのだ。
憧れ? 幻? お手軽簡単トリュフご飯を作ろう
とまあ自慢はこの程度にして、さっそくやっていきましょう。
前回、初めてイボセイヨウショウロを採取したとき「次採れることがあれば、是非やってみたい」と思っていた料理がある。
それはトリュフご飯だ。
これは名前の通り白飯にトリュフをぶちまけるという頽廃的な料理で、てっきり酔っぱらいが作ったやんちゃ飯と思っていたのだが、高級料理店でも提供される由緒正しいメニューのようだ。
調べてみるといろいろなパターンのレシピがあるようなので、そのあたりを確認しつつ、ちょっとアレンジしてやってみることにした。
トリュフ飯という文字面だけ見ると、炊いたご飯に粉にしたトリュフをバサッと振りかけるようなイメージが構築される。
しかし実際はどのレシピでもバターを用いており、バターご飯にトリュフを合わせる料理といったほうがいいかもしれない。
トリュフの香りは油との相性がいい、というよりも油を媒体として僕らの前にその御姿を現すように思う。
まあ、トリュフに限らず、キノコの香りってだいたいそうだ。
ハツタケやシメジを炊き込みご飯にする際には油を少量入れたほうがずっと美味しくなるし、さらにいえば油でよく炒めてから炊き上がったご飯に混ぜ込む方がより薫り高いご飯ができる。
トリュフを入れてから炊くパターンと、トリュフを後から入れるパターンがあるようだが、トリュフの香りが急な加熱に弱い(霧散してしまう)ことを考えれば今回は後者一択となる。
ということで、採ってきたトリュフの中で一番香りの強いものを取り出し、
良く洗って、水気をよく拭き取る。
白飯を炊き、片方にはそのままバターをひとかけ乗せて
もう片方にはさらに卵を割り入れ
トリュフをこれでもか!! これでもか!! 親の仇!!! ○ね!!!! とばかりに振り掛ける。
完成。
いただきマース
……(≧ε≦)ナンジャコリャー
控えめに言ってめちゃくちゃ香る!
なんだこれ、こないだ作ったリゾットより香り強いやんけ!!
トリュフの香りがバターを仲立ちにして、炊き立てご飯の湯気に入り込み、鼻腔に入り込み、大脳旧皮質をいじくってくる。
香りが強すぎて、これはトリュフの味なのかそれとも香りなのかどうかも分からなくなる。
卵があると一見ゴージャスに思えるが、トリュフの複雑な香りの前には不要な要素に思える。
連れ・自分ともにバターのみのものの方が好みだった。
途中から醤油をひと垂らしして食べたが、さらによくなった。
美味いなコレ……過去に経験のないタイプの快楽。
味:★★★★★
価格:カンスト
こんなにシンプルでありながらゴージャスな料理になるとは、イボセイヨウショウロとはいえさすがトリュフと言わざるを得ない。
これ、どんな食材にかけてもゴージャス化できるんじゃないだろうか……
やっていきましょう。
コメント
因みに、世界のBarでは、フランスのバーテンダーが梅酒みたいにサマートリュフを一本一万円以上の高級ブランデー(コニャック︰理由がある)に漬け込むレシピを開発していましたねぇ。
知り合いのバーテンダーさんに、そのレシピでキロ10万超えのイタリアブラックトリュフで作った奴を呑ましてもらいまいましたが、何とも言えない寂しい独り身なのに媚薬みたいな官能的なお酒で御座いました….。w
あると思ってたけど、やっぱりお酒に漬けるレシピもあるんですねぇ……味の想像がつくような、つかないような……でも、美味しいのは間違いないでしょうね! そして価格も間違いなくヤバいw
うまそうですが、
経験値が足りないので理解し切れませんでした。
乱獲されないといいですね‥
そうですね、そう願いたいところです。といいつつ、キノコ好きとしては新たな生息地が確認されていってほしいという思いもあります。僕もそろそろ他のシロを探してみましょう。
これには雄山もたまらず女将を連呼!
ワッキーさんトリュフの魔香に中枢神経を乗っ取られぎみですが、僕もちょっとあまり大々的に言わない方が良いんじゃないかとちょっと心配に。。くれぐれも尾行にはお気をつけて。
ご心配ありがとうございます! 尾行……まず、無いと思います。乱獲も、普通の人には無理ですよ。
大々的に言いたいのは「僕はトリュフのシロを知っているぞ!」ということではなく「あなたの近所にも香るトリュフがあるぞ!」ということです。それが伝わらないのは僕の拙筆が原因ですね……反省しましょう。。自慢したくなってしまう気持ちも、やっぱり無いとは言えないので(笑)
じっさい、トリュフはマツタケよりははるかに身近なキノコになっていくと思うので、みんなに探してほしいんですよね。
マジっすか?なんか特殊なとこに生えてそうなイメージというか先入観があるので、それが誤読の原因だったなと反省しました。人里的な場所に生えてるんですね!夢が広がります(^o^)