イバラガニモドキの刺身は「超高級レアかにかま」みたいな味でした

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誕生日が近い連れがカニをご所望だったので、買い物の際には必ず海産物コーナーを除くという日々が続いていたのですが、そんな中、足元ともいえる武蔵小杉で変わったものを見つけました。


イバラガニとありますが、標準和名イバラガニはもっと棘が長くて凶悪な感じなので、これはイバラガニモドキのほうでしょう。
タラバガニと近縁の甲殻類で、やや深いところに棲む「ヤドカリ」の一種です。駿河湾ではこのカニをタラバガニと呼ぶらしいと聞きました。本タラバと比べると価格は半分以下ですが。

これはカニではないけど、まあカニみたいなもんだしいいかと思い、一番でかいのをいただいてきました。今回購入させていただいた「浜の玄太丸」さんは、アンチショッピングタウン武蔵小杉において唯一尖った魚介類を売っている感じでとても良いです。今後も覗こうかな。

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イバラガニモドキを観察した

誕生日まで冷蔵庫で3日間寝かしていましたが全然生きていました。さすが深海甲殻強いな。

食べる前によく観察をしましょう。

ヤドカリなので、ハサミ入れて4対しか脚がないように見えます(5対目は腹部に折りたたまれている)。上から4対目が一番長く、広げると1mはありそう。

全身が強い棘に覆われており、これが「茨蟹」という名前の由来。


この角度で見るとヤシガニそっくりです。ハサミをはじめ全体的に左右非対称なのもヤドカリ類の特徴ですね。

裏側。カニと違い、ふんどしに沿って弧を描くように脚がついています。クモっぽいよな……苦手な人はダメそうな見た目。
しかし足の付け根は太く、本当に食べ応えがありそう。

ふんどしはぶにぶにと柔らかく弾力があります。ソフトシェル個体かと思いましたが、ハサミを見る限りそうではなさそうです。


挟まれると結構痛いです。水揚げ直後の個体だったら骨折られるかも。

イバラガニモドキを食べてみた

早速調理していきます。調理法はオーソドックスに蒸し、焼き、そして「刺身」!
大昔、テレビで見かけた「タラバガニを生でむき身にして、氷水でしゃぶしゃぶして食べる」というのをやってみたいのです。なにせ活けものでやらないといけないので、なかなかその機会がありません。
今回はイバラガニモドキではありますが、ばっちり活けのものです。やってやるしかない!



まず、足を切りおとして、胴体を30分ほど酒蒸しに。


脚のうち3本はそのまま焼きます。

そして、残りの3本を

切り開いて

中身を取り出します。もうこの時点で旨そう。


キンキンに冷やした氷水でしゃぶしゃぶ。

これで完成! 水を吸って繊維が膨らみ、ぷりぷりになっています。



調理完了! いただきまーす!!
まずはお刺身から……
蟹酢をつけて……いざかぶりつき!!

……!?
なんだこれ、すごい不思議な食感だ!
繊維1本1本が太く、束ねると噛み切れませんが、1本ずつだとブツリブツリと歯切れよく切れてくれます。そして噛み切った瞬間にカニの風味がふわっと抜けるのですが、ヤドカリ類なのでそこまで強い香りがあるわけではないのです。そこにやや遅れてはっきりとした甘みが感じられ、ごくわずかに生臭さも感じます。
純天然素材なのに、どことなく人工的な要素がある。なんていうか、人造いくらみたいな「工業的に再現できそう」な感じがあり、とてもユニークです。
この感覚は「生かにかま」とでも表現したいものなのですが、連れにはあんまり伝わりませんでした。でもこの表現をわかってくれる人も絶対いるはず。みんなもやってみて!


加熱したものもいってみましょう。

胴体自体には身があまりなく、甲羅の下の肉は主に脚の付け根の筋肉になります。
タラバガニと比べるとやや水っぽさはありますが、繊維の太さが素晴らしい。プリプリとして噛み応えが抜群です。カニをむさぼっているぞ! という気分になるね。


焼きガニは水分が抜けて味が凝縮され、甘みがめちゃくちゃ濃厚になりました。これはマジでうまい!
サイズも大きいので1本で食べ応えばっちりです。


蟹と違い、ふんどしの中にも身が詰まっています。こちらは繊維感は全くなく、マジでかまぼこという味です。めっちゃカニ風味の強いかまぼこ(かにかまではない)。


今回は2.5㎏くらいのものでしたが、二人では食べきれないくらい肉がありました。これはなかなかいいカニだと思います。
また見かけたら買いたいと思いました。

味:★★★★☆
入手難易度:三浦半島でも漁獲されてるので、意外と神奈川県内なら売られるのかも?


残ったパーツやミソはまたひと工夫して食べてみたいと思っています。

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魚介その2(魚以外)
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