※今回はYoutuberみたいなことをやっているので、良い子のみんなは真似しないでね!
※良い大人のみんなも、野外で許可なく火を使うのは止めよう!
僕の勤め先の近くに、中外旅行社という旅行会社がある。
ここは北朝鮮への「公式な」渡航をあっせんする国内唯一の会社として知られ、HPでも北朝鮮の観光情報を公開している。
リンク先の外務省HPでは、北朝鮮は「渡航を自粛して下さい」となっておりある意味シュールだが、各々がやるべきことをちゃんとやっている姿勢については評価したい(北朝鮮への渡航の是非についてはここでは論じない)
北朝鮮名物「ハマグリのガソリン焼き」をご存じ?
さて、そんな中外旅行社HPの観光情報でトピックスにもなっているのが、ハマグリのガソリン焼き。
数年前からいくつかのウェブサイトで紹介されてきたので、もしかすると日本で一番有名な北朝鮮料理かもしれない。
調理時の様子はこちら
ハマグリに、ガソリンをぶっかけて焼く。
……もうワオとしか言いようがないんだけど、ガソリンの燃焼温度が高いため殻が開く前に火が通り、ふっくらジューシーな味わいになるそうだ。
もちろん殻が開かないので火が通っているかどうかの判別は難しく、時に生焼けのもので中毒者が出ることがあるらしい。
ガソリン臭くないの? というツッコミについては、揮発油のために完全に燃焼しきってしまいハマグリにガソリン成分が残らず、また殻も開かないため可食部に触れることは無く、食べても問題ないそうな。
まあ、実際に食べてみないと分からんけども……
自分で作れないかしら
とはいえこの料理のために北朝鮮に行くというのは現実的ではなく(そもそも北朝鮮に行くという選択肢が僕の中にはない)かといって日本でこの料理を再現するのは無理に近い。
ホームセンターでベンゼンでも買ってきてぶっかける? いやそんなの危険すぎるし、他人に見られたら通報ものだ。
なにか代わりの方法はないだろうか。
……
……フランベすりゃあいいのか。
ステーキなどを焼く際、仕上げにブランデーなどの蒸留酒を振り掛けて火をつけ、気化したアルコールを燃焼させる。
これにより食材の臭みを完全に取り除き、そして香ばしさをプラスするのだが、この方法が応用できないかと考えた。
つまり、揮発油の代わりに揮発アルコールで燃焼させればよいのだ。
これならば万が一食材に燃料が付着しても問題ないし、爆発的燃焼はしないので危険性が大いに下がる。
燃焼温度の差が気になるところだが、ガソリンだって別にエンジンの中で圧縮しているわけじゃなし、そこまで違いはないだろう。
ハマグリのスピリタス焼きを作ってみた
ということで実際にやってみた。
材料は東京湾産の本ハマグリ。
燃料をかけやすいようにドレッシングボトルも準備。
これにスピリタスを入れて、上からかけていく。
我が家のベランダの端っこの、燃焼物が一切ないところ(通称スモーク場)に陶器の遮熱版、その上にアルミの雪平鍋を置いて、ハマグリを入れる。
スピリタスを少し掛けて、チャッカマンで
ファイアー!!
おお、燃える燃える。
火をつけた瞬間は黄色い炎が立つが、やがて完全燃焼し、青色~無色の炎に変わる。
ドレッシングボトルのおかげで、高い位置からでもハマグリめがけて燃料をコントロールショットできるので、燃料ボトルへの引火や延焼の危険性が無い。
焼き続けていると、やがて
殻が開いた!
やはりガソリンよりは燃焼温度が低いのか、それともびっしりと敷き詰めなかったから開いてしまったのか。
もし燃料がガソリンだったらこの時点でゲームオーバーだけど、スピリタスだからね、まあ多少はね。
最後にアルコール成分を完全に燃焼させ、仕上げとする。
いただきマース
……(≧~≦)
ハマグリウメェー!
身がプリップリで美味しいよ!
普通の酒蒸しと比べてメタクソ差があるわけじゃないけど、やはり高温で一気に熱を通すので身の縮みが少ないような気がする。
鍋に残るスープはやはり多少アルコール臭かったが、身の方はそんなことは無かった。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
まあでも作るとき無駄に緊張するし、やっぱり危険は危険だし、次はないかな。
この記事そのものが炎上しないことを祈りつつ、筆をおくことにしましょう。
コメント
玉置さんがミルクガニを船の煙突に突っ込んだやつはおいしいと書いていましたが、
わかっていても、食品に食用じゃないものをかけるのは嫌ですね。
サラダ油を燃やせば・・って、危ない。
そういや、サラダ油よりガソリンのほうが安いんですよね。
安く焼けるから生まれた料理なのかもしれませんね。
アレもインパクトのある調理法ですよね! 共通してるのは「丈夫な殻があり、可食部に臭いがつかない」「高温で一気に加熱する」「手順が簡単である」といった点でしょうか。
ガソリンも動画を見る限り精製度それほど高くなさそうですし、安いんでしょうね。でも貴重な燃料だろうに……
食材:日本
調味料:ポーランド
調理法:北朝鮮
なんともインターナショナルな料理ですねw
しかし北朝鮮ではどんな野食材が手に入るのでしょうね。日本海の反対岸の自然はどうなっているのか興味をそそられます。
気候が寒いですから針葉樹林帯が多そうですし、キノコはそれなりに取れそうですよね。
海の獲物も、浅くて温暖な黄海と寒流の流れる日本海では全く違うものが採れるでしょうし。
面白そうだけどまあ、採りに行くことは無いな……
余ったスピリタスはスタッフがおいしくいただきました?
いや、結構な量が余っていると思うんですが、どうされるんでしょうか?
ちなみにスピリタスはその度数の高さから抽出力がめっちゃあるので
果実酒とかは超早く出来上がります。
まあ結局思いっきり薄めないと飲めたものではないんですが。
あと調べてみたところ、
「消毒液(度数が高すぎて2割程加水した方がいいみたいですが)や燃料になり、冬山で暖を取れるので登山用に重宝する」
「拭き掃除に最適。頑固な煙草のヤニがあっさり落ちた」
なんて用法もあるそうです…。
スピリタスはたぶん果実酒を作るのに使うと思います。美味しくかつ薬効豊かなものがいいですねぇ。
果実酒に砂糖そんなに入れたくない派なので、スピリタスの抽出力の高さはありがたいのです。
冷凍庫に放り込んでおいて、
ショットグラスでくいっと呑むと美味しいですよ。
ウォッカといえば草が一本入ったズブロッカ、
果実酒といえば梅酒の季節ですが、
可能性的には果実酒も”いろいろ”漬け込めるのでしょうね。野草とか。
スピリタスをくいっと行くのはちょっと遠慮させていただきたいですが、ウォッカやアクアヴィットをキンキンに冷やして飲むのは好きです!
野草ズブロッカいいですねえ、ちょっと材料になりそうなもの探してみましょうか。。