個人的な感覚をもとに、セリ科の山菜のまとめを作ってみた。
・簡単な料理で美味しく食べられ,野菜としてもポピュラー
ミツバ
セリ
・簡単な料理だとややクセがあり人を選ぶが,野菜として扱われることも多い
アシタバ
ハマボウフウ
・ポピュラーではなくややクセもあるが調理次第で美味しく食べられる
シャク
ボタンボウフウ
・上級者向け
オオハナウド
チドメグサ(ドリンク)
・厳しい
シシウド
このチャートからお伝えしたいのは、セリ科の山菜は非常に味の差異が大きく、(好みの差はあれ)当たり外れがあるということだ。
たとえ同じ属であったり、また見た目が似ていても、味が全く違っていることもある。
また、慣れればまず間違えないものの、ドクゼリやドクニンジンと言った猛毒種も存在するので、採取する時には種の同定に細心の注意を払わなくてはならない。
ならないのだけど…
シシウド属の区別は難しい
シシウドを基準種とするセリ科シシウド属は、アシタバなどの一部の種を除けば北日本に多く、大型になり強い芳香を持つ。
そして互いに非常によく似ている。
今回、佐渡島で見つけたこちらのものは、
北日本で人気が高い山菜であるエゾニュウかと思っていたが、写真を見返しているとだんだん不安になってきた。
毛は無く光沢がある点は特徴に合致するが、一方で小葉の形がエゾニュウらしくない。
ミヤマシシウドやノダケといった近縁の種との相違点について、ネットで写真を検索してみるのだがいまいちわからない。
どれも毒はないようだが、山菜にされていないということは美味しくないということなんだろう。
どうしたものか。
漫然とネット検索を続けていると、Yahoo知恵袋で同じことを質問している人が見つかった。
ほとんど期待せずに見てみると、ベストアンサーが
「沢山の種類があるようなので、食べてみて覚えることにします。」
……こういった「答えになってない答え」はYahoo知恵袋では多く見られ、この類の「オンライン質問サイト」の価値を微妙なものにしている原因と思っている。
でも今回についてはさもありなんというか、今の自分の迷いを吹き飛ばしてくれるような解であった。
そう、食べればいいのだよ。
エソニュウ? を調理して食べてみた
採取してきたのは、柔らかくて美味しそうな太い若芽。
光沢があり、やや赤みがかる茎は弾力に富んで、セリ科特有の強烈な香りがある。
断面を軽く齧ってみると…
苦味はあるがそこまで強くなく、筋張ってもいないようだ。
これはちょっと期待できそう。
表皮を剥いて
たっぷりの湯で茹でこぼし、2時間ほど水に晒した。
本来はここから塩漬けにするようだが、今回は量も少なく、またすぐに食べてみたかったので
みりんと白だしで薄味に煮てみた。
持ち上げるのが難しいほどにやわらかくほろほろと煮あがった。
鰹節を散らして…
いただきマース
…(・~・)
うん、なるほどね。
まず、柔らかくて美味しそうな茎だが、やはり苦みと香りがキツイ。
シシウド属は学名アンゼリカ、欧米では茎を砂糖漬けにして製菓材料とする。
薄味の調理には根本的に合わないのかもしれない。
調理の方法を変えるか、あるいはやはり一旦塩漬けにしないといけないのだろう。
一方で葉の部分だが、臭い、苦みともにマイルドで、しゃきしゃきとした歯ごたえとボリューム感があり美味しい。
こちらはむしろ塩漬けにしない方が美味しく食べられそうな気がする。
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
そこまですごい美味というわけではないが、山菜としては楽しめるといった印象を受けた。
果たしてこれはエゾニュウだったのだろうか。
先日の記事のコメント欄で「エゾニュウは美味で、クマとの取り合いになる」という書き込みを頂いた。
クマとバトっても食べたいかと言われるとそこまでじゃないので、やっぱりエゾニュウではないのかもしれない。
まあでもいい経験だった。
今後もシシウド属っぽい植物を見つけたら注意してみてみよう。
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