先日採ってきたミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)はやっぱり卵を持っていたが、カルシウム不足の個体だったのかどれも殻が薄かった。
そうでなくてもミドリガメの卵は柔らかいのだが、ここまで殻が薄いとまるでブドウのような触感になり、このまま茹でたら破裂してしまうのではないかという印象さえ受けた。
ゆで卵の味はわかっているし、今回は生のまま調理してみることにした。
ミドリガメの卵黄を取りだしてみた
とはいえ、カメの卵白は加熱しても凝固せず、また食感もさほどよろしくないので、可能なら卵黄だけ分けて使用したい。
鶏卵であれば殻を使ってかんたんに卵黄だけ取りだすことができるが、この殻の柔らかさだとそれは難しそうだ。
どうするか……
……まあ、やってみないことにはね。
とりあえず、殻を親指と人差し指の爪でつまみ、割ろうとしたのだが
一部だけちぎれて穴が開いた。
そのまま破いて全卵を取りだそうと思ったが、ふと思い立ち殻を軽く押してみると、卵白だけがぶにゅっと穴から出てきた。
出た分を取り除き、さらに押し続けると
やがて卵黄が
ぶにゅっと
出てきて
取れた!!
……まあ、ここまで綺麗に取れたのは3つだけだったけども。
それ以外は卵黄が穴を通るときにつぶれてしまったのだが、ミドリガメの卵黄は鶏卵と比べて非常に粘度が高く、つぶれてもどろりと流出せずにある程度の塊を維持するので、取り分けるのは容易であった。
コツとしては卵の尖っている方に穴を開けて、卵白は一気に取りだそうとせずにちょっとずつ取り除くようにすると卵黄をつぶさず取りだせる確率が上がる。
11個分の卵黄。
これを使って何を作ろうか……
ちょっとパサつくが濃厚な味をうまく利用したい……
……アレだ!!
ミドリガメの卵黄でプリンを作ってみた
最初は茶碗蒸しがいいんじゃないかという案もあったのだが、この色の濃さと濃厚さはお菓子に応用したほうがいいのではないかと思ったのだ。
というわけで、卵黄にほぼ同量の砂糖を入れて
よーく混ぜる。
……粘っこくてよう混ざらん。
それでもなんとか砂糖を溶かし込み、生クリームを同量と香り付けのシェリー酒を少し入れる。
さらに混ぜて混ぜて……
混ざらねぇ!
砂糖入りの卵黄の粘度が高すぎて、すぐに沈殿してしまう。
それでもがんばって混ぜ合わせて
これでいいか。
150℃に熱したオーブンで、40分ほど焼いて
粗熱を取り
完成!!
いただきマース
…(・~・)
うん、濃厚で美味い。
……パンナコッタ部分が。。
生クリームにカメ卵黄の風味がついて、濃厚なパンナコッタができた。
でも肝心の卵黄そのものは
……完全に沈殿している。
あんなに混ぜたのに……
食べてみると
やっぱりパサつくなぁ……
食感としてはシャコのかつぶし(卵巣)に近く、甘さと味はマッチするがこの歯ざわりとはマッチしない。
全体としては微妙という評価だ。
味:★2.5
価格:★★☆☆☆
どうもミドリガメの卵黄は油分と粉っぽい部分に分離する傾向があるようで、茶碗蒸しにしたとしてもあのふわふわ感は出せないのではないかと思う。
その前に出汁とも混ざってくれないかも。
味はいいだけに、このパサつきと粘りを克服する方法を何とかして見つけたいのだが……
まあ、たくさん採れるものでナシ、気長に考えましょう。
コメント
初めまして-、いつも楽しく見させていただいてます。しかしカメの卵でプリンとは意外でした(とても良い意味で)!
卵の成分の分離についてですが、鶏卵の卵黄にはレシチンという天然の界面活性剤があるために乳化しやすいのだそうです(大豆にも入っているようですね)。
同様に牛乳を乳化させているカゼインがホイップに入っている上での結果と思うと微妙かもしれませんが、乳化には界面活性剤の存在が大きく作用するので鶏卵とのハイブリッドカメプリンなら成功するかもしれません。
長文失礼いたしました。。
なるほど、界面活性成分が必要なのですね……レシチンというと大豆が有名ですが、鶏卵にも含まれているとは知りませんでした。料理は科学ってホントですねw
プリンは何となく味の想像がつくので、今後作ることはあまり想像できないのですが、他のものを作るときも意識してみるようにします。ありがとうございます。