イノシシのおっぱいはジューシーでめっちゃうまい。マダニは塩素臭くてくっそまずい。

以前、鹿茸やたまきんなどを送ってくださった三重県の猟師Sさんから「臨月のイノシシの乳腺がありますけど、食べてみますか？」というオファーを頂いた。

害獣駆除の依頼を受け捕獲したのだそうで、罪悪感を感じながらの解体だったそうだ。
最近ではアホな動物愛誤も湧いて大変だと推察。
全く頭が下がります……

「食べて供養」という言葉には個人的に意義を感じないが、害獣になってしまったのも運命なら、いまこうして僕が食すチャンスを得たのも運命だ。
ありがたくいただきたいと、二つ返事でお願いしたのは言うまでもない。

イノシシのおっぱいワイルドすぎんよ～

で、届いたのがこちら。

……毛まみれですな。
ワイもわりかし胸毛には自信ニキですが、この剛毛にはかなわん。

臨月のおっぱいというので、牛さんのぼいんぼいんみたいなのを想定していたのだが、イノシシはあんなふうには大きくならないんだね。

匂いは……かなり、獣臭い。
どうしても好きになれないこの匂い。
調理後も残っていたらしんどいぞ……


そして、毛と同じくらい気になるブツが、プツプツとついております。
あんまり見たくないなぁ……でも目をそむけてはいけない……

……はい、マダニですね。
布団に住みついて夜中にこっそり血を吸うアイツ（mite）ではなく、野山に行くと取りついてきて時に死に至る病を媒介するファッキンガイズ（tick）だ。
こいつらを見てると魚の寄生虫なんかずいぶんと可愛いもんだ。
やつらは人間に移行してきて血を吸ったりしないし、感染症を媒介したりもないもんな。

まあ、いかに怖いったって冷凍輸送だからすでに死んでるだろうし、この後の処理で菌・ウイルスも除去できるだろう。

イノシシの乳腺を串焼きにして食べてみた

まず、フライパンにお湯を沸かし、解凍した乳腺を、皮を下にして30秒ほど湯通しする。

それから、毛を引っ張っていくと

ちょっと力が必要なものの、ぶちぶちと抜けていく。
さらに薄皮もこの通り

簡単に剥ける。


大方抜き＆剥き終わったら、皮目を火あぶりにして、残った毛を燃やす。

うん、食材らしくなったぞ。
匂いもこの時点で全く気にならなくなった。



これを一口サイズに切り、串に刺して、火にかざすと

バーニン！
さすがおっぱい、脂肪の塊だけあって、平林さんのTwitterもかくやという勢いで燃える。

片方は塩コショウで、もう片方はたれで味をつけ、再度よく焼いたら

イノシシの乳腺の串焼き、完成！
いただきマース

……(≧～≦*)
うひゃーやっぱり美味しい！
牛のおっぱいと違って、純粋な脂肪！　という感じではなく、筋肉や皮がついているので非常に噛みごたえがある。
がんばって噛みしめると、中からジューシーな脂がじゅわっと染み出てくるのだが、これが臭みもなくて非常に甘い。
塩、たれともに絶品だ！

味：★★★★☆
価格：★★★★☆


イノシシの乳腺については、Sさんは食べたことないといっていたけど、ジビエ専門店でも食べられないのだろうか。
猟期に採れるものじゃないから流通は難しいのかな？
なんにしてもめっちゃ美味しいので、他の調理法についても探してみたいと思います。
Sさん、本当にありがとうございます！

マダニは塩素臭くてまずい

で、下処理の際に引っぺがしておいたマダニですけども、以前「ヤマビルを食べた」という旨の記事を書いた時に、

コメント欄でこんな話がありまして、

やむを得ず、油で揚げてみたんですけども。。。

こいつら揚げると爆発する上に、めちゃ塩素臭いガスをまき散らすんだけど、何コレ……
台所がプールの匂いになったぞ……

いちおう塩掛けて食べてみます。

……(´×益×`)
くっせぇ……
歯ごたえもなんかビニールテープとかリコリスグミみたいで、とても食べ物の食感じゃないよ。
これならヤマビルのほうがはるかに食材としての価値がありそう。

味：☆☆☆☆☆
価格：☆☆☆☆☆