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福岡で野食会やります! 
 現在参加お申込み受付中です。。
福岡野食会の持ち込み食材ですが、ふつうに「姪浜の朝市で買ったテナガダコ」とか「奈多で釣れたサゴシ」とか「室見川のハゼ」とかで良いんですよ。むしろそういうのが嬉しいです。できれば軽く加工してきて貰えるとありがたいけど、生のままでも大丈夫です。当日一緒に料理しましょう。
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月21日
 本日は火曜日、cakesでの連載「野食ハンターの七転八倒日記」の更新日となっております。
爆笑・苦笑・失笑必至のとっておき「野食道」|渋谷の街で採れたもので「渋谷野食御膳」を作って食べてみた|野食ハンターの七転八倒日記|茸本朗 @tetsuto_w |cakes(ケイクス)| https://t.co/SUNWzgLB1D
— cakes(ケイクス)新着情報 (@cakes_news) 2018年7月31日
 今週のテーマは「渋谷で採れたもので1食分のメニューを揃える」という、往年の「野食のススメ」を彷彿とさせるものです。
 でも「ススメ」の時は郊外の公園やら河川敷やら海やらといった「野食フィールド」での取材だったので、メインターゲットが採れたかどうかはともかくとして、ある程度の量の食材はそれなりにすぐに採れていました。
 ところが今回のような都心においては、とくにタンパク質系の食材について非常に苦戦します。
 ぱっと思いつくのはハトとかネズミでしょうか、このあたりはしかし、法律や衛生面における多大な問題があり、現実的ではありません。(ネズミ食と聞くと火の鳥の「シャドー」を思い出す)
 都心でサバイバルがしたい、しかしタンパク質だってちゃんと摂りたい、そんなわがままなあなたにおすすめなのがセミです。
セミ食のススメ



 セミは街中でも簡単に大量に採れ味もとてもいい、餌は草木の汁(師管液)だけなので糞出しの必要がなく採ってすぐに利用できる、などなど、利点が多くあります。
 さらに無視できないのが「見た目を気にせずに食べることができる」というもの。
 昆虫は基本的に胸部に翅がついており、したがってそれを動かすための筋肉が胸部にみっちりと収まっています。


 さっと加熱すると、この筋肉だけを穿り出すことができます。
 見た目はコンビーフとツナの中間みたいな感じで、全く蟲的要素はありません。
昆虫食となるとどうしても「見た目が気になって食べることができない」という人が多いと思います。
 そういう人にいくら昆虫の栄養価の高さ、味の美味しさを説いても焼け石に水というもの。
 食用コオロギのように粉末状で流通させるというのも一つの手ではありますが、このセミのように「むき身にできる」というのは今後、昆虫食が世界に広まっていく中でより重要な要素になると思います。
あとは、個人的に昆虫の外骨格が口の中でモシャつくのが嫌なんだよね。エビとかカニもできるだけ殻剥いて食べたいマンなんです。
 だから剥き身にできるのはうれしい。
 でも、剥き身にするというのは同時に「可食部を減らす」ということにつながります。
 関東における代表的なセミ「アブラゼミ」や「ミンミンゼミ」では、胸部から採れる筋肉は決して多い量ではありません。
 一食分集めるには100匹単位の成虫が必要になるでしょう。採るのは簡単だけど、そこから穿り出す手間がね……
であればもっとでかいセミを使えばいいんじゃないでしょうか。
 そう、ヤツです。
クマゼミを採って剥いて食べてみた



 西日本に多く棲息する日本最大のセミ、クマゼミ。
 とくに大阪には多く、都心でも郊外でも早朝から「シャーシャーシャーシャーシャーシャー」と騒がしい声で鳴いています。
 さいきんでは夕方にも鳴いているようですね。温暖化の影響とかあるのかな?
今のところ定着(繁殖)東限は静岡県か神奈川南部くらいだろうと思うのですが、徐々に都心にも近づいてきており、代々木公園などでは多数の抜け殻が見つかっています。
 数年のうちに平野部における主力種のひとつとなるでしょう。
 クマゼミが来ると、棲み分けを行っていると思われるミンミンゼミが郊外に行ってしまうのが嫌ですね。
なんですけど、ともかく大きいため、可食部が多いというのは間違いありません。
 食べてるものも一緒だし、毒を持つとも考えにくい。
 これは実際に試す価値があるだろうと思い、採りに行くことにしました。
 上記の通り、静岡県はもう完全に棲息域ではあるのですが、それはそれとして静岡市くらいまでは鳴き声は聞こえるけど、抜け殻や姿はあまり見られないような気がします。
 どちらかというと高い木の上や郊外に多いのかも……
かつて大阪や福岡に住んでいたころ、見かけたクマゼミは木のかなり低いところにいて、幼稚園児の自分でも網で簡単に採ることができていました。
 動きも鈍重で、もっとも捕まえやすいセミという印象すらありました。
 理由はわかりませんが、もう少し西に行けば、街中の街路樹の低いところにもいるかもしれない……
そんなわけで気が付けば静岡を通り過ぎ、豊橋までやってきておりました。
うおおおおおおこれが日本の鉄道で最も半径の小さい(r=11m)豊橋電鉄市内線の井原電停カーブうううう pic.twitter.com/MnhNORzxu3
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月25日
 路面電車に興奮していると、後ろの公園から例の騒がしい鳴き声が。
 ここならどうか……



 捕まえた!
やはり、木の低いところにいました。
 とくにサクラの木が人気で、一つの枝に4~5匹くっついているようなところもありました。
 地面すれすれのところにも。
 サクラの木は樹皮が薄いのか、それとも篩管液が美味しいのか。セミに聞かないとわかりませんが、ともかくポイントとしては最良のようです。
車のなかが大変な騒音に pic.twitter.com/FsGPJbV92I
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月26日
 車中が激しい騒音公害に見舞われています。
 オレンジ色の大きな発音器で、1匹だけでもとてつもなくでかい音を出すんです。何デシベルくらいあるのかな。。
クマゼミを食べてみた
持ち帰って、調理していきます。


 といってもやることは簡単で、生きているうちに塩ゆでにして、冷まして剥くだけ。
頭部を取り去り、胸部の殻を剥くと


 やっぱり胸筋デカいなー!
 アブラゼミやミンミンゼミと比べて2倍以上あります。



 また、オスだけが持つ発音器は非常に立体的で、発達しているのですが、


 その裏側にある柱状の筋肉もとても発達していました。


 クマゼミが鳴くところを見たことがある方ならわかると思いますが、めちゃめちゃ高速でダイナミックに発音器を動かしています。そりゃこれだけの筋肉が必要になるでしょう。
剥きながら、ひとつ味見してみます。


 ……(`・〰・´)
 うん、美味しい! ほかのセミと比べて大きいだけでなく、味がしっかりしていますね。ツナと牛肉の中間のような食感と旨味があります。
 セミは茹でたときに新じゃがのようなホクホクとした香りがあるのですが、クマゼミのそれは一層強いような気がします。
味:★★★☆☆
 価格:★★★☆☆
 せっかくなので、今回はそのまま食べるだけでなく、何か料理を作ってみましょう。。。
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コメント
いつも楽しくブログ読ませていただいてます!
中野区在住なのですが、クマゼミここ2、3年でものすごい増えてます。駅前のセントラルパークで毎朝騒音レベルでないてます。。んで実家が品川区で山手通りのすぐ近くなのですが、先日帰ったときも中野とそう変わらないレベルの音量でガンガン鳴いてました。。東京にミンミンゼミが居なくなるのも近いんですかね。。
実家のある愛知県では30~20年前くらいの間に随分クマゼミは増えましたね。
昔はアブラゼミが多く、クマゼミは割りと珍しめだったのですが。
当時は食材として考えたことはなかったですが、地元に帰ったときに機会があれば試してみようと思います。
(家族に嫌がられそうですが)