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野食の醍醐味って色々あるんですけど
「採れた獲物を見た瞬間に作るものが決まる」
っていうのはそのひとつだと思います。
「〇〇を作りたいから××を採ろう!」というのも楽しいんですけど、予想していなかったものが採れ、その瞬間にレシピがババババッと頭の中ででき上がっていくのが楽しい。
さらに、「△△を作るんなら、□□もあったほうがいいな……」なんて思った時に、それがスパッと手中に収まったときの感動たるや……
脳汁ドバドバです。
今回のわらしべ釣りでもそれがありました。
きっかけとなったのは
インスタバエその1 pic.twitter.com/NegsR8x324
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月18日
ホウボウちゃん。
そして、メニューを確定させたのが
手乗りサイズのインスタバエ pic.twitter.com/abYPryVYGR
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月18日
マトウダイくん。
作るのはそう、ブイヤベースです!
スープドポワソンに甲殻類はいらない
というわけでブイヤベースを作っていこうと思うのですが、この料理についてここで改めて説明しておくと
「魚とトマト、ワインで作ったスープで魚を煮込んで食べる、南仏プロヴァンスちほーの名物料理」
といった感じになります。
はじめに作るスープは「スープドポワソン(soup de poisson「魚のスープ」の意)」とよばれ、これが味のすべてを決めます。
上手に作られたスープドポワソンは全く臭みがなく、力強く濃厚な旨味が口の中で飽和するような印象を受けます。
しかし、このスープについて、日本人の多くが誤解している点があります。
実は、本場のスープドポワソンでは、出汁を採るときに甲殻類や貝類を用いません。
たしかにこのスープはまるで甲殻類の出汁のような濃厚な味がしますが、これらの具材はあとから入れることはあっても、スープドポワソンの時点では使っていないのです。
なぜ魚だけでこれほど濃厚な風味の出汁が採れるのか。
それは「魚のあらや内臓を余すところなく使って出汁を採るから」なのです。
マルセイユでのレシピは
・ニンニクの香りを移したオリーブオイルで、スライス玉ねぎをあめ色になるまで炒める。
・小魚や魚のあらをまるごと入れて、ガシガシと崩しながらよーく炒める。
・トマト、白ワイン、ハーブを入れてしっかり煮込み、出汁をとる。
・ざるで濾す。
といった流れになっています。
もともとは売り物にならない小魚で作られた素朴な漁師料理なので、アラどころか内臓の中身や鱗までも気にせず使います。
当然、新鮮な素材でないと臭くて食べられません。(コマセ釣りで釣った魚もなんとなく避けたいよね(;^ω^))
今回は小魚の役目を果たすのは
イ……イトフエフキ? pic.twitter.com/wl8T8C4bad
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月18日
イトフエフキと
このイサキがイワシに食ってきたならやべーやつだし、そうじゃなかったらノーコマセでサビキだけで食わせたワイが天才ということになる pic.twitter.com/RNOgFmsMPm
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月18日
イサキ。
そこに、他の大魚のアラを合わせて、ガシガシ炒めていきます。
メジナも、テンスも、ソコイトヨリも、カサゴも、ヒラメも、全部投入!
マルセイユでは、ブイヤベースに用いる魚として
・カサゴ(マストアイテム)
・ホウボウ
・アナゴ(ハモに近い)
・タイ(マダイ的なもの)
・メルラン(タラの一種)
などが有名ですが、実はマトウダイも重要な材料のひとつ。
柔らかくほろりと崩れる上品な白身が売りの魚で、フランスではポワレやムニエルで大変好まれるのですが、ブイヤベースにも欠かせない魚なのです。
ちなみにフランス語では「サンピエール」と呼ばれます。ピエールさんってば馬面なのね……
アラがバラバラに崩れたら、そこに白ワインをいれ、トマトと水も入れ、塩コショウを入れて強火にしてぐっつぐっつと煮込みます。
強火で煮込むのは、勢いよく沸騰させてオリーブオイルを乳化させるため。ブイヤベースは「bouille(煮込む)」という言葉が語源になっているそうですが、ともかく思いっきり似込むのが美味しく作るコツ。
ちなみにイタリアンの「アクアパッツァ」も沸騰させるって意味じゃなかったかな。あれも乳化すればするほどスープが美味いんだよね。。
できたスープは、丈夫なざるに入れて濾し、さらに残った固形物を木べらやお玉でぐいぐいと押し付けてスープを絞りだします。
スープドポワソンの完成!
これで、卸したホウボウとマトウダイを煮込みます。
……ここでこっそりホタテと剥き海老を投入。。
いやーぼくブイヤベースに入ってる甲殻類とか貝類とか大好きなんですよねぇ……ww
ホントはムール貝を入れたいんだけど、獲れなかったので
港の潮だまりに張り付いてたカリガネエガイを入れます。
魚が硬くならない程度に煮込めば
ブイヤベース、完成!
煮込んだ魚とスープドポワソンは別の皿でサーブするのがルールです。
いただきマース
……(≧〰≦*)メチャウマ
やっぱりホウボウ、カサゴ目だけあって、たっぷりのゼラチンを伴ったよい出汁が取れますね。
さいきん暑すぎてついしょっぱめの味付けにしちゃったけど、いくらでも飲めますな。パワーが湧いてくる。
魚も、ホウボウはぷりぷり、マトウダイはほくほくですごい美味しい。
手間かかるけど、それ以上の見返りがある料理なんだよなー
味:★★★★★
価格:★★★★★
ブイヤベースはともかく、スープドポワソンはそういうわけで、箸にも棒にもかからないようなエサ取り雑魚が大量に釣れた時なんかはとてもおススメのレシピです。
ネンブツダイとか、ハタンポとかね。。
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