昔ながらの美味しい「鮭の山漬け」を作った

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先日「塩筋子」を作るにあたり、北海道の美琴さんからサケを丸々一本×2お送りいただいたのですが、その身の方をどうするかについてはよいアイディアを持っていませんでした。

カチカチに凍らせてルイベにするか、ちゃんちゃん焼きにするか、あるいは石狩鍋にするか(←これはやった)……いろいろなことを考えながらTwitterを眺めていると、またも借金玉さんのツイートが目に留まりました。

ほう、山漬けとな……?

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「本当の塩引き鮭」は新巻ではなく山漬け?

調べてみると、山漬けとは

・サケを塩漬けにして水分をばっきばきに抜き、その後乾燥して保存性を高めたもの

だそうです。北海道に進出した会津藩が、アイヌの人々の作っていたサケの塩漬けをもとに作り上げたものとのこと。いわゆる新巻鮭も、この山漬けの製法を簡略化したものだそうです。


作り方がめちゃくちゃ簡単なので、とりあえず作ってみることにしました。
本来であれば一本まるごと使って作るのですが、失敗したら悲しすぎるのでとりあえず切り身でやってみます。


まず、全体にわっさわっさと塩を振ります。往年の水戸泉もかくやという勢いで。
これをジップロックにいれて冷蔵庫にしまい、上に2リットルペットボトルを乗せて、水分を抜きます。
毎日取り出して水分を拭き取り、どんどんと抜いていきます。

大量生産するときは、サケの上にサケを乗せてその重みで水分を抜いたそうです。山のように積まれたサケの様子から「山漬け」の名がついたと言います。

ある程度塩が抜けたらそのまま熟成。10日くらいが基本らしいですが、とりあえず半月ほどやりました。


漬け終わったら今度は塩抜き。
切り身なので半日くらいでいいかな。。

水気をよくとって、干し網で干していきます。今回は3日ほど干してみました。


こんなもんかなー。
本物を食べたことがないのでなんとも言えませんが、スーパーで売られている「大辛」の塩鮭と同じくらいの干からび具合なので、良さげな気がします。


切ってみましょう。

ほぅ……肉がチーズみたいにねっとりとしていますね。
おそらく熟成期間に、塩と微生物のお陰で筋肉のたんぱく質が分解されたのでしょう。カマンベールチーズとかと同じ現象が起こっています。
山漬けが発酵食品であるということが実感されますね。


実食。

焼くと塩分か析出してくるのはさすがというところです。最近の甘口塩鮭とはようすが全く違います。

いただきまーす

……(≧*≦)しょっぱ! でもうまっ!!
口にいれた瞬間は強烈な塩分で舌がびりびりしますが、そのあとに口のなかに広がるのは非常に濃厚な旨味と強いサケの香り。
強い塩分と相まって、一口分でご飯茶碗一杯はいけそうな感じです。お茶漬けにしたらたまんないだろうなこれ……

いわゆる大辛の塩鮭がこれに近いのかと思いましたが、塩鮭は水分が抜けたことによる濃縮感が強いのに対し、山漬けのほうは明確に旨味が強まっています。やはり発酵のパワーなんでしょうね……

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆


伊豆の塩鰹なんかもそうですが、塩漬け→熟成のコンボを経たたんぱく質の旨味は他には代えがたい魅力があります。
これから熟成に良い季節が来ますし、今後もいろいろな魚で試してみたいと思います。

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魚介その1(魚系) 発酵
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野食ハンマープライス

コメント

  1. のっち より:

    野食ハンターの七転八倒日記早速拝読しました。
    大変面白かったです。次回作期待しております。

  2. duples より:

    おなじみ「吉池」の新巻も、シャケを積み上げる山漬け方式で作られているそうです
    ただもちろん塩分は現代的な量に減らしているんでしょうけど

  3. エコー より:

    北海道八雲町の山漬けお勧めです。
    私が食べた中で一番美味しいと思いました。焼いた鮭にお湯をかけただけで旨みが…皮も最高に旨いですよ。

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