「熟成魚の刺身」に興味を持ったので、カサゴで試してみた

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cakesにて茸本朗の連載
野食ハンターの七転八倒日記
が始まりました!

野食失敗体験を中心に、ブログとはちょっと違った切り口の記事を公開していく予定です。
合わせてお楽しみいただけると嬉しいです。
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「僕は君を太らせたい」



先日、非常に興味深い動画を見つけました。


魚の熟成という行為については「やる板前さんがいるらしい」程度の知識しかなく、またその手順や効果も謎で、いまいち「自分でやってみよう」というモチベーションが出てきませんでした。
腐敗の心配もあるしね。

でもこの動画では、これだけはっきりと手順や必要な道具、また実際に熟成を施した魚の調理の様子などまで公開されており、初心者でも「これならできるんじゃないか」と思わせてくれます。
脂の乗った九州のサバの熟成刺身とか、食べたさ半端ないですよね!

というわけで、自分でも試しにやってみることにしました。
最終目標は「トロサバの熟成刺身」ですが、最初から青物はちょっと怖いので、もう少し難易度が低そうな白身魚でトライしてみます。

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カサゴの熟成刺身を作ってみた


先日、てーぼーさんがポートを出してくれて、駿河湾で五目釣りをやりました。
本命だったヒラメやハタは顔を出してくれませんでしたが、後半戦のカサゴ釣りはまさに入れ食い状態。4人の釣果であっという間に生簀がいっぱいになりました。


サイズも、 25㎝を筆頭に、キープサイズの20㎝オーバーばかり。
てーぼーさんのポイントは水深の関係もあり、遊漁船が入ることができず、魚影が保たれているそうです。持つべきものはいいポイントを持つ船頭の友人ですね!


釣れたカサゴのうち、最も大きなものふたつを活け締めにして、現地で血抜きまで済ませておきます。
通常、カサゴを活け締めにすることはあまりなく、てーぼーさんが怪訝そうに様子を見ています。


持ち帰ってきたカサゴの腹を割いて、エラと内臓をきれいに取り除きます。
さらに腹膜をきれいに剥がし、血合いと腎臓をよく洗い流しておきます。


さらに、頭の付け根で背骨を切断し、神経の通る穴を露出させます。
ここに、ワイヤーもしくは20号のナイロン糸など、太さと弾力のあるものを差し込んでいきます。神経抜きを行うのですね。。


神経抜きまで終わったら、背骨の切断部に流水を強く当て、残った神経や汚れを完全に洗い流します。
動画ではこのための特殊な道具を作成し利用していましたが、ない場合はこのようにやるしかないと思います。あれ販売もしてるのかな、売られてるんだったら欲しいな……

体表と腹膜の汚れや水気をきれいに拭き取り、キッチンペーパーで全体を綺麗に包みます。
これを真空パッカーでパッキングし、

特定の場所に負荷が偏らないよう、タッパーに入れた水の中に浮かべながら、冷蔵庫のパーシャルスペースにしまいます。
凍らないようにだけ注意しましょう。

このまま一週間ほど熟成させてみます。。。

熟成が終わったのがこちら。
……見た目にはあまり区別はできないなー。
匂いは全くなく、不敗の様子もありません。
とりあえず、失敗はしていなさそうです。


ウロコを落とし、三枚におろして


刺身にしてみます。
すぐにさばいたものと比べると……ごくわずかに色が淡くなっているようにも見えますね。
これは熟成というより、血抜きをしっかりとしたことによるものでしょうか。

いただきマース
……(`・〰・´)
なるほど……

正直、ものすごく大きく味が変わるというような感じではないのかな。
でも、時間を置いたためカサゴ独特のプリっとした食感はなくなっており、一方で普段の刺身からは感じづらいしっかりとした旨味と甘みが感じられます。これはやっぱり熟成の効果なのでしょうか。
上記の通り下処理を非常に丁寧に行ったので、臭みも全くありません。

この熟成カサゴ、刺身にしてポン酢で食べるよりも、大きめに造ってお寿司にしたほうがいいなぁ。
刺身より寿司の方が、すし飯と合わさることで風味の違いを感じ取りやすくなるので、魅力がわかりやすくなる気がします。
あと、熟成によって柔らかくなった結果、すし飯とのなじみも良くなっていると思います。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



とりあえず失敗せずにできたし、 次回は金アジとかトロサバとかで試してみようかな。
血抜きさえしっかりできれば、問題なく熟成させられるのじゃないかという気がしました。気になる人はやってみるよろし。。

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魚介その1(魚系)
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コメント

  1. nonnoko より:

    ディリーポータルZの玉置さんが体験されてますね。
    http://blog.hyouhon.com/entry/2018/02/10/001628

  2. 廣瀬 修 より:

    あっ、内緒にしていた動画を見つけられた!(笑)
    確認済みかも?ですが、簡易(移動)式の血抜き神経抜き器も最近津本氏が開発されてますよ。

    一番の問題はノズルをどうやって手に入れるか?ですが、ノズルが無くても魚の尾部動脈を切断開放しておいて頸部(エラ)動脈から水道水を注ぎ込む方法(津本氏の初期の動画参照)でも腹腔内・血合肉に含まれる血液のほとんどが押し出されて無くなるという事です。
    この血抜き作業では魚体に入った水分を抜くための時間と作業(頭を下にして放置)が必要にはなりますが、美味い魚を食べるには手間を惜しまない!(笑)

  3. いーな より:

    はじめまして。神経抜きは死んでからでは意味ないと津本さんがおっしゃってましたよ!
    あと、ヒラメはあんまり伸びないとおっしゃってたので白身は熟成に向かない魚が多いのかもしれませんね。

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