先日よりツイートしているのですでにご存じの方も多いと思いますが、過日、バラムツ釣りに行ってきました。
6年ぶりのバトルです。
6年前の戦い↓
始まって1時間ほどで1匹目のアタリがあり、幸先が良いぜとアワセをくれたところ予想外の大死闘がスタート。
水深140mから30分以上かけて釣りあげたのは、161㎝30㎏、超絶モンスタークラスのバラムツでした。
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のっけから情けない喘ぎ声をあげててお目汚し申し訳ありませんが、普段釣りをされない方にも迫力の伝わる動画になっているかなと思います!
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なんてデカさだ……
船長も「今季1のサイズだ」と褒めてくれたのですが、そもそも釣りでのバラムツは35㎏弱というのが世界記録らしいので、これはなかなかのクラスだと思います。(同時に釣れるアブラソコムツと比べると、バラムツは体形がぺたんこなので目方が小さくなる)
この死闘で上半身の全筋肉が限界を越してしまい、とても釣りを続けられる状態ではなくなりました。
最後の力を振り絞って撮影を行った後は、魚を甲板に転がしながら自分も舳先でグロッキー状態に。
体力の限界を超えた結果嘔吐したのは初めてです。マラソンランナーってこんな気分なんだろうな。
甲板の上で5㎏程のサイズに解体し、ギャフ(大きい魚にひっかけて甲板に持ち上げるための金属フック)入れをしてくれたペンさんと米騒動におすそ分け(という名の押し付け)を行って、クーラーボックスにしまって持ち帰ってきました。
バラムツの骨で何か作りたい
今回のバラムツももちろん食べるために釣り上げたわけですが、ご存じの通りバラムツの体脂肪率は40%にも及び、全身油だらけという魚です。かつその油のほとんどが高級脂肪酸ワックスエステルという種類の油脂。。
整髪料のワックスや床を磨くワックスも主原料は同じもの(魚に由来するか、植物に由来するかという違いはありますが)。見た目は普通の液体油ですが、魚に多いDHAなどの不飽和脂肪酸や、バターなどの飽和脂肪酸とは異なり、人体では消化も吸収もできません。そのため口にするとただ消化管を下り、肛門から外に出ようとします。しかも便意とは無関係に!
そのため不用意に食べると、こちらの意思とは無関係にシリアナTOKYOから液体状の油(ワックス)を噴出し、それがトイレ以外で起こってしまうと人としての尊厳を失います。
とはいえ、ぼくが勤務先で肛門から油を噴出し社会的に死にかけてからすでに6年が経過しています。その間にぼくも成長しており、またケツから油どばーなんて目に合うつもりは毛頭ありません。
時代遅れの釣りYoutuberならいざ知らず、ぼくは美食系野食ハンター。ワックス魚であっても最高に美味しく、そしてできるだけ安全に食べなくてはその名に恥じます。
また、そもそも普通に料理したところで、6年前よりさらに弱くなったぼくの胃袋にやさしい料理ができるわけもありません。
ということで、身については今回はプロの手に任せることとして(これも後日ブログ&動画になります)自分では主に身以外の部位について調理してみたいと思います。
まず使うのはこちらの
骨&鰭!
バラムツの骨は全体的に軟骨のような頼りなさがあり、ペティナイフでも切断できるほど柔らかいですが、それでも体格にあった太さがあり髄もしっかりしています。
これはしっかり煮込めばよい出汁が出るのではないか、そう思うのが自然でしょう。
となれば確認するしかない、作るのはそう、あの国民食です。
バラムツ骨ラーメンを作ってみた
骨と鰭は出汁が出やすく、そして付着したワックスが落ちやすくなるように、まずはしっかりと焼いていきます。
180℃のオーブンで60分ほど焼くと
こんな感じに。自らから染み出た脂によりカリカリに揚げ焼きになってしまっている部位があります。あな恐ろしや……
染み出したワックス。もちろん破棄です。
この焼き上げた骨と鰭から、付着している肉片を外していきます。カリカリでめちゃくちゃ美味しそうですが、ここにたっぷりのワックスが含まれているので……
流水でざっと洗い、さらに細かく砕けば準備OK。
これを水からぐつぐつ煮ていきます。
油がエンドレスで浮いてきますが、エンドレスで掬い取っていきます。これを怠れば……どうなるかはご想像の通り。
水を足しながら煮詰めていけば
バラムツ骨出汁の完成!
非常に白濁しており、香ばしくも柔らかい魚の香りがあります。
ちょっと味見してみよ。。
…(`・ω・´)ふむふむ
柔らかいですね。個性的とはいえませんか、滑らかなコクがあります。見た目に反して青魚の風味がある。アジの骨を煮詰めて作ったスープに似てます。
これだけスープが白いと、カエシの色で濁らせてしまうのはちょっともったいないな。。
ということでカエシは醤油を使わず、昆布茶とみりんでシンプルに作りました。
これをバラムツ出汁で割ってスープとします。
具は今回は市販のものを使いましょう。いつも魚ラーメンを作るときはその魚の身を使ってチャーシューを作るのですが、今回はモノがモノなので市販の豚チャーシューで茶を濁しましょう。
麺をゆで、どんぶりに盛り付ければ
バラムツ骨ラーメン、完成!!
あれ……どうしよ、なんだか予想以上に美味そう。
まるで久留米の豚骨ラーメンスープのような白さで、香りには焼いたマグロのような風味はありながらも、嫌な魚臭さは全くありません。
さて、味はどうか……いただきまーす
……(≧ω≦)ええ、嘘……うまっ……(爆笑)
いや、笑ったらバラムツに失礼なんだけど、でもちょっとこれは予想以上だわ。。
うま味の質としてはマグロの骨からとっただしに酷似してるんだけど、グルタミン酸と相乗させることでホタテ貝やカキなどの貝系のうまみも感じられます。そして繰り返しになるけど生臭みは全くない。
これだけ白濁してれば脂が乳化しまくってそうだけど、しつこさややらしさも全くない。まああれだけ丁寧に脂を取ったんだから当然っちゃ当然やけど、それでも「まだワックス残ってるんじゃないの?」って半信半疑だったもんで、脂っぽさがなかったのはうれしい限りですね。
昆布と昆布由来のグルタミン酸だけで構成された昆布茶を使ったカエシが、バラムツ骨の予想を覆す上品な出汁にばっちり合っていました。よかったよかった、めでたしめでたし。
味:★★★★☆
入手難易度:★★★★☆ 自分で釣らないといけないからなぁ
あとは油がお尻から出るかどうかですが……とりあえずまだ大丈夫。
むこう三日は経過観察を行い、改めてご報告します。
コメント
え?昆布茶の出汁じゃねえの?と思った閲覧者は多いはず
疑念を晴らす為にも次回は塩で味付けして下さいな
バラムツが動物出汁(イノシン酸)なので昆布のグルタミン酸と合わせて相乗効果を狙いました。塩ラーメンを作る時のイメージです。もちろんスープ本体のうまみ(この場合はバラムツ出汁)の風味を邪魔しない程度に抑えるのが鉄則です。
塩だけで味付けたらそれは潮汁になってしまいます。多分それも美味しいだろうなとは思いますが、今回はあくまでラーメンを作りたかったのでこのようにしました。
ラーメン出汁ならそれで当然だと思います。
実家がラーメン屋なのでわかりますが、豚脛骨と鶏ガラ、豚背脂を寸胴で煮詰める出汁でもタマネギ、長ネギ、ショウガ、人参皮等を山ほど入れますから。
以前にふと「野菜抜きの出汁はどんな味だろう」と思って小さな鍋でやってみましたが、動物系の匂いが強いのと旨味はあるけど尖った感じでした。
やっぱ合わせ技じゃないとダメなんだな、と。
今回はちゃんと「ラーメン作る」と言ってるわけですからバラムツ出汁だけでやる意味はないでしょう。
ただ、その前にバラムツだけでとった出汁の味をちょっとみてみる、くらいはしてもよかったかも。
なるほどです。バラムツ出汁単体の評価も追記しました。
バラムツ油はホホバオイルとほぼ性質が同じなので、そっち方面で利用法がありそうなんですがねw
自分は乾燥肌なのでホホバオイルを愛用してますが、あの油は口から入れると凶器なのに肌に塗ると極めて有用なのが困るw
バラムツの油も、手にすりこむと驚くほどサラサラするんですよね……多少魚臭いのでそれさえなんとかなれば、非食品としてはとても有益なんじゃないかと思うんですよね。
シリアナTOKYO~
トイレへGO! ですかね?
そうきたか……!
久留米ラーメンっぽいから丸幸の器で?なら芸が細かい(笑)
けどそこは細麺ちゃうんですね…