名古屋での毒キノコ中毒のニュースが巷で話題となっております。
これたぶんジャッカス的なアレだよね。「おバカな度胸試し」ってやつ。
BBQでテンションあがっちゃってる時にデカくて白いキノコが目に入って、ノリで食べちゃったんでしょうね。
「どうせ腹壊したり1回吐いたりするくらいでしょ」と思ったんでしょうか。
オオシロカラカサタケ自体は、本来は南方性の種類で関東においては外来種と言ってもいいのですが、いまやそこらじゅうに生えてます。
畑とか河川敷とかで、雑草を刈って積み上げて置いたような場所から突然ぽこぽこと出てくる。
真っ白で、大きいものはソフトボール大くらいまでに成長するのでよく目立ちます。
多摩川だと、よく野球少年のティーバッティングやサッカー少年のPKの練習台にされていますね。
まあ実際オオシロカラカサタケの毒性はそんな大したものではなくて、多くの人はおなか壊したりゲロ吐いたりするくらいで終わると思うのですが、キノコ中毒っていうのはその軽重を問わず、診断が出た後で保健所に通報せにゃならんというルールになっているんですね。
なので確実にニュースになり、大ごとになる。キノコの毒を試すのは、おやめになった方がよいでしょう。
正体不明の新種イグチについて
なんて意識の高いことを申し上げたところで、今日の本題はタイトルの通りでございます。
まず背景ですが、現在関東地方各地で夏のキノコ、とくに「近所のポルチーニ」として名高いヤマドリタケモドキが大量発生しています。
どうやっても美味いし、デカいし、乾燥保存がきくしでいくら採っても困らない。
ですがこれを採りに行くと、かなりの確率で「よく似てるけどちょっと違う」キノコが目に入るんですね。
ポルチーニ系のキノコは日本では「イグチ目」というグループに分類されます。傘の裏がシイタケやエリンギのような「ひだ」ではなく、管孔というスポンジ様の見た目(実際は束ねたストローみたいな感じ)になっているのが特徴です。(注:イグチ目でもひだ状になっているものもあります)
この「似ているキノコ」もイグチ目なので全体の雰囲気が似ていますが、傘の色がグレー~茶色のヤマドリタケモドキとは異なり、紫がかった焦げ茶色をしています。
管孔面も白~薄黄色のモドキとは違い、鮮やかな黄色~オレンジ色です。
そして最大の違いは、触ったり傷つけると即座に青く変色すること。
実際、黄色くて青変性のあるイグチ(イロガワリというグループ)はいくつかあるんですけど、このキノコはそれらのどれとも微妙に特徴が異なっているんですよね。
以前から存在はしていたんでしょうけど、僕のキノコ観測範囲でここまで補足されたのは今年が初めてです。
当然、キノコクラスタの中では話題になっていて、新種として登録する動きも行われているとのこと。
正体不明の新種イグチを食べてみた
で、先日モドキを採りに行った際に、この黒糖アンパンみたいなキノコも山ほど生えていたので、状態のいいものをいくつか持って帰ってきました。
当然食べるためです。
「未知の新種キノコを食べていいの!?」という意見については「ダメ」としか言いようがなく、また僕は以前よくわからんイグチでひどく中毒した経験もあるのですが、今回は以下のように条件が揃ってくれたので、試してみることにしました。
1.近縁種に猛毒キノコがなさそう
イグチの仲間にはいくつかの猛毒キノコがあるのですが、今回の「黄色く、青変性があるタイプ」にはそのようなものがないので、ワンチャン毒があっても腹壊す程度で済むだろ、という精神
2.すでに何人か食べてる
食用キノコの採取・試食について一目置かせていただいている宮さんをはじめ、何人かがこのキノコの試食にトライし、その後も息災なご様子であること(ひょっとしたらすでに魂だけとなっている可能性もあるけど)
今回は味を知ること、中毒性の有無について確認することが目的なので、シンプルに食べてみましょう。
採ってきた黒糖アンパンを薄くスライスし、
たっぷりのバターでソテー。
いただきマース
……(・~・)
……うーん
微妙。
歯応えは悪くないかな……一瞬旨味も感じるし、バターとの相性は良さそう。
でもなんか後味苦くないですかね……?
一度干したものを戻して再トライするも……
……別に香りがよくなったりしないし、なんか苦味が強くなったような……?
あと酸味もわずかに感じる。僕の苦手な味です。
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
僕のコドモ舌での評価なんで、あんまり参考にならないかもしれませんが。
とりあえず毒はなさそうなので、気になった人は自己責任でトライしてみてください。
その辺に生えてます。近所の公園とか。いくらでも。
コメント
この前ドクヤマドリを採った者です。自分は食べて判断しなくてよかったです・・・
あと教えていただいた通りヤマドリタケモドキを探してみたらたくさん採れました!ありがとうございました。
他にも藍茸・アカヤマドリ・ムラサキヤマドリタケ・クサイロハツなど様々なキノコがあり感動してました。
去年、千葉の「リソル生命の森 」辺りをロードで走ってる時に見た奴にソックリです。
「イグチだけど何イグチか分からん奴だなー」とか思ってたのですが正体不明イグチでしたか。