子どものころから欲しいと思っていたのが「信頼できる魚の目利き」と「アユの友釣りが趣味の人」とのコネクションだ。
後者はまだだが、前者は翔さんのおかげで無事満足された。
良い目利きさんというのは、自分が持っていない知識を補ってくれ、持っている知識を拡張してくれる存在だと思う。
とくに、自分が住んでいない地域の食材や食文化を伝えてくれる人がいるのといないのでは、食卓の広がりに大きな差が出る。
サイトをやり出して早々に自分の知識の限界に気付いたのだが、そういった人々が分けてくれる知識のおかげでこれまでずっと更新を続けることができている。
本当にありがたいかぎりだ。
淡路島の「沖水産」のヒラを食べた
この魚はこれまで数回食べてきているが、かつてアメ横で購入したものと、翔さんに送ってもらったものでは全く味が違っていたので驚いた経験がある。
しかも、翔さんにその話をしたら
「時期が来たら、もっと美味しいヒラをお送りしますよ」
と言われたのだ。
今回のものがそれだ。
今の時期に、淡路島の「沖水産」から入荷するものが、最も味が良いのだという。
鮮度が味を大きく左右するニシン目の魚だが、このヒラも当然のごとく鱗が残っており、新鮮さを感じさせる。
頭を落として内臓を出し、腹のかたい部分を切り落として、三枚下ろしに。
これを皮付きのまま、2㎜幅くらいの薄切りにする。
身がパツパツにいかっており、薄切りにしても角が立つ。
脂がのっていて包丁の切れ味がすぐに悪くなるので、こまめに脂をふき取りながら進めていく。
これを
寿司酢に漬けこんで30分ほど置けば
ヒラの酢締めの完成。
いただきマース
…(・~・**)
あんまぁ~い!!
アジにしろイワシにしろ、青魚の脂というのはなぜこれほどに甘みを感じるのだろう?
なにか他の魚の脂とは違う成分が入っているのだろうか。
そんな脂が、前回食べた個体よりもはるかに大量に乗っている。
これが淡路のヒラの実力か…!?
関東でこのヒラの味を知っているのが僕だけかもしれないと思うとものすごい優越感だ。
酢で身が締まっているが、もともと青魚にしては身質がしっかりしている方なので、コリコリ感も感じられるほどの歯応えで美味しい。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
骨の処理が難しいけど、個人的には、もっとも「寿司で食べてみたい」もののひとつだ。
ニシンみたいに1カンにつき薄切りを3~4枚つける、みたいにすればいけないかしら?
もう半身は煮付けに。
脂が必要以上に落ちないように、加熱時間は短めにして、じっくり冷ますことで味を染ませるのがオススメ。
野食新年会の時に「ヒラを食べてみたい」という方が結構いたので、関東でも商機はあると思うんだけど。。
ぜひこっちの人にも食べてもらいたいんだよな~。。
コメント
倉敷生まれなせいで、しばらくヒラは全国的なもんだと思ってました。一部地域ではドメジャーな癖に一歩外へ出るとドマイナーな魚の代表ですね……
岡山人あるあるwwww
そういうの結構多いですよね。もっとメジャーどころ(ex.ハモ)でも、東京じゃまだまだマイナーの域を脱していませんし。
姫路では、ヒラは食べませんね。きゅうせんやえぼ鯛(姫路ではしず)は、普通に並んでいます。岡山の人と話すと、サワラの食べ方が凄く差が有ります。姫路は、サワラは、刺し身では全く食べないんですよねー。
興味深いお話です。。
加古川を境に言葉が変わると言われますけど、食文化はもうちょっと西に境界線があるのだろうか…。。
旧国で、備前に入る日生からは、食文化として違う地域に思いますね。
地勢的に、日生は、海岸に山がせり出したリアス式海岸で交通の便が悪く、山陽道もそれを避けるように姫路から更に内陸側を通ると言うのが大きいと思います。姫路でも西端の方から、海岸線に山がせり出したりし始め、相生、赤穂も断続的にそんな感じ風景になりますんで…。
有明海ではヒラが大量発生していてアオリイカやコウイカの幼体を食べまくるので困りものになってます。小骨が気になるので中々食べないんですよねー。食べるとしたらコノシロの様に酢で締めるとか…アリアケターポンとか呼ばれてます
有明ターポンの話は最近こちらでもよく聞くようになりました。。イカ食べてるのか…
ヒラの骨は酢締めだけじゃ厳しそうですね。小骨って言ってはいけないレベルに思えます。