野良春菊ことベニバナボロギクは野菜か? 毒草か?

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松阪で山狩りをしていたときのこと。
道路脇に茂る草を指さし、ゆぞくさんがこんなことを言い出しました。


「茸本くんあれ食べたことある? ベニバナボロギク。」
「!? いや、ないですけど……えっあれって毒じゃないんすか?」
「えっそうなん!? 昔から食いよったし、うまいもんで普通に使っとるよ。」

そう言うと、葉を1枚ちぎって差し出しました。

受け取り、食べてみると……

うまっ! 
口に含むと爽やかな菊の香りのあとにゴマのようなコクのある風味が広がります。
口に障る繊維もなく、あとに残る苦味もない。サラダ用春菊みたいな味わいです。
なんだこれ、野草のレベルを超えてるやんか……


花が赤いのでベニバナ


慌てて調べてみると、ベニバナボロギクはアフリカ原産の外来野草で南方に多く、戦中から戦後にかけて「昭和草」と呼んで野菜がわりに利用されていたといいます。
栽培も検討されていたほどだというので、もうカタギとはいえません。こいつ、野菜だ……!



というわけでその後は道端で見つける度に「おっ野菜あるやんけ」と言いながら採取していました。
アフリカ出身野草にありがちなコシの強さもなく、林縁や杉林の林床など他の植物が少ないニッチでしか生育できないようで、見つけやすく採りやすいのがありがたいです。

外来種だから罪悪感なく採れるし。
いやーこりゃいいもん知ったぜ。。

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ベニバナボロギク、毒あるの?

しかし、今一度冷静に考えると、やっぱり「ベニバナボロギクは毒がある」ってどっかで聞いたことがあるんだよなぁ……
気になったので調べてみると、以下の記述を発見しました。

“ノボロギク(ベニバナボロギクに近縁の野草)に含まれるピロリジジンアルカロイドは肝毒性や発がん性を有する”

なるほど、ピロリジジンね……
こいつは多種の野草に含まれるいわゆる「アク」の成分のひとつで、毒性があるとして有名なものです。これを含む野草を食べた家畜が死んでしまう事故が時々起こっているそう。
ノボロギクが毒だというのは間違いなく聞いたことがあった(ソース失念)ので、利用されるべきではない野草だといえるでしょう。


ただ、ピロリジジンを含む=毒草かというとそういう話ではないです。例えば、フキやツワブキのようなキク科の山菜には大量に含まれていますが、それらはアク抜き(=無毒化)を施した上で一般に食べられています。
「有毒だけど毒草じゃない」というのは説明が厄介ですが、要は「取り除ける毒は脅威ではない」ということです。ジャガイモのソラニンとかキャッサバの青酸化合物みたいなものかな。


ノボロギクと比べるとベニバナボロギクは葉の苦味がずっと少なく、ピロリジジン含有量が少ないことが推測されます。
この僅かな差が、野菜として用いられてきたものとそうでないものの違いになったのでしょう。

ベニバナボロギクを食べてみた

というわけで、アク抜きをすれば問題なく食べられるはずなので調理してみました。

じゃじゃーん! おひたしー!!
やっぱりこの美味しさ、シンプルに食べてなんぼでしょ!

毒は問題ないのかって? 大丈夫、この程度のアルカロイドは茹でこぼせばOKなのです。
死んだ(呼吸・光合成を止めた)植物体は有機酸により弱酸性を示します。加熱するとこれがアクの成分(アルカリ性)と反応し中和され、変化したり水溶性の物質になったりします。

ホウレン草のシュウ酸だって危険だけど、塩ゆでしたら食べられるようになるのと一緒。

うん、香り高くて( ゚Д゚)ウマー。

味:★★★★☆
価格:★☆☆☆☆

ベニバナボロギク、松阪にはめっちゃ生えてたけど、関東だとどうなんでしょ? 今後は杉林を歩くとき、注意して見ておこうと思います。これは野草のなかではかなり気に入った……!

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