きのこ好きは必見!? 話題の映画「素晴らしき、きのこの世界」を見てきました

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ぼくは基本的にアウトドアな人間なので、映画鑑賞とか美術館巡りとかは「キライではないけど苦手」です。
なので連れに誘われたりしない限り映画館に行くこともないのですが、先日とある映画を一人で観に行ってきました。
その映画がなんともこう……言及しないではおけないような感じのやつだったので、ブログでちょっと紹介したいと思います。

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「素晴らしき、きのこの世界」を見てきました

今回鑑賞したのは「素晴らしき、きのこの世界」という映画です。

一般公開は9/24からなんですが、今回ありがたくも「マスコミ試写会」にお招きいただきまして、世間のキノコマニア共よりもちょびっとだけ早く拝見する機会に恵まれました。
招待状には「キノコのドキュメンタリー映画」的な解説が。。なるほど、じゃあディスカバリーチャンネルみたいなものかしら? ああいうのは大好きですよ。


この映画、なんかめっちゃインディーズな感じのタイトルですが、ちゃんとハリウッドで撮られたものです。
しかもメインナレーターは「キャプテンマーベル」役として知られる世界的女優ブリー・ラーソン(彼女、キノコ大好きらしいです)、さらに極めつけには、アメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」で100点満点という快挙! 「オリコンランキング1位」とかとは桁違いの偉業ってことでいいんよね?


ってな感じで見る前から高まる一方の期待感、加えて会場で配布されたパンフレットによると「ともかく映像がきれい」とのこと!
キノコのきれいな映像なんてなんぼあってもええですからね。これはかなり楽しめるんじゃないか。

そして、いざ拝見したのですが……

……なるほどね。。これは、なんというか非常に予想外です。
面白いか面白くないかでいうと、面白い! けど、内容的にドキュメンタリーというにはいささか抵抗があります……いやむしろこれこそが「キノコのドキュメンタリー映画」なのだろうか?

主役はキノコではなく「キノコオタク」

まず、この映画の前半は、めちゃくちゃ美麗なタイムラプス映像による「キノコという生き物」の解説が続きます。
様々な形状のキノコが地中から顔を出し、生長して、それぞれのやり方で胞子をまく。高精度の定点カメラで撮られ、早送りにされた映像はひたすらに美しくまた科学的で、ディスカバリーチャンネルのような科学ドキュメンタリー好きには堪らないです。特にマンネンタケがアーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉みたいにムキムキと膨らんでいくシーンは必見です。
綺麗で面白いので、このあたりはキノコに興味のない方やお子さんでも十二分に楽しめるでしょう。


ところが、半分を過ぎた辺りから突如、雲行きが怪しくなります。
そこまではひたすら「タイムラプス」や「インタビュー」などのリアルな映像が続いてきたのですが、徐々にCG映像が混ざり始め、やがて形而上学的な世界観へと切り替わります。
語られる内容も「マジックマッシュルームを食べて雨に打たれ天啓を得た話」から「ヒトはマジックマッシュルームによってサルから進化を果たしたという説」、「キノコは電子信号によって木と交信しているというハナシ」などなど……にわかには信じがたいような度肝を抜かれるような話が、海外のキノコ専門家達の口から次々と語られます。

マジックマッシュルームの代表格・ヒカゲシビレタケ


ここでふと、この映画の日本語字幕を監修された菌類学者・保坂健太郎先生がパンフレットに寄稿されたコラムを思い出しました。

“字幕監修者としてはそれこそ『個人的な見解です』のような文言を入れてもらいたい場面がいくつかあった”
“本当かよ、と疑いながら、そしてツッコミを入れながら見るのが、この映画の正しい楽しみ方かもしれない”


実はこの映画は、世界一のキノコオタクことポール・スタメッツ博士(スタートレックシリーズに出てくる宇宙菌類学者ポール・スタメッツ大尉のモデル)の自叙伝「Fantastic Fungi」がベースになっています。
脇を固める解説者たちも、フードライターやジャーナリストなどであっていわゆる「菌類学者」ではありません。だからどうしても「科学的に正しいとは言い切れない」ことが目立ちます。
純粋な生物学者の皆様がこの映画を見たらもんどり打って気絶するかもしれない。

でも、我々素人にとっては「キノコすげー!! ポテンシャルやべぇぇええ!!」ってなっちゃう。
だってめっちゃすごいんだよ。マジックマッシュルームを投与された末期がん患者がまるで上京したての大学1年生みたいな笑顔で日々の暮らしに戻ったり、ステージ4のがんを患ったポールスタメッツのママがカワラタケですっかり寛解したり。マジックマッシュルームの不思議な力で戦争をなくしたり。

まあそんな映画なんで、科学的リテラシー皆無の人が見たら「キノコって無敵じゃん!」ってなってポールスタメッツ教に入信しちゃうと思います。個人的には最低限のキノコ/菌類の知識は持ってから見たほうがいいような気がするけど、そんなアドバイスは野暮ってもんかもね。


なんか書いてたらだんだんとっちらかってきちゃったな……普段映画見ない人間が映画批評なんてするもんじゃないやw
でもともかく、映画としては本当に面白い。きのこ好きの映画好きがどれだけいるかわかりませんが、全員見たほうがいいと思いますね。


再度載せておきますが一般公開は9/24からだそうです。
ちょびっとでも興味を持ってくださった皆さんは、ぜひぜひ映画館へ足をお運びください。

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