ファーブル先生が絶賛した「テッポウムシ」を昆虫記風に食べてみた

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2020.5.8最新動画→#4 ウツボで鶏のタタキ!?~野草調理&実食編~




先日、人込みを離れ、竹林にてタケノコと対峙してまいりました。

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竹林はあまり生き物っ気が多くないことが多いのですが、今回掘らせてもらった竹林はスギやクヌギとタケが適度に混ざっており、様々な生き物が生息する素敵な森でした。キノコの菌糸や朽ち木に住む昆虫もたくさん見られ、カブトムシの終齢幼虫が50㎝四方から4匹も出てくるなど予想外の楽しさに恵まれました。引きこもりぬいたGWの最後にちょっとしたご褒美をいただいたような気分です。


さて、そんな森で朽ち木の隙間から顔を出しているタケノコを掘り返していたら、白くてコロッとしたものが登場しました。

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……これは、鉄砲虫!!

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ファーブル先生、もっと美味しい食べ方ありますよ!!

鉄砲虫、とはカミキリムシの幼虫のことを指します。木の幹や草の茎の中に食入している様子を「弾が込められた鉄砲」にたとえたのでしょう。
今回のものはサイズが5㎝前後と大きく、腐葉土になりかけの腐朽が進んだ木材から見つかったものなのでウスバカミキリの幼虫ではないかと思われます。日本では最大のカミキリムシのひとつです。

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脚がなくて頭でっかち、やたらと発達した牙のみが目立つこの種の幼虫は、芋虫嫌いの人に根源的な恐怖を呼び起こさせる形態をしています。

しかし一方で、わざわざ「鉄砲虫」なる相性がつけられていたのは、食用として馴染まれていたからにほかなりません。虫食が盛んとは言えない日本でも、カミキリムシの幼虫はその味の良さから広く食用にされていたようです。木の中にいるため、薪割りの際によく登場し、「労働の駄賃としてのおやつ」みたいな扱いだったと聞きます。
海外でも食用にする地域がいくつもあり、有名どころではオーストラリアの先住民族アボリジニが食用にする芋虫「ウィチェッティグラブ」の多くはこのカミキリムシ類の幼虫だそうです。同じく木の幹に食入するガ「ボクトウガ」と合わせてこのように呼ばれています。


そんなカミキリムシの幼虫は、普段は虫を食用ではなく研究の対象としている人にとっても「食材として魅力的に見える」ことがあるようです。ある程度虫を知る人たちの中には「カミキリムシの幼虫は食べてみたい/食べたことがある」という人が結構います。
そしてそのうちの一人が、ほかでもないジャン・アンリ・ファーブル。南仏プロヴァンスに暮らし「ファーブル昆虫記」を執筆した、世界中の昆虫少年・おじさんにとっての神様です。


彼は冬の間暖炉にくべるための薪を作ってくれる木こりに「もし虫の入っている木があったら、別にとっておいてくれないか」と頼みました。そしてその虫の入っている様子を一通り観察したあと、こう言ったそうです。

「さて、古代ローマ人が愛したという『樫の木のはだか虫』を食べてみようじゃないか」

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彼はこれを串にさして焼き、塩を振っただけのものを家族と仲間にふるまい、感想を聞きました。おおむね評価は上々、しかし「皮だけは硬くて難儀した」とのことで、その言葉に満足した彼はそれっきり食べようとすることはなかった、のだそう。なんとも学者らしい行為です。

実際のところ、木しか食べないカミキリムシの幼虫は臭みやエグみなどを持たないと考えられます。シンプルな料理でも美味しく食べられるはず。
しかも今回見つけたウスバカミキリは、ファーブルが「古代ローマ人が食べていたカミキリムシ」だと断定していたもの(ファーブル自身が食べたのは「カシミヤマカミキリ」でウスバカミキリとは亜科のレベルで異なる)。食材としては非常に由緒正しいものだと言えます。

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というわけで先生に倣い、串を打って火であぶり

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塩を振ってみました。少し焦げてしまいましたが、縮んでしまうようなこともなく、とても美味しそうです。
いただきまーす

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……(`・〰・´)やっぱりカミキリムシ美味いなー!
魚の白子で作った豆腐を、フランクフルトよろしく豚の腸の皮で包んだようなイメージです。うま味が大変強い。
コクがあり、口の中でジューシーに広がります。肉に臭みはありません。

ただ一点、やはり皮が……

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いや、硬いんじゃないんですよ。口に触るということはない。ただ、焦げた部分が……人の髪の毛を燃やした時の、あの不快なにおいがします。
昆虫の外骨格って、焦げるとこの臭いするやつが結構あるんですよね。個人的にはこれは大きなマイナス。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



匂い以外は何一つダメなところがなかったので、つまりバターソテーなどにするといいのではないかと思われます。
あるいは塩ゆででもいい。アボリジニのように生でも……いや、寄生虫とかいたら嫌だな。あと朽ち木を食い破るほどの大あごで舌なんかに噛みつかれたらシャレにならない。

ファーブル先生、もしまたカミキリムシを食べることがあれば、ぜひ南仏特産のオリーブオイルでポワレみたいにしてみてください。ローズマリーとか添えてさ。絶対美味いから。合わせるワインはヴァン・ド・ペイ・ドックの気軽な白ワインとかがいいと思います。

……ああ、ファーブル先生と虫食べながら虫食い談義してみたいなぁ。



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コメント

  1. つかさ より:

    茸本さんとファーブル先生の会話聞いてみたいです。他にもいろいろな食材を試していますし楽しい会話になるのではないでしょうか。それで何となく思ったんですが僕は君を太らせたいの次作として先駆の研究者と女の子(中身は茸本さん)が実食しつつ会話をする日常系はどうでしょう。学校の部活動にして野食部というのも面白そう・・・今度は4コマでどうでしょうか。

    • 茸本 朗 より:

      あれ、何か聞いたことあるようなシチュエーション……?

      まあでも実際主人公は可愛い女の子のほうが良かったですかねぇやっぱり。。一人じゃなくて4人か5人くらい出して、今はやりのJKにして、無人島あたりで遭難させて……あれ?

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