「地魚」はマイナーじゃないと意味がない①

魚介類の消費量の減少と地方漁村の過疎化が問題になる昨今、様々な形での「魚を食べよう」というムーブメントが勃興している。
そのもっともわかりやすい形が「地魚」ブームではないだろうか。

その土地の特産魚を食べることでその土地への興味を喚起し、観光需要にもつなげられる一石二鳥の存在である「地魚」だが、僕は今の地魚ブームに物足りなさと不満を強く感じている。

僕は「地魚が美味しい」と評判の店に行ってアジが出てきたら非常にがっかりする。
なぜなら美味しいアジはすでに東京で、しかも完璧な状態で食べられるからだ。

関サバ、関アジや氷見ブリなどの「地魚ブランド」の成功例のお尻を追いかけて、全国各地で「○○アジ」「○○ブリ」と名のつくものが登場している。
だが既に流通経路を確定させ、リーズナブル化を成功させつつある上記のようなブランドに、後発の無名の「アタシもブランド化を目指してますぅ」な魚たちが勝てる可能性がどれだけあるだろう。

やるなら島根の「どんちっちアジ」みたいに自治体の強大なバックアップのもと、その優位性を明らかにする証拠資料を提示して、有無を言わさぬ説得力を見せるしかない。

でも、そこまでする余裕など、各地の過疎漁村や漁協にあるわけがない。
だったら道は一つ、東京で流通されない魚たちに活路を見出すしかない。

地魚,ブダイ,タカノハダイ

ブダイもタカノハダイも、魚好きにはたまらない

 

マイナー地魚を売ってくれ!

東京(築地・千住・太田)で流通していないが、地方のそれぞれの地域では日常的に食べられているような魚は全国に無数にある。
またそこまででなくても、漁師さんだけが知っている美味しい魚というものもたくさんあるはずだ。
そのようなマイナー美味魚たちの中から、これまでにもゲンゲ八角(トクビレ)といったスターたちが生まれてきた。

ごっこ,ホテイウオ,地魚

ごっこ(ホテイウオ)なんかも近年高値を付けるようになったね


僕はマイナー魚に目がないので、地方を旅行するときは必ず地元のスーパーや道の駅、市場に立ち寄り、品ぞろえとオススメ品を確認する。
道の駅や市場はガイドブックや観光局のHPに載っていることも多いので確認するのだが、そこに「地魚」という文字が躍っていたとして、実際に訪れたら普通のマアジだったりマダイだったりすることも多い。
僕ら魚好きにとってはそれは詐欺行為に等しい。

アジにしろタイにしろ、中央市場で良い値がつくものはそちらに流せばいい。
「中抜きが減るから直売しちゃおう」なんて考え方は買う方からすれば最もつまらないものだ
無知な仲買人が値を付けない、マイナーだけど美味しい魚こそ、直売してその良さを魚好きたちに発信してほしいと思う。

ウスバハギ,地魚

ウスバハギなんか大きくて美味しくて、もはや売らない意味が分からない

いや、むしろもう美味しくなくてもいい
マイナーな魚を食べてみたいという物好きは僕も含め大量にいるはずで、高値でなければ美味しくなくても「へぇ、こいつはこんな味なんだなぁ」といって喜んで納得してくれるはずだ。(地方の道の駅に売られている珍味類と同じ)

実家のある東伊豆では、どこもかしこもキンメダイを売りにするところばかり。
西伊豆ではイセエビ、アジ、養殖のタイとタカアシガニ。
誰もお願いしていないのに、足並みそろえて同じものを売って、じり貧状態に陥っている。

網の中に入ってくれたその「雑魚」はゴミじゃない。宝のはずだ。
頼むからそれを売ってくれ…!

真の「地魚」を売る店を紹介したい

最近ようやく、そこに気付いて「網にかかった魚を、ありのままに」販売したり、食べさせてくれる店が徐々にであるが増えてきた。

しかしそのような意識の高いお店に限って、自分たちがやっていることの価値や、その情報をブロードキャストする必要性をいまいちわかっていない。

かくして、これらの店の情報は、アジやら養殖ブリやらを食べさせる自称「地魚の美味しい店(笑)」のなかに埋もれてしまい、検索してもさっぱり出てこないのだ。

であれば自分の足で実際に見て回って、ネットの海に埋もれないように記していくしかない。
備忘録的な役割が大きいが、僕と同様にそういった情報を知りたいという人も少なくないと思うので、これまで書き溜めたメモを、このサイトでちょこちょこと放出していこうと思う。

イシモチ,シログチ,地魚

イシモチの刺身なんて、釣り人だけの特権にしとくのはもったいなさ過ぎる


というわけで、感謝の念と今後への期待を込めて、コメントとともに紹介していきます。

 
 
 

コメント

  1. duo より:

    ウツボの捌き方でお世話になりました、duoです。
    大変ご無沙汰しています。

    >網の中に入ってくれたその「雑魚」はゴミじゃない。宝のはずだ。
    頼むからそれを売ってくれ…!

    まさしくその通りです。
    私も日ごろからその思いを胸に、魚介類を商う店を覗いています。
    しかしながら宝物を扱うような店に限って、度々覗くと胡散臭がります。
    店主、店員の視線が突き刺さり、激痛に苛まれる・・・の繰り返しです。

    >真の「地魚」を売る店を紹介したい

    楽しみにしています。
    できれば地方発送なんかもしてくれると悶えます。

    • wacky より:

      どうも、ご無沙汰してます!その後、ウツボは無事捌かれましたでしょうか…
      ブログも拝読しております。
      中国地方は独自の魚食文化があって興味深いですね。自分も岡山の祖母を訪ねたときは必ずスーパーに寄っています。

      しかし、胡散臭がられるってのはよっぽどですね…
      そんな視線、僕も浴びせられているのかもしれませんが全く気にしませんよ、というか気づいたこともないですw
      変な魚を置いてる店は「構ってほしい」店なんだと勝手に思い込んでぐいぐい店員さんに絡んでいきますね。「この魚はどうやって食べるんですか?」って聞けば、みんなぺらぺら教えてくれますよ!

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