2020．9.23文章内表記修正
先日、テレビのグルメ番組を見ていたらうにの天ぷらなるものが紹介されておりまして。
くっそウマソウやんけ……！
でも値段を見るとｳﾝ千円とかで、とても食べに行ける額ではありません。
コロナで高級魚介類が安くなっているとは言いますが、それでもウニはやっぱり高い。。
しゃあねぇ、自分で賄うか……
ガンガゼを捕まえよう
向かったのは静岡県某所。
海中を覗き込んでみると……
うん、おるおる。トゲを振り回し、水面近くまで繰り出して岩を食んでいます。
タモ網で掬いましょう。偉大なるカニポリスよ、我に力を……！
はい、簡単に採れました。
ガンガゼです。長い棘がパンキッシュですね。
ガンガゼは温暖な海域に多い大型のウニで、長い棘とてっぺんにある目ん玉模様が特徴です。
危険度の高い生き物であるためか漁獲されることはあまりなく、むしろ迷惑生物として蔑まれる方向にあると思うのですが、しかし最近は捕獲して町おこし的に用いられることも増えているようです。
こういった事情に加え、もとより釣り餌としての需要は多いウニでもあり、むやみに採取するのは慎まれるべきでしょう。
基本的には「ウニ類全般」の漁業権が指定されていない場所で採るのがよいとおもいます。パッと見ムラサキウニと似てるから、例えガンガゼを採っていたのだとしても、ウニ採取禁止地域だと見咎められて怒られることもあるかもしれないしね。
さて、ご存知の通りガンガゼの棘には毒があり、刺されると痛みます。さらに棘自体鋭い上に折れやすく、折れた棘が体内に留まってしまうと切開手術をして取り出す必要があります。あなこわやこわや
なのでそうならないように、採れたガンガゼはその場で散髪をしてしまうのが良いです。
さっぱりしましたね。ちょっとシャギーなんか入れてみましたよ。青い点々(眼らしい)がオシャレだね！
これは目ではなく肛門
なお、切ったあとの棘も危ないので、新聞かなんかに包んで捨てましょう。その場に放置はダメ絶対。
こうなればもう、素手で触っても大丈夫。海水氷でキンキンに冷やして持ち帰りましょう。
ガンガゼ割ってみた
帰宅。
さっそく割ってみましょう。
ガンガゼの殻はウニのなかでも柔らかい方で、口兼肛門から出刃包丁の刃先を入れてパキっと捻れば
簡単に割れます。
卵たっぷり！
塩水に落とし、よく洗います。
相変わらず色は悪いですが、肉厚ですごい旨そう🎵
薄く塩を当ててキッチンペーパーを巻き、水分を抜きます。この状態で食べてもいわゆる「塩ウニ」ってやつで美味いと思うのですが、今回はこれを
海苔で巻き、薄く衣をつけて、カリッと揚げます。
……見た目最悪だなオイ……(´・ω・`)薄衣じゃなくてもっとしっかり粉付けるべきだったか。
いや、中身の色自体がもうこんなだからどうしようもねぇや。。
まあいいさ、大事なのは味。いただきましょう。
……(≧〰≦)うまっ！！
海苔のおかげで表面はサクっと揚がっていますが、中身はトロっとムチプリが合わさったような舌ざわり。
加熱することでウニの油分が溶けて舌触りが良くなりつつ、加熱によってタンパク質が凝固し弾力も出ているみたいですね。
あと、ガンガゼの卵巣は他の食用ウニと比べると後味の渋みが少し強いように思うのですが、これが加熱によってなくなりますね。おそらくこの渋みはサポニンによるものだと思うのですが（ウニが含まれる棘皮動物にはサポニンを体内に持つものが多い）高温で熱することによってなくなるのか、あるいは油に溶け出すことで感じにくくなるのか、いずれにしてもそんな感じで食べやすくなるのだろうと思います。
ムラサキウニと比べるとやや味が薄いきらいのあるガンガゼですが、塩で締めることによって濃厚さを楽しむことができます。ガンガゼは加熱するのが正解かな。。
味：★★★★☆
価格：★★☆☆☆
ご飯に炊きこんだり、常磐名物の貝焼き（ハマグリの殻に詰めて焼く）にしたらすげーうまそう。
ガンガゼは最近増えて貴重な藻類を食い荒らしているらしいので、積極的に利用していければいいなと思っています。もちろんルールは守ろうね。
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