河川敷で繁茂する外来植物「野菜ソバ」ことシャクチリソバは塩漬けすると空心菜みたいになって美味い

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先日、テレビのお仕事で多摩川河川敷をうろうろしていると、非常に目につく群落を発見。

あーなるほど、これが噂のシャクチリソバですな。


シャクチリソバは、健康茶の原料としてよく知られるダッタンソバの近縁種で、作物のソバの仲間でもあります。
日本には明治期に帰化したようです。
もう少し草丈が大きくなってくると、畑のソバそっくりの見た目になるので「あっソバだ」ってわかるんですが、若芽の時期のこんもり茂った感じからはあまりソバらしさはうかがえません。この群落感はシャクチリソバが宿根性の多年草であるためで、この点で作物のソバとは性質が大きく異なります。

ソバの仲間なのでソバの実っぽい果実をつけますが、その身は苦く食べられないそうです。その代わりこの若い芽が食用になるそうで、Wikipedia先生によると明治期には「野菜のように利用できる『野菜ソバ』」と喧伝されたそうです。
そう聞くと味が気になるな、ちょっと試してみようか。、すみませんディレクターさん、これはプライベートな採取なので気になさらないでください……

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シャクチリソバ、超酸っぱい

群落の中で柔らかそうな葉っぱのものを見繕い、手で引っ張りながら折り取ってみます。

ポコン! と音がして気持ちよく折れました。なるほど、中空なんですね。
この柔らかさや茎の質感、太さ、中空の感じ……なんだかとっても空心菜(エンサイ)に似てるなぁ。


このままさっと炒めて美味しかったりしたら、それもう空心菜じゃん。空心菜大好きだからそうだったらいいなぁ……

そう思いながら、試しに茎を噛んでみると

……(;´Ж`)すっっっっっぱぁああああ!
うはーなんだこれ、激酸っぱいです。イタドリと同じ方向性の酸味ですが、より強くシャープな気がします。
そういえば、ソバもイタドリも同じタデ科でしたね……ということはこれはシュウ酸の酸味か……これは、そのまま食べたら結石まっしぐらという感じですね。
ひと手間加えてみましょうか。

シャクチリソバは塩漬けで美味しくなる

持ち帰ってきたシャクチリソバ。
まずはさっとゆでてシュウ酸が抜けないか試してみます。

シャキシャキした質感が美味しそうな茎ですが、茹でるとあっという間にふにゃふにゃになってしまいました。でも酸っぱくなければこれでも……

……(;・Ж・)だめだ、すっぺぇ。加熱で凶悪になってしまった。
しかし、葉のほうにはシュウ酸が含まれていないのか、酸味はほぼありません。その代わりに旨味もあんまりなく、ちょっとぬるっとした質感はあるけどもさもさしてて美味しくないです。


茹でてダメなら最終手段、塩漬けにしてみましょう。イタドリのアク処理に用いられる方法で、粗塩に含まれるマグネシウムがシュウ酸といい感じに化学反応して除去できるようになるというからくりです。

2日ほど漬けて

塩抜き。

味はどうかな。

……(≧〰≦)んめぇ!
なんだか柴漬けみたいなすっぱしょっぱさですでに美味しいです。これは勝ったな。

というわけで、水分をよく切り

豚肉と炒め物に。火を通しすぎると柔らかくなってしまうので、シャクチリソバはあとから入れてさっと火を通すだけにとどめます。

いただきまーす……

……(≧∀≦)キター!
パリパリシャクシャクした食感はまさに空心菜のそれ。歯切れの良さは野草の域を超えていますね。
味は空心菜のちょっと青っぽい風味に、梅干しのような酸味が乗っかります。温まると強くなりますが、酸味が苦手な茸本でも美味しく食べられるので普通の人は全く問題ないと思います。気になる人は塩抜き後に水さらしの時間を取るといいかも。

いやでもこれは美味いよ、野菜ソバの名に恥じない。河川敷に行けば無限にもこもこ茂っているので取り放題です。空心菜好きは今すぐGo!

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植物
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野食ハンマープライス

コメント

  1. Yuki より:

    いつも更新楽しみに拝見しております。
    私の住む秋田でも本格的な山菜シーズンを迎えて休日は趣味の渓流釣りがてら、山菜採りを満喫中です。
    秋田(といっても鳥海山麓地域)では数ある山菜のなかでもオオイタドリの若芽をサシッコと呼び味噌汁やお浸し 天ぷらなどで楽しむのですが、心地よい酸味とヌルヌルポリポリの食感で絶品です!

    もし機会がありましたらサシッコの新たな可能性を見出だして頂けたらと思いますw

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