「シオフキガイ」が潮干狩りのメインターゲットになる時代がもうそこまで来てる

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先日、1年ぶりに東京湾某干潟に潮干狩りをしに行ってきました。

昨年の潮干狩りシーズンは、一昨年の巨大台風による洪水の影響が残っておりあらゆるターゲットが不調でした。大水が出ると干潟の生物たちはみんな埋まっちゃっていったん数が減少しちゃいます。
しかし昨年は台風自体が少なく、大水もほとんど出なかったようで、今年はまた生き物たちの姿が見られるようになりました。アナジャコの穴も増えているし、マテガイも良型含め好漁です。


数年ぶりに「マテガイ銀座」(大潮の干潮時になると、マテガイが多く生息する低潮線付近に玄人マテガイハンターがずらりと列を作る)も見られましたね。


しかし、それ以上に今年存在感を発揮しまくっているのが

シオフキガイです。

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もう人々はシオフキガイを美味しく食べるほかない

シオフキガイは寿司ネタ「青柳」で知られるバカガイの近縁種。熱や乾燥に強いようで、潮が引くと真っ先に顔を出すような浅いところにたくさん棲息しています。
潮干狩りにおいては「外道中の外道」という扱いで、持ち帰る人はほとんどいません。彼らが体内に砂をめっちゃ含んでしまうのがその理由で、アサリと間違えて調理してしまった結果ご飯が砂だらけに……という悲劇が毎年どこかで起こっています。お父さんが小さな子供に「この貝は獲っちゃだめだよ」と指導する様子もよく見かけますね。美味しくない貝だと思っている人も多いようですね。

ただこのシオフキガイ、砂さえなんとかできればかなり美味しい貝です。バカガイと味もよく似ていて、特に出汁の味が最高に良い。無視してしまうのはもったいないです。
そして何より、今や東京湾奥干潟に産する二枚貝のかなりの割合をこのシオフキガイが占めています。もとより生息範囲が広く、さらに漁師が採らないのでこの貝だけが選択的に残されていきます。
アサリはほとんど姿を消し、生命力の権化のような外来種ホンビノスですら漁獲対象となってからは小型化が進んでいますが、このシオフキガイだけはいまだに無限の資源のようにあふれているのです。美味しい貝を食べたくて潮干狩りに行くんなら、採らない理由はないでしょう。

ちなみにマテガイも潮干狩りの人気ターゲットですが、毎年なんだかんだでそれなりに採れるくらい資源量が保たれているのは、やっぱり「漁の対象じゃないから」ということなんでしょうね。もちろん漁師さんの生活は大事だけど、漁業ってのはストレートに乱獲に結びついてしまうよね……

シオフキガイの採り方と下処理方法

そんなシオフキガイの採り方ですが、解説不要です。
例えばあなたが干潟に着いてその場でしゃがんで手をついたとしましょう。その場で指を少し動かしたら、すでに2個ほど手中にあるはずです。
あたりの場所を見つけたらもうとんでもないことになります。ぼくは先日、2m四方くらいの場所で5㎏ほど採りました。

マテガイの穴を探しているときも、スコップでひと掻きすると何個も出てきて美味く掘れないほど。干潟で最も簡単にとれる貝であることは間違いないでしょう。


解説が必要なのは採り方よりも下処理方法でしょう。と言ってもこれもネット上に無限にやり方が転がっています。このページなんか特に参考になるでしょう。
年に一度はシオフキ祭
簡単に解説すると「持ち帰ってきた貝を洗い、酒蒸しにしてから剥き身にして(煮汁は濾して保存)、よく水洗いしてから煮汁と一緒に調理する」という感じです。
「塩水に生かして砂抜きをしないのか」という意見については「多少変わるかもだけど、そんなに意味はない」とお答えします。多少砂吐かせたところで外套膜の隙間に無限に詰まってるから……
それよりは、砂抜きで死んでしまうリスクを排除するためにもさっさと調理するほうが良いと思います。


まずはシオフキガイを酒蒸しにして、殻が開いたらすぐに火を止めます。

剥き身にします。ご覧の通り、全体が砂まみれでこのままではとても食べたくなりません。
そこでこの剥き身をざるに入れ、水をためたボウルの中でよく洗います。

インターネッツでは「剥き身を水洗いするときに、浸した水の中で右回りに回すと砂が良く抜ける」「いや左だ」など様々な意見があるようですが、個人的には左右の別はあまりないと思っています。コリオリの力を用いて解説されている方もいますがどうなんでしょうね。
ぼくみたいな「貝食べたらジャリっとするの絶対許せないマン」にとっては、右だろうが左だろうがどっちも不十分というのが本音。なのでひと手間増えて面倒ですが、水洗いする前に

剥き身を外套膜・水管と足・胴に分けてしまいます。引っ張れば簡単に分かれるので難易度は大したことありません。これをやってから洗うと砂の落ちがより良くなります。

これをそれぞれよく洗います。火を通しすぎていなければ多少しっかり洗ったところで味や風味が抜けきってしまうことはないです。むしろ、浅いところに棲むせいかシオフキガイには多少匂いの気になる個体もいるのですが、水洗いすることで気にならなくなります。

ここまでやってようやく下処理終了。いっぱい採れるけど、採ったあとはなかなか大変な貝ですね。
でも味が良いから無問題。

シオフキガイを美味しく食べた

シオフキガイ、味自体はノーマルで食べやすい普通の二枚貝といったところです。なので調理法はあまりトリッキーなことをする必要はないと思います。

深川めしとか超美味い


個人的に最近気に入ってるのは、香りの強い山菜と一緒にパスタにすること。
ノビルや、最近激推ししてるハナウドなんかすごく相性いいですね。

作り方は簡単。

まずは刻んだノビルをオリーブオイルでじぶじぶ炒めて香りをだし、

下茹でして刻んだハナウドとシオフキガイを炒めて、煮汁を入れて少し煮詰めます。

これを茹でたパスタと和えるだけ。

シオフキガイの強い風味と旨味が、ノビルやハナウドの香りと高い次元でぶつかってアウフヘーベンしています。
この組み合わせでかき揚げなんかも良さそう。ミツバとアサリのやつの上位互換を目指したいですね。

味:★★★★☆
入手難易度:★★☆☆☆ あなたの近くの海にGo

コブダイ釣りの餌にも活用

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魚介その2(魚以外)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. ウナウナ より:

    シオフキ美味しいですよね❗
    1日エアレーションかけて砂抜きすると砂抜けて、酒蒸しでも行けますよ❗

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