秋の花粉症と喘息を引き起こす人類の敵・オオブタクサを美味しく食べることはできるか

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日本人の国民症とも言われて久しい花粉症、実はその原因植物はスギ・ヒノキだけではないということは皆さんご存知でしょうか。

かつて花粉症が問題になるのは春の時期だけでしたが、今は初夏や初秋にも花粉症で苦しむひとが大変多くなっています。皆さんの中にもそれぞれの時期になると鼻水が出て困るという人がいるんじゃないでしょうか。季節の変わり目で体調を崩した、と思っている方が多いようですが、残念ながらそれは花粉症です。

初夏の時期はカモガヤやオオアワガエリといったイネ科植物の花粉が、初秋にはヨモギやブタクサといったキク科植物の花粉が飛散しています。ものによってはスギ花粉よりも高い飛散力を誇るうえ、これらの原因植物はいわゆる雑草で街中にもごく当たり前に生えるのでヒトに影響を及ぼしやすいわけです。あなこわやこわや


で、その「秋の花粉症」の原因植物の一つ「オオブタクサ」が今回のテーマです。

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にっくきオオブタクサ


オオブタクサは北アメリカ原産の外来植物で、河川敷のような湿り気と日差しが適度にある場所を好みます。

うちの近所の多摩川にはかつてあんまりなかったですが、一昨々年の台風で肥沃な土砂が大量に流されてきてからはよくみかけるようになりました。環境が合うと3mほどの高さまで生育するのでよく目立ちます。
キク科の植物ですが、葉がまるでクワのような手のひら型でまた大きくなるので「クワモドキ」という異名も持ちます。



このオオブタクサ、世界各国で花粉症の原因として恐れられており、カナダでは国の施策で化学薬品による駆除が行われているほか、韓国では小児喘息を引き起こすものとされ移植や栽培が禁止されている(日本における特定外来生物の扱い)そうです。日本では特外にはなっていませんが、人体への被害があること、また根から毒を出して周囲の植物を枯らす「アレロパシー」という作用を持つことから「重点対策外来種」のリストに入っており、駆除が続けられています。


これが近所に増えて以降、秋にも体調を崩すことが増えているような気がしていて、おそらく花粉症になっちゃっているんじゃないかと思うわけです。この恨み晴らさでおくべきか。というか花粉飛ばす前に刈って食っちまえば被害低減できるんじゃないか。そんな事を考えつつ、食ってみることにしたわけです。

オオブタクサを食べてみた


刈ってきたオオブタクサ。うちから5分のところでいくらでもハント可能です。
腹立たしいですが、これが美味しければしめたものでもあります

全体的に成長して固くなっているので、先端の柔らかい葉と茎の部分を使います。

茎のかたい外皮を剥いて

まずはカリッと、天ぷらに。
野草の味を確かめるときは、まずはどんな野草でも無難に食えるようにしてくれる「天ぷら」で味の要素やアクの強弱を確認してから、よりシンプルな料理へと移っていくのが野食ハンターの常套手段です。

いただきまーす
……(`・~・´)なるほどねー
食えるか食えないかでいうと十分食えます。というか、悪くない。
若い葉は肉厚で衣に負けず、噛むと食べごたえとふかし芋のようなホクホク感があり、抜けに少しだけ春菊のようなキクの風味が残ります。
単体で食べるとやや単調にも思えますが、春菊天みたいにそばに乗せたらかなりいいんじゃないかな。
茎の方も食感や香りは春菊に似たところがありますが、春菊よりも太いので噛みごたえがすごく、コリコリしたような質感が美味しいです。旨味もあるし。ただ香りはもうちょいほしいところかな。


ほかの調理法で輝きそうなのは茎の方だなと思ったので、こちらを

さっと茹でて

白だしに漬け込んで冷まし、浅漬風味にしてみました。

いただきま~す

……うん、これはなかなかいいんじゃないですか!!
揚げることで飛んでしまった香りも、この食べ方ならちゃんと残ってて、出汁の風味ともすごく合っているように思います。
ただ、高温で加熱していないぶんちょっと噛み切りづらい(しわい)質感になったかな。もう少し早い時期に、地上に出たての若い芽を使ったらもっと美味しいかもわからん。

味:★★★☆☆ 
入手難易度:★☆☆☆☆



よし、美味しいことはわかったから、どんどん食べて駆除だ!
といっても今や多摩川だけで川崎市民全員分くらいの量のオオブタクサが生えてるから、焼け石に水なんだけど……

ただオオブタクサ、虫食いの葉がとても多くて、在来の昆虫に天敵がいそうな気もするので、頑張ってもらいたいですね。



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