「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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先日、安さに釣られて購入したラム肉(焼き肉用)がえらい獣臭かった。
これ、ラムじゃなくてマトンなんじゃないでしょうかねぇというくらいのにほひ。
何度も言ってますがワイ獣臭ダメなんですよ。
イルカとかクジラとか結構苦手だし(野食会で出たやつはすべて美味かったけど)前にヤギ汁にトライした時はその強烈な獣臭を、ボタンボウフウのセリ香でタコ殴りにした。
今回はマトンなので、雄山よろしく腐乳で獣臭を殺そうかなとも思ったが、ふと「ニリンソウ入れたら美味いんじゃないの?」と思ったので、やってみることにした。
プクサキナを採って干してマトンスープに入れよう
ニリンソウは里山でごく普通に見られる野草なのだが、山菜としては関東ではさほどメジャーではない。
同じ仲間に最悪の毒草であるトリカブトがあり、さらに見た目もそこそこ似ている(キノコでいえばクリタケとニガクリタケぐらい)こともあって、図鑑でもしっかりと注意が喚起されているからだろう。
仮に利用されてもおひたしとか辛し和え程度だ。
しかしこのニリンソウ、アイヌの人々にとっては非常に重要な山菜なのだそうだ。
詳しいことは漫画「ゴールデンカムイ」をお読みいただけば早いので省くが、プクサキナ(ニリンソウのアイヌ語)は「肉の味を何倍にもし、自身も美味しくなる」のだという。
彼らは春先のニリンソウの若芽を大量に採取して干し、各種の肉料理を作るときに入れるのだという。
作中では熊肉、鹿肉、アザラシ肉(実際には入れなかったけど)など様々なジビエ肉料理に用いられていた。
ジビエ肉と合わせて美味しいのであれば、マトン臭いラムなぞ屁でもないはず。
やってみようじゃないか。
というわけでまずはニリンソウの確保に向かう。
狙い目は郊外の丘陵地帯で、ニュータウンの裏山みたいなところ。
川筋や谷底などの湿気の多いところを見ていくと
ビンゴ!
誤ってトリカブトを採らないよう、白い花をつけている株を確認して、根元から若葉を抜き取っていく。
トリカブトとの見分けポイントはいくつかあるがあいまいなものも多く、花がついている株だけを確保するようにするのが最も安全で早い。
採ってきたニリンソウは日干しにして
カラカラになったらOK。
湯を沸かして
ラム肉を入れて煮込みアクをとる。
肉に火が通ったら干したニリンソウを入れて、味付けは塩のみ。
完成!
いただきマース
……(≧~≦*)
美味い!
ニリンソウは干すことでお茶の葉のような香りが現れて、これが肉の臭みを上手く上書きしてくれるようだ。
この香りはスープにも溶け出すので、まるで上質なお茶で作ったお茶漬けのような素晴らしい味わいになっている。
オソマ入れようかとも思ったけど入れないで十分美味いぞ杉元。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
ニリンソウは入れれば入れるほど美味しくなるけど、あまり強い植物ではないので大量に採取ができないのが難しいところ。
初夏になるとすぐに姿を消してしまうしね。
群生地を見つけたら大事にしましょう。
コメント
そうだったのか干さないで生で使っていたから
描かれている程の良さがわからなかったのか
今度は干してから使ってみます
いっそのこと干したプクサも入れたオハウにすればより獣臭も抑えられてヒンナではないでしょうか。
オソマとも合うでしょうし。
…手に入れるための難易度が跳ね上がるような気もしますけど。
ラムも臭い時あるんですね(゚Д゚)へー
自分マトン食べても「臭いと言うけど臭さが分からない」残念嗅覚なのか獣臭オンチなのかわからないのですが、
ともあれ、説明書読まないでとりあえずゲーム始める僕はトリカブトに殺られる気がします。
いつも楽しみに拝見させていただいております。
気になっていたゴールデンカムイのプクサキナが本当においしくなると知れて、とても嬉しいです。もうすぐ最新巻も発売されますね。
茸本さんがいつも楽しそうに熱心に料理や食材に心を傾けていらっしゃるの姿勢がとても好きです。
いつか野食会も参加してみたいです。