メリケンのすなる蝉寿司といふものを日本人もしてみんとてすなり(日本風に)

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先月より、アメリカでセミの大量羽化が起こっている件についてご存知でしょうか。

「17年かかって地上に現れるセミ」米の東海岸や中西部で大発生

日本にいるセミの多くは毎年発生するのですが、海外ではこの17年ゼミのように「たまにしか発生しないけど超大量に出る」種類のセミがいくつかいます。このようなセミは「周期ゼミ」と呼ばれており、他にも13年ゼミなどが確認されています。
17年や13年など中途半端な数字になっているのはそれが「素数」であるからで、素数同士だとそれらのセミが互いに同年に発生する可能性が下がる(単純計算で221年に一度しか同時に羽化しない)ためにエサや産卵場所の取り合いが起こりにくくなると考えられています。
しかし17年も地中で過ごすのは一体どんな気分なのか……いやまあじっとしながら木の根の汁吸ってりゃいいから究極の引きこもりライフか……

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セミで巻き寿司?

さてそれはそれとして、なんでも二言目にはSDGsSDGsとうるさいアメリカ。持続可能な食材として昆虫食に注目が集まる中発生してしまった17年ゼミたちは……当然ながら人間たちの捕食対象となっています。17年ぶりに地上に出たら天敵が増えていたセミさんの気持ちについて考察したいですね。
その食べ方も色々考えられていて、燻製やタコスの具、フリッター、更には巻き寿司なんてものも。

17年周期ゼミで巻きずしはいかが? 持続可能な食を提案 米シェフ

いやまあ確かに、セミ自体は虫の中ではかなり美味な方だと思いますよ。でも食材として使いやすい幼虫ではなく羽化したあとの成虫を、しかも巻き寿司っていうのはどういうこっちゃ。
日本人として捨て置けないニュースだと思ったので、ちょっと作ってみることにしました。

セミ巻き寿司作ってみた

なんですが、レシピを調べてみると「揚げたセミをマヨネーズソース・レタスと一緒に巻いたもの」みたいな感じで、いわゆるアメリカンスタイル・スシロールでした。要はエビフライ巻きのエビフライをセミフライに替えたみたいな。
まあそれはそれでうまそうだけど、せっかくなのでそんなアメリカンスタイルではなく、セミそのものの素材を生かしたジャパニーズスタイルの巻き寿司にしてみることにしました。


使うセミは昨年とりあつめたミンミンゼミの成虫。さっと茹でてから冷凍しているので、油が酸化せず美味しさが保たれています。

これの翅と脚、頭部の硬い殻を丁寧に取り去り、

ごま油で素揚げしてから、醤油と味醂、日本酒で佃煮風に煮ていきます。

酢飯を作り


1/2サイズの海苔でくるくると巻いていきます。


できた! ミンミンゼミの巻き寿司!
いただきま~す

……(・~・)なるほど……
目論見は間違ってないと思う。セミは要は川エビみたいな「殻ごと食べないといけない甲殻類」みたいなもの。こういうのを寿司にするとしたらどうするか、と考えたら、素揚げしてから佃煮にして押し寿司or巻き寿司にするべきだなと思ったんですよね。
ただやっぱり、寿司ネタにするにはちょっと殻が硬いな。柔らかくするためにカリッカリに揚げちゃうという手もあったけど、そうするとセミなんだか剥いたエビの殻なんだかもわからなくなりそうだし……。

味自体は悪くないです。セミ独特の蒸したじゃがいものような香りは穏やかになっていて、もともとツナみたいな食感の筋肉に醤油と味醂の味が入ってなんだか「おかか」みたいな味になっています。当然、酢飯とはとても良く合いますな。
殻さえなんとかできればかなり美味しいと思うんだけど……やっぱりこれはかりかりに揚げてオーロラソースが正解か……?

味:★★★☆☆ 
入手難易度:★☆☆☆☆
アブラゼミでリベンジしたい


幼虫はセミチリとかセミマヨとか、エビのレシピを流用するとめちゃ美味しいんですけどね。

セミチリ


セミマヨ

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