6月のフルーツといえばなにか。
いろいろ好みはあると思いますが、個人的にはサクランボではないかと思います。
梅雨時期のひとときだけ八百屋の店頭を賑わせる赤い宝石。
果物の栽培技術が発達しても、サクランボだけはやはりこの時期だけのものという気がします。
そんなサクランボを使って作る、この時期だけのデザートがあります。
フランス・リムーザン地方の郷土菓子、クラフティです。
Dashu83 – jp.freepik.com によって作成された background 写真
これは簡単に言うと、薄力粉をいれて強くしたプリンの生地に、ヘタをとったサクランボを入れて焼いたもの。
トライポフォビア絶対○すマンみたいな見た目をしてはいますが、加熱によりいっそう強くなったサクランボの甘味がシンプルな生地とよく合い、とても美味しいです。
大学のフランス語の授業でレシピを習って以来、毎年この時期になるとサクランボを買ってきて作るのですが、今年はちょっと別のフルーツで作ってみようと思い立ちました。
初夏の野食フルーツ・クワでクラフティを作ってみた
この時期、川沿いの道を歩いていると、あちらこちらで紫色の実をつけた木を見かけると思います。
これはクワ(桑)の木。
大木になり、独特の「桑状果」というタイプの果実をたくさんつけます。
子どもの頃、学校の行き帰りにこれを摘まんでおやつがわりにし、口のなかを紫色にしたり服に汁をつけてしまったり(洗濯しても落ちない)して怒られたという人はきっと少なくないと思います。
こういうことを書くと「いや、自分、都会育ちなんでそんないやしいことはしてないっす」とかシティーボーイを気取りたがるカッペが出てきたりしますが、実は街中でもごく普通に桑の木は生えています。
前述の河川敷の他、臨海公園やちょっとした公園などでも見られます。
パイオニアツリーとしても知られ、荒れ地なんかでも見られます。蚕の餌の確保はさぞやり易かったでしょう。
果実は5~6月にかけて初め赤、その後濃い紫色に熟します。この色を俗に「どどめ色」というのですが、この表現が用いられるのは今では特定の場合に集中するようです……?
赤いうちは酸味が強く、紫色になると酸味が取れて甘味が強くなります。
食べるときは一粒ずつではなく、赤と紫を適当に取り混ぜて口いっぱいに頬張ると味のバランスがとれてより美味しく感じられます。
木によって果実のサイズや味に大きくばらつきがあり、大きいばかりで味がしないようなハズレのものもたくさん見かけます。
美味しい木の場所を覚えておくと毎年楽しめるでしょう。
どんなところにも生えているため、様々な野食ハントの際に出会うことができ、その度においしくいただいているのですが、今回はサイズ・味ともに素晴らしい木に出会ったので、
クラフティに用いることにしたのです。
実はサクランボ以外で作ったものは厳密には「フロニャルド」と呼び、クラフティとは呼ばないとされますが、ここは日本なので大目に見ていただいて。。
作り方は非常に簡単。
生地は卵、砂糖、牛乳、生クリームを混ぜ、薄力粉を混ぜこみます。
コツはほとんどないのですが、強いて言えばよく粉をふるうこと。
クラフティにおいてダマは大敵、ひとつでも残ると、食べるときに泣きたくなります。
生地を流し込むときも、ザルで濾すのが無難。。
クワはさっと洗い、ヘタをとります。
耐熱皿に生地を流し込み、クワを浮かべてオーブンで焼けば
完成!
トライポフォビア要素が複素数的になってよりパワーアップしていますが、美味しそうです。
切り出して、いただきましょう。。
……(≧~≦)ウマー
クワの爽やかな甘味と軽い酸味が、生地とよく調和します。
サクランボで作るときより砂糖を控えめにしたのがちょうど良かった。
温かいうちも美味しいですが、冷やすと酸味がキリッと立ってよりバランスのいい味わいに。
小さな種がプチプチとつぶれる食感がとても心地よいです。
もっと山ほど採っていれたら良かったな。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
茸本さんはケムシをバーニングしたりもするけど野のフルーツでお菓子も焼けるよ! というアピールのための記事でした。
すべてはパティにゃんのおかげ……!
コメント
お菓子も自在にアレンジされるお姿にはかりしれぬ敬意を。
桑の実って、軸が実の中まで入り込んでて、生で食べた時に気になったんですが、お菓子に加工した時には、食感やら青臭さとか、気にならない感じになるのでしょうか。
確かに生食のときは軸気になりますよね。加熱するとほとんど気にならなくなるんですよ。。
見た目が点凄い虫っぽい…
毎日更新されるのを楽しみにしてます笑
夜食会に参加してみたいものの遠方のため中々難しい…是非関西でもやってください!うちの近所でクサイチゴがたくさん取れるのですがクサイチゴでも作れますかね??
クサイチゴでも作れますよ! クラフティの生地は水分で薄まると固まりにくくなるので、果汁が出てしまわないよう丁寧に扱うのがコツです。
最初サムネ見て、マイマイガを生地に練り込んだケーキを焼かれたのかとビビりました。
クラフティって美味しそう
庭のイクリやジューンベリーが熟したらウチでもやってみようかな…
サムネ画像が下の記事によって印象操作されてますねこれは…。
生で食べるかジャムにするかくらいの印象だったんですが、冷やしても美味しいクラフティとの相性はかなり良さそうですね。面白い記事をありがとうございます。
この日曜に早速作って利根川野草会で出しました。簡単で応用が効いて美味しい、とってもいいですね!
桑のポイントを確保したので、来シーズン以降色々とチャレンジしていこうと思います。