生のタケノコ刺身を家で美味しく食べたい

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2020.5.8最新動画→#4 ウツボで鶏のタタキ!?~野草調理&実食編~





今回、タケノコを掘るにあたりどうしてもやってみたい調理がありました。それは、タケノコの刺身
タケノコ業界では「茹でて下処理したものに最低限の調味料をつけて食べる」ものも刺身と呼ばれるわけですが、そうではない完全な「生の刺身」です。

某料理漫画で取り上げられたことで知名度だけは全国区になった「タケノコの刺身」。タケノコを掘ったことがある人ならだれもが挑戦したことがあると思いますが、しかしそれを「美味しい」と思った人はほぼ0なんじゃないかと思います。
ぼくも過去に何度か試したことがあるのですが、何度やってもともかくひたすらエグい。無理やり飲み込もうものならその後もれなく胃痛に襲われるほどで、間違いなく体に激悪なメニューであることが想像されます。

それでも、調べればやはり「タケノコの刺身」を愛している人がいて、当たり前のように食べているという文献が存在しています。どこかに必ず、えぐくないタケノコの刺身を作るための攻略法があるはずなのです。
今回、それを探して悪戦苦闘してみました。

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タケノコの刺身、家でも食べられそう

まず基本的な知識ですが、これを読んでください。

簡単かつ効果的な下処理の方法などが記載されており「これまでのタケノコの下処理の常識って何だったんだろう」と思えること請け合いです。


まあでもそんなことばかり言ってるとこの先の話ができないので、必要な知識についてかいつまんで話すと

・タケノコの旨味成分チロシンは、温度が上がると酵素によってエグみ成分「ホモゲンチジン酸」に変わってしまう。採ってすぐに7℃以下に冷やして持ち帰ると酵素の働きを抑えることができる
・シュウ酸も主要なエグみ成分の一つ
・ちゃんと処理してもエグいタケノコはあり、運の要素が強い
・デカくて先端の葉が黄色いもののほうがエグみは少ない

といった感じです。
エグみ成分は適切に茹でることでおおむね除去することができるわけですが、刺身という調理法ではそれはかないません。したがって大事なのは「エグみ成分を発生させない」こと。そのための努力を積み重ねていきます。


まずは素材。
タケノコは朝の日が出る前、直前の夜中に発生したばかりの、先端の毛が栃木のヤンキーのモヒカンみたいに黄色いものだけを選び、掘り出します。

これぐらいデカいとよさそうな感じ。できるだけ根元のぶつぶつしたところから折り採れるように、頑張って深く掘りました。

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そしてそれをすぐに、氷を敷き詰めたクーラーボックスに仕舞います。なにせ折った瞬間からエグみ成分の生成がスタートしてしまうというのだからスピード感が大事。
保険をかけ、よさそうなものを複数本採り、すべてしっかり冷やします。


念のため採り立て状態のものの刺身を食べておこうと思い、小さなものを一つその場で捌いて食べてみたのですが


……(×👅×)ゲェー
激烈にエグいです。これはもう生えていた時からエグいとしか思えない。小さく、それでいて先端も黄色くないものだったので、条件に照らし合わせるとエグみがないわけがないのですが、それでもこの先の展開に不安を覚えます。


しかしやると決めたのだからやりましょう。そのために高級鮮魚もかくやという氷漬けにして持ち帰ってきたのだから。

ということで迅速に皮を剥き、根元のいぼいぼをそぎ落とし、付け根に近い一番身の厚い部分を迅速にスライス。
そしてここに粗塩をぱらりと振り、軽く揉みこんですぐに水にさらします。5分ほど。
これはエグみ成分の「シュウ酸」を取り除くための手順。粗塩に含まれるマグネシウムがシュウ酸と反応し、不溶性のシュウ酸マグネシウムとなって取り除かれます。高知県の人がイタドリの下処理の際に使う手法をまねてみました。


できた。色白で見た目にはエグくなさそうですが、どうでしょうか。
おそるおそるいただいてみます……

……(`・∀・´)オッ、おおおお! これは、甘い!!
サトウキビにもよく似た清涼感のある甘さを感じます。わずかに旨味も感じますね。
歯ごたえはパリパリとサクサクの中間で、非常に心地よいです。軽く醤油をつけて食べると非常に良いです。

これで、後味にエグみが襲ってこなければ成功なのですが……

……(;´Д`)あっ来た
3切れ目を食べたくらいのところで口にじんときました。まあでも予想の10分の1くらいのエグみです。人によっては気にせず食べられるレベルでしょう。
とはいえシュウ酸だと思うのでバクバク食べるのはよくないはず。一度に4~5切れ程度に収めておいた方が無難かと思います。大丈夫、バラムツよりはたくさん食べられる。

味:★★★☆☆
価格:★★★★☆


「掘り出してから3時間以内でないと生の刺身は食べられない」「現地でしか食べられない」といわれているタケノコ刺身ですがいずれも「そんなことはないよ」という答えになりました。掘ってすぐ食べようがエグいやつはエグいし、良質のものをしっかり温度管理して持ち帰れば家でも食べられる。

温度管理の差が茹で上がりの色合いにもでる(これはかなり極端だけど)

ただ、やっぱり「市販品のタケノコ」を生の刺身にするのは無理だと思いますね。どれほどしっかりした流通業者であっても、高級鮮魚レベルの流通技術をタケノコに施しているところはまずないでしょうし。



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コメント

  1. みやこのんきのこ より:

    緑竹であれば、掘り起こしたその場で
    イノシシさんよろしく生でバリバリ食べられるかと思います。

  2. ミッチー より:

    ハチクのタケノコはアクがないってよく言いますよね、今回はモウソウチク?
    育った環境でも味変わってきそうですが、機会があれば色んな種類を食べ比べしてレポしてください。
    個人的には大名筍が気になります。
    トカラ列島で大物釣りからのタケノコ三昧は夢のコンボです、いつか是非。

  3. 岩本 猛 より:

    こんにちわ。刺身にするなら、土から顔を出す前の皮が黄色くて固く、芽(葉っぱ?)が出ていない内が良いです。皮が黒ずんでくるとえぐみが強くなるみたいです。まあ、えぐみの感じ方は個人差があるみたいなので、私が鈍いだけなのかもしれませんが(笑)。

  4. FJ より:

    栃木の黄色いモヒカン…
    トッキーのことか…

  5. dsp より:

    たまに楽しく拝読しております。

    むかし別のブログでこんなのを読んだな、と思い探してみました。
    自分ではやったことがありませんが、高さ2mを超えた筍は生でそのまま食える、という話で。
    https://ameblo.jp/muu8/entry-11249241075.html

    試してみようと思いつつ、市販品で手を打ってしまうわけですが。

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