ジュズダマの「麦」としての可能性を追求する①:そもそも小麦粉の代用になるのか

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ロシアのウクライナ侵攻が、我が国の食料市場に影響を及ぼしつつありますね。
イクラやウニ、カニ、スルメイカ、銀鮭といった魚介類が今後手に入りにくくなると推測されていますが、それよりも心配なのが小麦。日本の小麦自給率は13%に過ぎず、小麦生産大国であるロシアとウクライナからの輸入に大きく頼っています。
そもそも我が国はコムギという植物にとって高温多湿すぎるため、自給率を上げるのが難しい食材です。今後温暖化の進行具合によっては国内での栽培がどんどん難しくなっていくかもしれません。

岡山で生まれ福岡で育ったぼくは、お好み焼きやラーメンと言った小麦食品が大好きです。なくなってしまうなんて考えたくないのですが、現状を考えるとその不安もないとは言い切れないので、身近な野食材でコムギの代用にできるものをいつでも探しています。
そんな中、目についたのが今回のテーマである

ジュズダマでした。

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ジュズダマ粉は小麦粉の代わりになる?

ジュズダマは古い時代に日本に移入された史前帰化植物で、全国の河川敷や湖畔で当たり前に見られる植物です。

秋になる実は硬くしっかりとした粒で、お手玉に入れたりおもちゃの数珠を作ったりするのに使われます。
ですが実はジュズダマはお茶の原料として親しまれるハトムギの原種とされており、殻(米で言う籾に相当する部分)の硬さ以外は非常に似通っています。そもそもジュズダマ自体食用に移入された可能性があり、今でこそ雑草にすぎないのですが、かつては由緒正しい食材だった可能性もあります。
実際、ジュズダマを炒って煮出したお茶を愛飲する人もいるといいます。食材として試すには十分でしょう。


というわけで採取してきたジュズダマ。

これだけ集めるのに1時間程かかりました。実はいくらでもなってるんだけど、巻いた葉が鞘状になっている隙間に収められているので意外と見つけにくいです。そのうえ触るとすぐに地面に落ちるから扱いにくい……
最終的に、地面に敷いたシートに、刈り取ったジュズダマの束を叩きつけて実を落とし、かき集めるという方法でなんとか集めました。

続いて殻を割り、中身の可食部(胚乳)を取り出します、が……
ジュズダマを扱ったことがある人ならわかると思いますが、殻が本当に硬いです。指で割ることはできず、ペンチを使ってひとつずつ殻を割り、中身を取り出していきます。力入れすぎると殻ごと粉砕してしまうので加減が難しいです。。

2時間かけてこれだけ剥けました。大さじ2杯弱くらいでしょうか。

正直しんどい……
かつて食材として移入されながらも食文化が発達しなかった理由、間違いなくこの殻のせいですよね。しょうがないので今回は反則気味ですが

ハトムギ粉でかさ増しすることにしました。


粉に挽いたジュズダマにハトムギ粉を足し、

ダシ、卵、刻みキャベツを加え

フライパンで焼きます。

そう、お好み焼きです。小麦粉の代用になるか試すのであればパンとか麺とか作るべきでしょうが、ジュズダマやハトムギはコムギと違いグルテンを含まないのでちと難しいのです。あと今回のジュズダマは淀川河畔で採ってきたので、粉もんにしたいなという思いもありました。

焼けた! 見た目は普通にお好み焼きですね。
ソースマヨでいただきましょう。

…(`・ω・´)うん、お好み焼きだ
若干野性味があるので全粒粉みたいな感じがあり、それがまた良いですね。美味しいです。
グルテンがないのは「粉もん」を作る上ではハンデにならないですね。この点ではジュズダマ(とハトムギ)は小麦粉の代わりになるといって良いでしょう。

味:★★★☆☆ 
入手難易度:★☆☆☆☆
 どこの川にもある


ネックとなるのはやはり、加工の大変さですかね。殻を割って中身を取り出すのが死ぬほどめんどい。
これは殻ごとそのまま加工する、例えば……砕いて煮て絞ってイースト入れて発酵させるとかね!

……とかジョークを言ってたら、なんとブリュワリーさんが「ビール作ってみませんか!!」と声をかけてくださいました!

果たして本当にジュズダマでビールは作れるのか!? 続きを乞うご期待!!

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植物 原種
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野食ハンマープライス

コメント

  1. ぐりぽん より:

    ニッパーで先端挟んで2つに割ったほうが効率は良さそうな気がしますね。ハンマーだと粉砕してしまうけどペンチだと時間がかかりすぎる。

  2. くそコロネ より:

    イサナさんがやるとは・・

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