冷蔵庫で放置ドライエイジングした魚の刺身がくそうまい

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最近巷で話題の熟成魚。

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津本式と呼ばれる血抜き・熟成法がYouTubeで話題になり、熟成魚を使う寿司屋や料理屋も増え、今では美味しい魚の代名詞と認識されつつあります。
豊洲には津本式熟成を施した魚を卸してくれる中卸業者もあるそうで、肉でも魚でも熟成されたものが大好きな関東人にとっては非常に好ましい時代といえるでしょう。


さて、この津本式熟成について簡単に説明すると「内臓と血を完璧に抜いた魚を真空パックし、チルドで熟成させる」といった感じになります。酸素と触れさせないようにして、菌による劣化を防ぐ意味があるのでしょう。
これは実は牛肉の加工では非常にポピュラーな熟成法で「ウェットエイジング」と呼ばれています。

一方、このウェットエイジングに対して「ドライエイジング」という手法があります。これは、湿度をやや低めに保ったチルド室の中に肉を吊るし、空気を循環させながら熟成させるという手法です。
水分が抜ける上に表面は硬くなり、カビなどによる表皮も形成されるために歩留まりがとても悪くなってしまうのですが、しかしこれで熟成された肉はウェットエイジングさせたそれと比べると味がさらに良く、また熟成香も感じられて美味なのだそう。

ドライエイジングとウエットエイジング


このドライエイジング、魚にも応用できないでしょうか。試してみることにしました。

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ドライエイジング魚を刺身にしてみた


使うのは先日、西伊豆にてゲットしたメジナタカベ

この日、我々は完全丸ボウズだったのですが、たまたま堤防に某釣り具メーカーのテスターさんがいらっしゃり、メジナを爆釣した挙句我々にお裾分けしてくれたのです。やっぱりテスターさんってすごいんだな……


これを釣り場で活〆して血抜きを行い

綺麗に内臓を出し、鰓を抜いて腹腔内を流水で丁寧に洗います。

脂がすごい


腹腔内にキッチンペーパーを詰め、全体をキッチンペーパーでぐるりと包んで

そのまま、設定を「強」にした冷蔵庫に入れます。

今回は2週間熟成してみました。その間、連れから「冷蔵庫が魚臭い」「いい加減にしろ」とクレームがありましたが、美味しい魚を食べるために我慢してもらいます。


熟成が完了しました。

黒い魚なのでわかりづらいですが、全体がシュッと締まっており、明らかに体積が減っています。

ひれの付け根などは干物に近いような感じになっていますね。
表皮から若干強めの魚臭さというか、あまり心地よくない匂いがしましたが、水洗いして拭いたらなくなりました。表面に残っていたぬめりが腐敗しかけていたのかな?


タカベはもっとわかりやすい。

3枚におろしてみると

……脂スゲーな!!
身はしっとりとして、締まっているけど弾力はあまりない感じがします。包丁がねっとりと入っていきますね。

サクにとり、平造りと焼き霜造りにします。
身はやはりねっとりしっとりした質感で、丁寧に包丁を入れても筋肉が少しほぐれてしまいます。それくらい熟成が進んでいるということでしょう。


かなり柔らかいと思われたので、1.5㎝程の思い切った幅に切っていきます。
焼き霜造りは皮目を直火で炙るのですが、脂がじゅうじゅうと爆ぜてものすごく香ばしくなりました。皮下脂肪ヤバい。


できた。いただきまーす

……(;〰;*)うますぎるー!!
いやはやこれは素晴らしい、大成功です。
分厚く切った刺身を噛みしめると、口の中でふわりとほぐれていきます。さくさくやぷりぷりという食感は全くなくなり、ただただねっとりしています。そしてそこに筋肉が分解されてできたアミノ酸によるうま味が爆発的に広がり、次いで脂の甘みが舌を覆います。新鮮な刺身であればまず脂が広がり、旨味がついてくるのですが、熟成のおかげでうま味が膨れ上がっておりこのような味わいになっているのでしょう。

焼き霜造りの場合は、これにさらに皮の香ばしさとゼラチンが乗っかるので、もはや筆舌に尽くしがたいといった感じです。絶品としか言いようがない。
皮が臭わないか心配だったのですが全く杞憂でした。これは地球上のあらゆる刺身好きに届けたい。


ただ、タカベのほうは血抜きがちょっと不完全だったようで、鰓よりの身から若干の腐敗臭がしてしまいました。ドライ・ウェットを問わず、魚の熟成の場合はまず何よりも血抜きが大事だということがわかりますね。

味:★★★★★
価格:★★★☆☆


活〆と血抜きさえちゃんとできれば、特殊な道具もいらないし費用もほとんどかからず、それでいて魚が抜群に美味くなるドライエイジング。たぶんウェットエイジングよりも短期間で美味しくなっているんじゃないかなぁ。
冷蔵庫内が魚臭くなってしまうことさえ我慢できれば、誰でも簡単にトライでき、どんな魚も美味しくすることが可能です。
皆様におかれましてもぜひご挑戦ください……といいたいけど、どんな食材でも熟成は腐敗と隣り合わせなので、食べる前に状態をしっかり確認するのを忘れないようにしてください。


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