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焼津野食会で参加者の心を最もとらえた食材「MIF(Most Impressive Food)」はタガメ(タイワンタガメ)だったのではないかとぼくは思っています。
その大きさとインパクトの強さ、そしてイカツイ見た目からは想像のつかない洋ナシのようなフルーティーな風味。
美味しいと思うかはおいといて、虫系食材の中では屈指の高級品だというのも分かるものでした。
日本にいるタガメも同様に香りがよく、食べれば美味しいものだと推測することができます。
しかし、よく知られているように国産タガメは今や絶滅危惧種、食用にするのは控えるべきでしょう。
なにかで代替できないものだろうか、そう思いながら過ごしていたある日のこと。
フルーティーフレーバ・ヘリカメムシ
奥多摩をドライブしていると、突然フロントガラスに昆虫がペタッと取りつきました。
ちょっと細長いですが、カメムシのようです。
すぐに風に飛ばされると思ったのですが、なかなか根性を見せています。
結局、トイレ休憩のときまでくっ付いたままでした。
このままだと奥多摩から脱出してしまうので、そうなる前にここで離してやろうと思い、つまんでぽいっと放り投げました。
しかしその瞬間、周囲の空気が突然トロピカルに!
とっさにカメムシをつまんだ指を嗅ぐと、洋ナシのようなフルーティーな匂いがプンプンしています。
慌てて放り投げたカメムシを探しだし、もう一度つまむと、やはり同様の香りが。
こやつ、タガメと同じタイプの匂いの持ち主……!?
調べてみると、これはヘリカメムシ類の一種マツヘリカメムシのようです。
ちょっと暗めで分かりづらいですが、最大の特徴である頭部の赤い縦条が確認できます。
日本原色カメムシ図鑑第3巻(2012.11 全国農村教育協会)によると
“近年国内に侵入したヘリカメムシで、原産地の北米ではマツの害虫として知られ(中略)我が国では東京都で最初に発見され、以来、関東地方の生息域は拡大している”
とあります。
よかった逃がしてこなくて……
実はヘリカメムシの仲間には、タガメ同様の青りんご~洋ナシ様の香りを放つものがいくつかいます。
蟲ソムリエへの道 味見;キバラヘリカメムシ
カメムシの味~美味しい種類はどれなのか?
なのでマツヘリカメムシもいい香りがすることについて驚きはありません。
香りのよいカメムシとなれば、これは食材としての可能性があることが当然考えられます。
まして外来害虫ということであれば罪悪感もなし。
美味しければいいのですが……やっていきましょう。
マツヘリカメムシを味見してみた
持ち帰ってきたマツヘリカメムシ。
まずは連れに匂わせて感想を聞いてみよう。
……(・∞・)スンスン……「なんか……ガムっぽいね。ロ○テの梅ガム」
それだ!!
タガメもそうでしたが、果物というよりも抽出した香料のような、どストレートで強烈な甘ったるい香りがします。
このマツヘリカメムシの匂いは、甘ったるさに酸味っぽさも加わるので、まさにロッ○の梅ガムです。
味はどうでしょうか。
今回は1匹しかないので、できるだけシンプルに食べるべく、少量の水でさっと塩茹でに。
いただきマース
……(`・〰・´)
……オッフレーバーきた! でも生の時よりは少し弱まって、過熟した洋ナシ程度の香りに。
味は非常に温和、というかあまりありませんが、少なくとも辛味や苦みのようなウィークポイントは存在しないようです。
わずかに川エビっぽいタンパク質の風味を感じます。
総合すると、食材としての利用価値は十分にアリ。
うさぎシェフちゃんのタガメクッキーみたいにお菓子の生地に練り込むか、蟲喰ロトワさんみたいにお酒に浸けるか、いずれにしてもフレーバーとして利用するのがよいでしょう。
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
ただでさえ弱っている奥多摩のマツの新たな脅威とならないよう、今後も見つけ次第キャッチ&イートを徹底していきたいと思います。
たくさん集めたらシェフちゃんに相談してお菓子にしてもらおうかな。。。
コメント
プディング、ムース、ジュレ、ギモーヴ、焼き菓子、生菓子、なにがいいかねー。
ま、食材の味と香りを確認してから決定でいいかなー✌
カメムシが大嫌いで、読んでいるだけで寒気が、鳥肌立ちまくりで思わずコメント。ネタに付きない話題と趣味をお持ちで、素晴らしいですね。
キャッチアンドイートで鼻水出ました(笑)
生態、姿、特に匂いから害以外の何者でもないと考えていましたが、フレーバーとしての利用価値を見出すとは、あっぱれです。