田んぼを漏水させる稲作の敵・タウナギをとっ捕まえて美味しく食べてみた

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動画はこちらから↓↓

先日、大阪でのテレビ出演という仕事を無事完遂したぼくは、その足でレンタカーを借り、夜道を一人奈良へと向かいました。

奈良盆地のやや北より、溜池と水田が広がる場所に車を止め、タモ網を片手にヘッドライトで水路を照らして歩きまわります。


しばらくすると、光輪の中に突然、オレンジ色のうねうねした影が浮かび上がりました。

タモ網を添え、逆方向からツンと触ると、少し暴れたその影は一直線にタモ網に入り込みました。

タウナギ、ゲットだぜ!!

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水田の大敵外来生物・タウナギ

タウナギは100年ほど前に東南アジアから移入されたとされる外来魚で、今は奈良県を中心に西日本に分布が見られます。

タウナギ目タウナギ科という独立したグループに属しており、名前は「田んぼのウナギ」という意味ですが、見た目も性質もウナギとは大きく異なっています。最大の特徴が「空気呼吸ができる」という点で、この力で田んぼに水がない時期でも、泥の中に潜って生き延びることができます。

目が退化している


ヒレがなく、全体的にぬるっとしたヘビみたいなシルエットで、穴の中に潜るのが得意な魚。そのため田んぼに穴を開けてしまい、漏水が起こる原因となるため農家には嫌われています。また奈良盆地で盛んな金魚の養殖においては、養殖池の中にこのタウナギが入り込んで金魚を食べてしまうためにやっぱり嫌われています。

なんですがこの魚、原産地である東南アジア各地では食材としてかなり珍重されています。アメ横のアジアンマーケットでもだいたい入荷していて、それなりの価格で販売されているようです。
となれば自分でとっ捕まえて食ってみたいとなるのは自然な流れ。大阪での仕事が入ったのをこれ幸いと、タモ網を荷物に忍ばせて来たわけです。

タウナギを捕まえてみた


タウナギは夜行性で、夜に用水路を探すと結構簡単に見つかる、という情報をネットで確認。
土地勘などまったくないまま、Googleマップで探したそれっぽい水田地帯に向かい、闇雲に探し始めてみましたが、上記のとおりな感じで30分弱で簡単に見つけることができました。
こりゃあいっぱい採れるぜぇと期待に胸を膨らませながら探してみましたが……その後2時間ほど散策したものの後が続かず。。
どうやらこのあたりはまだ水田に水を張っているところだったようで、用水路の水流がとても急です。なので、泳ぎが下手なタウナギがまだ田んぼから出てこれていないんじゃないでしょうか。

今回タウナギを見つけた用水路は、動画を見ていただければ分かる通り、ほぼ水流のない場所。田んぼの水張りが落ち着き、用水路の流れが落ち着いた頃に行けばもっと無双できたかもしれない。まあそれはまた今度でいいでしょう。

この1匹だけのタウナギを抱え、川崎へと戻って参ったわけです。

タウナギ、調理してみた


タウナギの生命力は非常に強く、水道水をバシャバシャとかけてあげるだけでも平気で生きていました。むしろ水をたっぷり入れると窒息死しちゃうタイプかも知れない。
捌く前に冷凍庫に入れ、動きを止めるのはウナギと同様です。

目打ちをして捌くと、予想以上に硬い骨と、カツオのような真っ赤な血に驚かされます。肉も赤黒く、捌かれながらもピクピクと動く様子はまさにヘビ。
動画中でも言及しましたが、この魚が日本で食用にされてこなかったのは、魚じゃなくてヘビだと思われていたからなんじゃないかとふと思いました。実際のところはわからないけど。。

体表のぬめりから強い田んぼ臭がするので、酢をかけてからキッチンペーパーで拭い取ります。

一口サイズに切り、多めの油でざっと炒めて油通し。多分この工程で臭みが抜けるはず。

これをさらにニンニクやにんにくの芽、玉ねぎとともに炒めて、鶏ガラスープと甘酢で味を整えます。

水溶き片栗粉でとろみをつければ、餡の完成!

これを茹でた中華麺に乗せます。伊府麺(皿うどん的な揚げた麺)に乗せるとなおそれっぽい。

完成! タウナギの甘酢あんかけ焼きそば(鱔魚意麺)です! 台湾や香港ではタウナギは薬膳食材として珍重され、このような食べ方をされるそうです。
味はどうかしら。いただきま~す

……(≧~≦)うめぇー!
いやーいいですね! 野菜の力だけでなく、酢の力も合わさって田んぼ臭さは99%消されてます。淡水魚料理で一番役立つ調味料はやっぱり酢ですね、間違いない。
タウナギの力強い歯ごたえは、アナゴやウナギよりも強く、ジャキジャキとして心地よいです。似てるものを強いて挙げるなら……ヌタウナギとかヤツメウナギあたりかな。麺に絡めても美味しいけど、ご飯に乗せても美味しそう!

味:★★★★☆ 
入手難易度:★★★☆☆
 足で稼ぐハント


今回はタモ網で採ったけど、釣りをするのも面白いみたいです。確かに穴の中にいるタウナギを引き抜くの、楽しそう。いつかやってみよう。。

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