「琵琶鱧」ことニゴイさんを刺身と鱧ちりにして食べてみた

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三重でフェモを狩った翌日、我々調査班はゆぞくさんの案内でとある川の河口部に向かいました。


何の変哲もない郊外小河川の、何の変哲もない河口部。
ここで何をしたかというと


フナ釣りYeahhhhhhhhhh!!!

先日のふな味噌ナイトですっかりフナに感化されてしまったぼくは、ゆぞくさんに「河口でフナ釣れるところ知りませんか?」と捜索をお願いしていたのです。というのが、山陰各地で食されているめちゃくちゃ旨いフナは、その多くが汽水湖(淡水と海水が混ざっている湖)で獲れるものだそう。
詳しくはわかっていませんが、汽水域に棲息しているフナは身の味が良いものが多く、かつジストマ(淡水魚を生食すると罹患するこわーい寄生虫)のリスクも純淡水域のものと比べると低いそうです。

ふな先生は「山陰や日本海側のものは種類自体も微妙に違う可能性がある」とおっしゃっていましたが、太平洋側だからと言って汽水は汽水、やっぱり味はいいんでねぇの? という思い込みのもと、向かったわけですね。


果たして40㎝オーバーを頭に7匹釣れ、無事みんなでおいしくいただきましたとさ。めでたしめでたし。

……ウソウソ、ここからが本題。

フナを釣ってるときに、黒くてぬるっとした感じの魚が釣れました。

細長いけどコイとも違うし、口がやたらと下向きについてるし。
これは……ニゴイ


漢字で書くと「似鯉」、コイに似ているという意味ですが、あんまり似てないです。シルエットはむしろカマツカに似てるかもしれない。

星海社ウェブサイト「ジセダイ」にて連載させていただいておりやす「野食のススメ」。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ ...

ニゴイとは久しぶりの邂逅だったので嬉しくなり、ややテンション高めのツイートをしたのですが

それに非常に興味のあるリプをいただきました。


えっうそ、マッジ?
コイ釣り師からは「ニゴイじゃねーか」と嫌われ、フナ釣り師からは「コイのほうがまし」と罵られ、ルアーマンからも「スズキかと思ったのにクソが」と理不尽な扱いをされるあのニゴイが、そんなに輝かしい扱いを……!?
これはもう試してみるしかない。

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ニゴイ、心頭滅却すれば鱧


というわけで早速解体し

切り身に。
これを骨切りするわけですが、せっかくなので少しだけ

刺身で行ってみます。


ひろいぐい太郎さんがくださった、山陰でフナの刺身を食べるときに使われる少し甘い醤油をつけて、いただきまーす

……(`・〰・´)ナルホドナルホド
淡白ですね。フナやコイと比べると身の色が白い分、風味も淡い感じです。フナの弾力ある身と比べると、ニゴイはふわふわして柔らかい。
でも腹身の部分はしっかりと脂がのっていて甘いし、噛み応えもしっかりあります。
これは期待できますね。



ということで改めて骨切りをして


玉ねぎと一緒に昆布だしでさっと「湯にして」(関西の料理用語で、湯豆腐みたいな調理をするときに使う言葉らしい)、


できた。
ポン酢で食べてみましょう。


……(≧〰≦)あーなるほど、これは、ハモっぽさある!
生でもふわっとした身は加熱するとよりふわふわ感が増して、口の中でほろりとほぐれるようになります。しかしゼラチン質の多い皮がそれをしっかりとつなぎとめてくれるのでまとまりがあり、身の味がしっかりと感じられます。
加熱するとわかるのが、この魚の脂がスズキやタイのような肉食魚のそれと同じものであること。ニゴイは肉食性が強く、これがコイやフナなどの「典型的な食用淡水魚」の味わいとの差異を出しているように思います。ハモも肉食魚だから、似てくるところはあるよね。

ただハモほどには皮がしっかりしていないし、皮下脂肪が多いわけではないので、そこはちょっと違うかな。一番近いのはやっぱり骨切りされた小骨の質感だね、たぶん「骨切りしなきゃいけなくてだりーから『淡水のハモみたいなもんやで!』っていって売ったろー」という逞しい商魂があったのではないでしょうか。結果的に美味しいので正解です。

味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆


汽水域だとニゴイも臭みが皆無になって美味しくなるんだな、という発見がありました。汽水の淡水魚、もっと追いかけていきたい。

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ブログとはまた違った切り口の文章をお楽しみいただけると思います。ぜひお手にとっていただけると嬉しいです!

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