週末は朝市巡りをしようと思い立ち、東伊豆の漁港をランガンしてきた。
夜釣り明けの眠気を飛ばすように、ハンドルを握る手に力をこめる。
10歳の頃から続けてきている朝市巡りだが、未だに自分の中で、最初に訪れた朝市である福岡・姪浜の朝市を超えるものに巡り会えたことはない。
それは福岡市のはずれ、西の副都心・姪浜の街から2kmほど北にある小さな漁港で毎週日曜日に開催されていた。
漁から帰ってきたばかりの漁師さんが、穫れたての魚をまさにその場で船から揚げ、女将さんや家族がざっくりと仕分けと値付けを行う、という最高に原始的な市場で、それ故にもっとも新鮮な魚がもっとも安く手に入った。
開始時間の早さ(始発でも間に合わない)や常連さんのみが知る「予約」システムなど、初心者にとって優しい朝市ではなかったが、バリやマエソ、サカタザメにテナガダコなど普段はなかなか手に入らない雑魚がほぼ捨て値で売られており、小学生だった自分にも楽しむことができた。
というわけで関東に来てからも理想の朝市を探してさまよっているのだが、どうしてもこちらは仲買人さんの権力が大きいようで、漁師さんから直接買えるようなところが少ない。
また漁師さんや地元の方がやっているような朝市でも、観光地化されてしまってメジャーな魚しか売っていないようなところばかりだ。
仲買人さんが買わないような雑魚たちを、みんなどうしているんだろうとずっと謎に思っている。岸壁から捨てて水鳥の餌にしてしまうくらいなら、一山100円とかで並べておけばいくらでも買う人はいるのに。
東伊豆の朝市に失望
といった鬱屈した思いを抱えながら東伊豆を回ってみたのだが、その思いは晴れるどころか一層いらだちが募るだけだった。
伊東の朝市なんて、生鮮ありと書いておきながら魚は干物しか売っていなかったのだ…!
あそこはもう完全に、クーラーも持ってこない温泉客向けに特化してしまっているのだろう。
また頼みにしていた稲取の朝市も、鮮魚はキンメダイとウマヅラハギ、ムツっ子、イセエビのみであとは野菜と干物のみだった。
ウマヅラハギが大層大きくて安かったので良かったが、はるばる稲取まで行ってアレだけでは魚好きは絶対に満足しない。
やっぱり網代頼み
というわけで残念ながら徒労に終わってしまったのだが、実はこうなることを予測して、早朝のうちに、裏ワザを駆使してマニアックな雑魚を大量に手に入れておいた。
一言で言うとコネクションというやつで、網代在住の両親と懇意の仲買人さんが、穫れたばかりの雑魚をそれこそ捨て値で分けてくれたのだ。
まったく、持つべきものは漁師と医者と弁護士の知り合いだな。
ちなみに猟師の知り合いも目下募集中です。(友人が成ってくれそうだけど)
ちなみにここ網代では朝市のようなものは開催されておらず、競りの最中の市場内に立ち入ることはできないので、残念ながら一般人は購入することができない。
水揚げされる魚はほぼすべて網代の定置網に入ったものだ。
釣り人ならだれもが知る、網代白灯堤防の沖に設置されている厄介な定置網の中に入る魚ということで、改めて網代の海の豊かさを実感することができる。
今回手に入ったのは
カマス(アカカマス・ミズカマス)
ムツっ子
カゴカキダイ
ミノカサゴ
メイタガレイ
ソウダガツオ(ヒラソウダ)
イネゴチ
イトヨリダイ(ソコイトヨリ)
アカヤガラ
タチウオ、などなど。
どれも間違いなく揚げたての魚である。すべて10円~という価格。
…揚げたてなのにボロボロじゃないかって?
それはすべて定置網内のギャング
イカちゃんたちの仕業だ。
冬になると網代港にはヤリイカ、スルメイカ狙いの釣り人が押し掛けるが、正直それほど釣れているのを見かけない。
しかし網には連日大量に入っているので、接岸していることは確かなのである。
網代の釣り人の皆さん、イカは確実にいます!勇気を出して!そして「群れがいない」的な言い訳は禁止な。
どちらも極めて新鮮な状態で、1匹300円程度~。
これらの魚に加え、稲取で手に入れた40㎝近いウマヅラハギに、
前日の夜釣りで釣れた真鶴産のカサゴを加えて、
クーラーはパンパンだ。
しばらくは魚の記事が続くこと、ご容赦願いたい。
コメント