家庭用エアーポンプがひとつあると潮干狩りの楽しさが倍増する

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先日、シオフキガイの食べ方に関する記事を公開しました。

「シオフキガイ」が潮干狩りのメインターゲットになる時代がもうそこまで来てる
先日、1年ぶりに東京湾某干潟に潮干狩りをしに行ってきました。 昨年の潮干狩りシーズンは、一昨年の巨大台風による洪水の影響が残っておりあらゆるターゲットが不調でした。大水が出ると干潟の生物たちはみんな埋まっちゃっていったん数が減少しちゃ...

するとその記事のコメントやリプで「エアレーションしながら砂抜きするとシオフキガイでも砂が抜けるよ」というアドバイスをいくつかいただいたのです。
マジで!? やってみんとイカンでしょそれは!

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シオフキガイ&オキシジミの砂抜きに挑戦してみた

干潟に多産し、いくらでも採取できるシオフキガイ&オキシジミ。


決して小さくはない貝で美味しいですが、アサリだとと違い、海水中で生かして砂を吐かせる「砂抜き」を行っても全然砂を吐いてくれないので、潮干狩りのターゲットとなることは殆どありません。
その味の良さを知るマニアだけがせっせと採取し、むき身を水洗いして砂抜きを行っているのです。

しかしね、いかにうまい貝ったってむき身にして洗うのはかなり大変。しかもそれでも砂がぢゃりっとしやがることも往々にして有り、なんとかならんもんかと思うことは少なくありませんでした。
もしホントにエアレーション程度で砂が抜けてくれるんなら、シオフキガイという貝の食材としての価値はどんと跳ね上がります。やってみるしかない。


ということでまずはエアレーションのためのエアーポンプを購入。魚を水槽で飼うときに使うようなかんたんな家庭用エアーポンプでいいらしいです。

ググって「値段の割にパワー強め」という評価のものをAmazonで購入したのですが、中華製のパチもんを掴まされてしまったようです。

まあ試してみたらそれなりにエアーが出るのでこれで良しとします。たった1000円だしね。


シオフキガイとオキシジミ、ツメタガイを干潟で汲んできた海水に入れ

エアレーションをかけながら砂抜きを開始。

しばらくすると、いくつかの貝が盛大に砂を吐き始めました。

容器の外にも飛ばしやがる


まるでタコが墨でも履いているのかと思うくらい真っ黒な砂煙です。水管から砂煙を履くということは内臓にもそれなりの砂を噛んでいるということでしょうから、これではむき身にして洗ったところでジャリ感が残ってしまうのも致し方ないように思えます。

アサリだと2時間程度で砂抜きが終わるので気にすることはないのですが、何時間も砂抜きをしていると二枚貝は酸欠になって死んでしまうようです。たしかにシオフキガイやバカガイ、アカガイなどは水から揚げて放置しておくとやがて口を開きますが、あれは酸欠になってしまったために、体表に残った水分と空気中の酸素を使って呼吸をしようとしているのでしょう。



ちなみに最初はツメタガイも気にせず一緒にしていたのですが、縦横無尽に動きまわる彼らにシオフキガイがストレスを感じており(彼らが上を通ると、足をよじって逃げようとする)ツメタガイ自体も脱走を繰り替えすので、小さなネットに隔離しました。

シオフキガイがひとつ彼らの餌食になりかけた




そして24時間が経過。

めっちゃ砂吐いたなぁ……

ここで一旦貝を取り出し、水を濾過してきれいにします。

ついでに死貝チェックを行ったところ、シオフキガイが2個死んでしまっていました。2/70、累計死亡率は2.9%です。

濾過した水を戻し、更にここにミネラルウォーターと食塩で作った人工海水を追加します。特に考えがあったわけではないですが、多少でも新鮮な水があったほうが死亡率を下げられるのではないかと考えたのです。



48時間が経過。

24時間後と比べると流石に少ないですが、それでもまだ結構な量の砂が吐かれました。どんだけ砂溜めてんだ君たち。
死貝はシオフキガイがプラス2個、累計死亡率は5.7%です。


ここで貝のダメージを考慮し、半分は砂抜きを終了。残り半分だけ継続することにします。
また、ここで海水からわずかにドブ臭がしてきたので一旦廃棄し、新規に作った人工海水だけで砂抜きをさせることにしました。

ちゃんと吐いてくれるかな……


60時間が経過。

蓋を開けてみると、海水がやたらと濁っていました。これは一体……?
慌てて貝たちを観察してみると、水管を伸ばしていたのが2つだけ。どうも人工海水100%では元気に砂を出してはくれないようです。


ということでここで砂抜き処理は終了とします。新規の死貝はなしということで、最終的な死亡率は5.7%となりました。またツメタガイやオキシジミはひとつも死ぬことなく最後まで残ってくれました。やっすいポンプひとつでエアレーションするだけで、様々な貝を2日間以上も長く生かせるようになることが判明したわけです。

あとはこれで砂がちゃんと抜けていれば完璧なのですが……
食べてみましょう!

砂抜きしたシオフキガイ&オキシジミを食べてみた

調理はシンプルな酒蒸し。砂を噛んでいるかどうかの他、生臭みなどの嫌な匂いが出ていないか、味に異変は起こっていないかなどの確認も行います。

左が48時間、右が60時間砂抜きを行ったものです。砂残りをチェックしてみると……

……うん、いずれもなさそう。
試しにランダムに取ってみた10個ずつを食べてみましたが、砂粒が気になったのは合わせてひとつだけ。感覚的にはアサリと同程度の砂残りかと思います。

外套膜と身の間にも砂残りは一切なし



そして、水洗いしないシオフキガイのむき身は本当に味が濃くて美味しい! アサリと比べると身は多少柔らかいものの、味の濃厚さはこちらが上かもしれません。酒蒸しを汁ごとパスタと和えて乾燥パセリをふるだけでごちそうになるでしょう。深川めしもヤバそうだな。

シオフキガイだけでなく、オキシジミやツメタガイも砂残りは0。それ以上に驚いたのが、オキシジミのあの独特な臭みが全くなくなっていたことです。
こうなるともうただのデカウマ二枚貝です、採らない理由など何一つありません。

味:★★★★☆ 
入手難易度:★☆☆☆☆
 


何度も述べておりますが、東京湾のみならず、日本のアサリは全国的に絶滅危惧状態。漁師さんやマニアはともかく、一般人が無料潮干狩り場で貝を掘ったところで、アサリやハマグリといったメジャー貝がいっぱい採れることなど、現状ではまず望めないでしょう。
であればやっすいエアーポンプをひとつ用意し、シオフキガイだろうがオキシジミだろうがバカガイだろうが、たくさんいる貝を好きなように採るほうが遥かに良いと思います。

皆様も是非トライしてみてください。シオフキガイの美味しさにびっくりさせられると思いますよ!


あ、最後にひとつだけ。
もし真夏にエアレーション砂抜きする場合は、保冷剤をひとつ水に放り込んで水温が上がりすぎないようにしておくのがいいでしょう。水がぬるくなりすぎると貝が死にやすくなるみたいなので。。


シオフキガイハントの様子はこちら!!↓↓

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魚介その2(魚以外)
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コメント

  1. tama より:

    オキシジミは神奈川の某港近くの水産屋さんで偶に売っているので食べますが、砂は入ってなかったですね
    あれは生簀にエア入れて売ってたからなんだ

  2. 1GO より:

    エーハイムのフィルター(http://www.eheim.jp/filter_top/2211.html/)からバクテリア用濾材抜き、替わりに竹炭でも詰めて回せば貝の塩抜きする間くらいなら水質保てるかも。。。と思いました。実証してないので無責任な呟きで申し訳ないです。オンボロで良ければフィルター差し上げることもできます。

  3. ウナウナ より:

    ウホッ!
    やってくれたんですね!
    洗わないシオフキはプリプリで美味しいですよね♪
    何より出汁が旨いので炊き込みご飯も最高ですよ♪
    フィルターも試したことがありますが、粘液?で詰まるのと細かい砂が戻って吸ってしまうみたいで、エアレーションで砂がある程度出たら水替えした方が楽ですよ。

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