世界一のレストランnomaのスペシャリテ「カビたアスパラガスの料理」を作ってみた

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2020年2月29日 @三重県松阪
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前回のフェモチョコの記事でちょっと触れましたが、世界一予約のとれないレストランとして知られるデンマークの「noma」では、昆虫などの“前衛的”な食材が振る舞われます。

世界一予約のとれないレストラン 世界一の店「noma」6万円フルコースメニュー ! ハーブ農家 梶谷譲が行く ! 世界一レストラン「noma」【クレイジージャーニー】

ボタンエビの上に振りかけられたアリチョコに添えられた揚げ蜂の子などは某テレビ番組でも紹介されて有名になりました。


そして昆虫と同じくらい注目されたのが、カビの料理です。

ネットで調べるといくつか写真が出てくるのですが、真っ白なカビがモサモサと生えたアスパラガスのプレートや、「カビのパンケーキ」なる料理が提供され、はじめての客はその見た目の異様さにおののくのだそう。味については、先のテレビのリポーターによると「カビの質感が独特で、かつ酸っぱい」とのことでした。

カビを用いた料理を食べたことがない日本人はいないと思いますが(なにせ鰹節も味噌も醤油も日本酒もカビの力でできている)、カビそのものの味を意識して食べることはほぼないと思います。
カビが最も直接的に口に当たるのはたぶんカマンベール等の白カビチーズかと思いますが、あれがカビの味なのかと言われると疑問符が浮かび上がります。


そしてそもそも、nomaがカビプレートで食べさせようとしているものが「カビそのもの」なのか「カビが生えた食材」なのかというのがいまいちよくわかりません。あれだけのレストランですから、それぞれのメニューには必ず意図があるはず。「カビ生えた料理まぢインスタ映えぢゃん」みたいな話ではないと思うんですよね。
実際に食べに行けばわかるでしょうが、デンマーク往復の航空券に加え一人前6万円のコース料金を払うのはとても無理なので(まず予約とれねーし)うちで再現してみることにしました。

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食べられるカビとは?


再現するにあたり、考えねばならないのが「カビの種類」。映像や写真を見る限りでは、白い綿毛のようなふわふわとした感じのカビとしかわかりません。
キノコと違いカビは顕微鏡での監察結果を踏まえないと同定が難しく、答えは判然としないのですが……敢えて予測してみましょう。
ずばりこいつは、ケカビの一種、クモノスカビsp.ではないでしょうか。


クモノスカビは我々の周囲の空気にもごく普通に存在している、もっとも普遍的なカビの一種。とくに植物体の上が好きで、古くなったモモなんかにふわふわと生えてくるのは大体こいつです。
ケカビ類は基本的に、健康的な人体に悪影響を及ぼすことはないといわれており、毒素を生み出すこともないようです。それどころか東アジア各地(じめっとしてカビが生えやすいところ)では食品加工にも用いられているとのこと。ちょうど日本におけるコウジカビみたいな存在ですね。
nomaが安全性の低いカビを用いるはずもなく、食品加工の実績があるこのクモノスカビを用いていると考えるのは自然だと思います(違ったらすみません)。


さて、そんなケカビ(クモノスカビ)を用いて作られる食材に、最近有名になりつつあるインドネシアの「テンペ」があります。

しばしばインドネシアの納豆とも呼ばれるテンペですが、納豆を発酵させる納豆菌は「細菌」なのに対し、テンペを作るのにつかわれるクモノスカビは「糸状菌」、互いに全く別の生き物です。細菌は目には見えないけど、糸状菌はカビやキノコなど目に見えるものを作る、といえば違いが分かりやすいかも(これも必ずしも正しくはないんだけど)。
んでこのテンペ、納豆同様に健康食品として注目されていて、世界的に人気が上がってきています。自作キットなども市販されており、日本でも「種菌」が手に入るんですね。


なのでこの種菌を用いることで、nomaの味を限りなく再現することができるのではないでしょうか……!!

……ふう……前置きがくっそ長くなりましたが、やっていきましょう。

アスパラガスにカビを生やして食べてみた


まずはアスパラガスをさっと洗い、レンジで加熱調理します。


そこに酢を少々振りかけます。クモノスカビが好む弱酸性環境にするのと、雑菌の繁殖を抑えるためです。あと、nomaの料理は基本的に酸っぱいらしいので、そこをリスペクトするという意味もあります。



そこに、コーンスターチで10倍に増量した種菌をぶちまけ、

ジップロックにて保温します。

温度は32度前後がいいとのこと。人肌より若干低めか……うーん……

……パンツの中でいいな。

人間の股間というのは温度・湿度ともにカビの繁殖に大変向いていると聞きます。ここにいれて丸一日過ごせば、間違いなく翌日にはカビがもっさもさに……

……なりませんでした。どうもね、あんまり動かしたらいかんっぽい。
というわけで湯たんぽと一緒にケースの中に入れ、さらに毛布にくるんで保温します。8時間おきに湯たんぽを取り換えて、さらにまる1日おきました。


キター!! もっさもさ!!

いやまあホントはアスパラ全体が真っ白に覆われてほしかったけど、まあこれでも雰囲気は味わえるでしょ。

これを皿に盛り付け、マンションの下で摘んできたムラサキカタバミ(酸っぱい)を添え、菜種油をさっと振りかけたら

完成! カビ付けアスパラガスa la noma!!
いただきまーす!!


……(`・〰・´)ハーンなるほどなるほど。これはね、アスパラガスとカビ、両方を食べるもんですね。
まずカビですが、食感は多少モシャつくものの、とてもナッティでクルミのような好ましい風味があります。近いのはカマンベールチーズなんだけど、ちょっと味噌や醤油のような香ばしい風味がありますね。
そしてアスパラガスもまた、本来のコクのあるうま味がより強まっています。カビの香りとめちゃくちゃ合いますね、よくもまあこの組み合わせを思いついたものです。
これはワインに抜群に合う、できればモンラッシェとかそのへんの樽熟シャルドネがいいですね。

しっかし、このカビ料理、ゲテモノじゃ全くないですよホントに。かなり考えられてる。前衛的でパンチ効いてて、でも伝統技術も用いていて食材そのものを生かすことも忘れない。
調べてみるとnomaは、店を開いた土地で手に入る食材しか用いず、バックグラウンドや歴史をこれでもかと調べ上げて料理に応用するのだそうです。カビを用いた食材がデンマークに存在するのかはちょっとわかりませんが、様々な歴史を紐解いたうえで見つけられた最適解の一つなのでしょう。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
 種菌もアスパラガスも安いので、自作は容易ですよ


上記のようなnomaの考え方を調べれば調べるほど「野食」との共通項を感じます。もっといろいろ再現してみたいな。
あとカビ料理面白いのでまだまだいろいろやってみます。みんな大好きな臭っさいあれとか……!




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コメント

  1. 通りすがり より:

    菊地秀行の『妖神グルメ』にそんな感じの料理が出て来てましたね。
    あちらはあくまでゲテモノ(イカモノ)料理と言う感じでしたが。

  2. もりもとこうへい より:

    カビ料理といえば長野県は木祖村に伝わりし、しょうゆまめがありますよ!

  3. ない より:

    テンペですか
    どんぐりでテンペ作ったらつよそうですね