今年は結局、キノコの豊作年なのか不昨年なのかよくわからないです。
9月中はマジで全くダメな雰囲気だったのですが、10月になった途端、わたしの一番大好きなキノコで秋の中盤に発生するコウタケがいきなり出ました。
その後は高山地帯、低山地帯のそれぞれでそれなりに発生の報を聞き、採りに行くとまあまああるという感じ、、商売で獲っている人からすると全く物足りないでしょうけど、趣味でやってる人間としては全く問題ない程度には獲れています。
昨年はなんだかイマイチだった「アイシメジ」と「クロカワ」については、今年はかなり豊作のよう。
なので今回はこの二つについてつらつら書いてみます。
美味しいキノコ?苦いキノコ?
わたしがよく行く某高山帯のフィールドでは、10月になるとこの二種は大変よくみかけます。今年は足の踏み場もないくらい出てるところもありました。当然発生量が多いということもありますが、そもそも食用として人気がないので良く見かける、というのが大きいんじゃないかと思います。
見た目がうんこそのものであるクロカワはともかく、典型的キノコ型でサイズもあり美味しそうなアイシメジが狙われていないのはなぜか。それは「割とシャープに苦い」から。
アイシメジは特にかさに苦瓜のような苦味があり、知らずに口中にこれが広がると「毒キノコ!?」となって吐き出してしまうかもしれません。クロカワはよりキツく、生のアケビの皮、アーティチョークの茎、野良栽培の春菊、あく抜きしていないマダケ、くらい苦いです。
この地域のクロカワはあまりに苦いので「ミヤマクロカワ」という別種であるという説があるくらいですがさもありなんとは思います。ちなみに低山のクロカワの苦味は苦瓜よりも弱いくらいです。
個人的には、アイシメジは嫌いではありません。以前は苦いので嫌いだったんですが、おじさんになって好きになってきました。しっかり水分を抜くように調理すると苦味が薄まり、奥にある旨みが感じられるようになります。
クロカワ(ミヤマクロカワ)も旨みこそしっかりあるんですが、こちらは逆に年々苦味が気になるようになって最近ではあんまり獲ってませんでした。今年はあまりに大量に生えているのでつい獲ってしまいましたが…
せっかくなので頑張って調理して食べてみましょう。
苦味は楽しむ?消す?
苦いキノコは茹でこぼせばいい、という人は結構いますが、キノコの茹でこぼしは旨みを捨てる行為なので基本的にはやりたくありません。アイシメジ程度なら油で炒めることでマスキングができるのでそうしましょう。
高温で10分くらい炒めて水分を抜いたら、シャキシャキ感も出ていい感じになりました。ここに、たまたま昼に作った牛丼の残り汁があったのでぶち込みましょう。
良いですね。いただきまーす
…(´〜`*)いいですねー
アイシメジの魅力はやっぱり心地よい歯応え。地中深くまで伸びる太い柄は、シャキシャキというオノマトペの権化のような存在です。
苦味はかなり薄まり、専門店で食べるゴーヤチャンプルーくらいのいい感じの味わいです。割下の味わいに負けない程度のしっかりとした旨み(グアニル酸かな?)もあります。
キノコの苦味には日本酒が合うのも特徴。酒飲みなら用意しておくのもよいですね。
次はミヤマクロカワ。かつてよく焼いたり、揚げたり炒めたりといろいろやりましたが苦味を抜くことはできませんでした。
しかし調べてみると「重曹で茹でて水に晒す」という人がいましたので、真似してみることにしました。
とはいえ茹でこぼしは流石のクロカワの旨みもイチコロだろうということで、ワラビのあく抜きと同じように「重曹を振りかけ、熱湯を回しかけて放置」というスタイルで行くことにしました。
翌日。
…黒すぎだろ。
このあと3回水を変えて晒しましたが、毎回これくらい黒くなりました。途中舐めてみましたがクッソ長いです。ちなみにクロカワを大量に食べると尿が黒くなりますがさもありなんです。
晒し終わっても真っ黒なキノコに、大根おろしを添えて
最近マイブームの「出汁酢つゆ」を大量にぶちまけて
食べてみます。
いただきまーす
…( ̄▽ ̄;)にがっ
まあでも全然食べられますね。やっぱり旨みは抜けてしまっているけど多少は残ってるし、出汁酢つゆが味を補完してくれます。酸味が苦味をカバーしてくれるのもありがたいですね。
苦味さえなんとかなれば、シャキッコリッとした歯応えは悪くないですしまずいキノコというわけでもない…と思います。
でもまあ…別のキノコがあるならいらないかな…
このほかに苦い食用キノコとしてはウラベニホテイシメジ、サクラシメジ、ニンギョウタケなんかがあり、これらについても機会があれば考察していきます。
コメント
アイシメジ苦いと気付いてませんでした笑 単体であまり食べないからかな。
先週採って、「今年のミヤマクロカワは苦味が少なくて旨味つよく感じるね」なんて話していました。採った斜面全体がそうだったので気候や植生なのかなとも思いましたが、年取って味覚が鈍ってきたのかも・・・