ダイオウイカと同じ味!? 深海の珍イカ「カギイカ」を食べた①:そのままの君が好き編

「野食のススメ」第11回の記事が公開されました!!
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「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!


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野食会とはいわば「みんなで収穫を喜ぶ会」であるので、みなさん美味しいものを採取してきてくださいます。
たいへんありがたいことです。

なんだけど、ときに悪ノリの結果としか思えないものが登場したりします。
たとえば昨年の秋の会、せつなさんが持ってきてくれたピーの種とか。
毒がなくて安全(試食済み)だからってまさかピーを持ってくるなんて、そんなもの写真のアップもできないじゃん。
いい加減にしてほしいぜまったくプンスカ


……でも、そのとき私は見てしまったのです。
そのピーに群がって我先にと試食する参加者の皆さんの、嬉しそうな、満面の笑みを……!!


俺達は
とんでもない思い違い
をしていたようだ

美味しい料理もいいけど、参加者の皆さんが心のうちで真に欲しがっているものは、

パンチのきいたゲテモノ

なんだよ!!!!


ΩΩ Ω ナ、ナンダッテー!!!



というわけで、前回の焼津での会の際に、常連のB氏から「ニイサン、いいカギイカ入ってるんだけど持ってかない?」と言われたときは間髪入れず「オナシャス!」と言ったのであった。

 

「マズい! もう1杯!!」

でろーん


カギイカとは深海底引き網などに混ざってくる深海性の中型のイカで、スルメイカやヤリイカと同じくらいの大きさをしている。
パッと見はスルメイカに似ているのだが、


食腕の先の吸盤にかぎ状の突起物がついているので、すぐにそれとわかる。


あと、表皮がザラザラしているので、触ればだれでもすぐに違いが判る。


このカギイカ、漁ではそこそこ混ざってくるようだが、流通に乗るということは全くない。
それどころか食用にされることが皆無である。

例によってぼうずコンニャクさんとこの記述を確認すると

“全体に塩辛く、酸味とは違う刺激が感じられる。
これは煮ても焼いても消えない。”

とのこと。
いいじゃないですか、食べてみましょうず。。


口の周りに膜が


というわけで野食会会場に登場したカギイカ。
B氏も「マジで持って来いって言われるとは思わなかった」と戸惑いの表情を浮かべる。

取り急ぎ、捌いてみるが……
こいつ、表皮ザラザラで堅そうなのに、皮すぐにちぎれちゃうな。
剥き辛ッ!

身もかなり水っぽくて、生臭みも強い。
一方でよく言われる「すっぱ臭さ」は感じない。鮮度がよいからだろうか?


何とか1杯は皮を剥き、もう1杯はそのままで


炭火焼と、天ぷらにして食べてみることにした。


まずは炭火焼から。


……(´・益・`)
ウワッ予想以上にしんどい

口当たりは「柔らかいイカ」という感じなんだけど、噛みしめるとまず塩辛さが襲ってくる。
ただの塩辛さではなく、にがり液のようなえぐみを伴った刺激性がある。
さらにそこに酸味も襲い掛かってくる。
こちらも化学的で鋭利な強い酸味。
そして後味に漂うアンモニア臭。

ああ、こいつはグレートですよ……
グレートな“マズさ”ですよ承太郎さん……

でも、このカンジ、あれだ。
サルミアッキから甘みを取り去るとちょっと似てるかも知らん。

というのも、深海イカの多くは筋肉中に塩化アンモニウムを含み、それで浮力を得ている。
塩化アンモニウムは鹹味と苦みをもち、サルミアッキの風味づけにも用いられているので(なんでそんなものをお菓子の風味づけに使うのか)味わいが似てくるのも当然なのだ。

ちなみにあのダイオウイカも、大量の塩化アンモニウムのせいで食用にできていないとのこと。
つまりこのカギイカはダイオウイカと似た味わいである可能性が高いのだ。


焼いてこのレベルなのだから、揚げたらきっと大変なことになるんだろうなぁ……


……いただきマース

(;ಠ益ಠ;)ウワァァァァア

味:★☆☆☆☆
価格:★☆☆☆☆


味はともかくとして毒性はないので、参加者の皆さんにも試してもらったのだが、案の定トライした人がみんなイキイキしています。
うん、楽しそうで何よりですわ……

今後は「これ食えるけどクッソまずい」みたいなものも、もしあれば持ってきてください。
ワイが毒見したうえで大丈夫そうなら出す……かもしれません。

その眼は優しかった

 
 
 

コメント

  1. 通りすがり より:

    今の季節、サザンカや椿の葉が「もち病」という病気にかかって肥大しているのをよく見かけますが
    ググったらアレ、食えるらしいですよ奥さん!
    野色会で振る舞われてはいかがでしょうか?
    でも、「食べすぎて子供が死んだ」みたいな話もあるようなのでご注意ください。(下記URL参照)
    http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/?eid=993961

  2. ウピスコ より:

    噂のイカンモニア(´∀`)wktk
    今回の記事もとても堪能させて頂きました。
    いえ、僕はもう茸本さんのあの顔文字で十分満足いたしましたので、苦手なアンモニア系は結構でございますよ!

  3. ニョ~ボさん より:

    不味いと承知の上でお召し上がりになっている
    皆さんの好奇心、本当に尊敬致しますわ。
    まあたとえクソ不味くても、食物連鎖の中では
    喰われる立場のはずなので、ダイオウイカ氏や
    マッコウクジラ女史達が、不味い不味い
    言いながら、捕食しているのでしょうね。

  4. 低音担当 より:

    いつも楽しく拝見させていただいております。
    アンモニアは酢酸・クエン酸等の酸で中和されるので、
    マリネ、酢〆等の酢を使うのは如何なものでしょうか?
    イカに酢だけにイカス料理に…orz すいません。
    趣旨が怖いもの見たさであるならば失礼致しました。

  5. はむぱん より:

    いつも楽しく拝見してます
    塩化アンモニウムは水酸化ナトリウムと反応して塩化ナトリウムとアンモニアになります
    つまり、カギイカを水酸化ナトリウム溶液に漬け込めば、ルーテフィスクとハウカットルの特徴を併せ持つ珍味になるのでは…

  6. さとぷん より:

    初めてコメントさせていただきます。
    甘みを補えば外見イカ、味がサルミアッキという混沌を招く物体になるんでしょうか?
    すごく気になります。

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