ウミケムシを食べてみた

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★☆★2016年にも食べたよ⇒ウミケムシを串焼きと刺身で食べてみた

ホウボウが釣りたくなって西伊豆に遠征してきた。

水深のある砂泥底の漁港で、半夜で狙ったのだが残念ながら本命とは出逢えず。
代わりに竿を揺らしたのが、黒&白のアナゴちゃんと、

ウミケムシ,投げ釣り

スレ掛り

ウミケムシ,クリスタル,投げ釣り

ゴカイを丸のみ

クリスタル

 

海の毒毛虫

クリスタルとは釣りライター三橋雅彦氏の使う隠語?で、正式にはウミケムシというゴカイの仲間である。

ゴカイはミミズと同じ環形動物のなかの「多毛綱」に属する動物群であるが、そのなかでもこのウミケムシは相当な剛毛を誇る。
光を当てると、この剛毛が蠢きながらキラキラと光るので“クリスタル”なのではないかと思うのだが真相はどうか。

このウミケムシ、投げ釣り外道群の中でも、クサフグと並んで嫌われ外道トップランカーの座を不動のものとしている。
その理由は

1.ゴカイのくせにゴカイに喰ってくる
共食いすんなし…

2.ゴカイのくせに身餌にも喰ってくる
いつも魚に一方的に食べられるゴカイたちの、怨念を背負って生まれてきた存在。

3.キモい
背中に2列の目玉模様があるという見た目もさることながら、かなりの高速で動くのがなんとも…

4.毒を持つ
毛に「コンプラニン」という愉快な響きの毒成分を持つ。
ドクガの毒針毛と一緒で、触れると手に刺さり腫れあがる。
知らずにつかんでしまった人を見たことがあるが、人差し指から親指にかけて毛がびっしりと刺さり、それは悲惨な光景だった。

ウミケムシが釣れてしまったら素手で掴まず、必ず針はずしを使ってください↓

しかし今回は実をいうと、裏本命として狙っていたのだ。
なぜか?もちろん、食べてみたかったからです。

ウミケムシを調理する

ゴカイの仲間には美味しいものが結構ある。
以前食べたケヤリムシはまた捕まえて食べたいと思っているし、エラコやユムシ(多毛綱ではないが)なんかは食用にしている地域がある。

となれば同じく大型のゴカイであるウミケムシ(食欲がなくなるので以降クリスタル)が食べられない道理はない。

ということで川崎まで緊急搬送されてきたクリスタル×2

ウミケムシ,クリスタル,調理

まだ生きてるよ

ゴカイらしくなかなかしぶといようで、まな板の上でうねうねと動いていた。



刺身

ケヤリムシとユムシの経験から、ゴカイは刺身が美味いことが分かっていたのでクリスタル(大)も刺身にしようと考えた。

まずは毒針毛を処理する必要があるが…さてどうしよう。
素手では触れないからゴム手袋をして…

ウミケムシ,毒針毛,ゴム手袋

イケる

簡単に抜けた。
流水に当てながら、指先でこそぐようにして抜いていくと、次々と抜けていく。
毛抜きも使用しながらどんどん抜き取っていくが…

ウミケムシ,毒針毛,抜く

これ以上は無理

エンドレス。
ごく小さい毛はどうしても抜き取ることができない。

仕方がないのである程度のところであきらめ、腹を切って内臓を出そうとするが…

ウミケムシ,刺身,調理

内臓をはがすと身がちぎれる

こんなごっつい見た目をしているのに、非常にもろく、ちぎれやすいのだ。
内臓を洗い出し、表皮を剥こうとしたところで失敗に気付く。

ウミケムシ,刺身

とても食べられない

10㎝を超える大型のクリスタルから採れたのは、毒針毛まみれの1㎝ほどの肉塊のみ。
刺身で食べようという目論見は崩れ去ってしまった。

湯引き

気を取り直し、もう一匹のクリスタル(小)を調理する。
生だと脆くて扱えないので、とりあえず湯通しして様子を見てみることにした。

ウミケムシ,調理,湯引き

こうなるとゴカイっぽい

毛をむしったクリスタルを、沸騰した湯にさっと通すと、
僅かにクリーム色になり、そして8割ほどのサイズに縮んだ。

動物が生成する毒は、加熱によって活性を失うものが多い。
茹で上がったクリスタルを恐る恐る指で触れてみると…

ウミケムシ,毒針毛,加熱

毛と言うよりはイワシの小骨に近い

良かった、刺さらない!
これでこの後の処理も大分楽になるだろう。

ウミケムシ,調理

加熱後は掴んでも刺されない

触ってみて、腹側より背側の方がわずかに皮が薄いようだったので、背側にハサミを入れて切り開き、内臓を良く洗い流す。

ウミケムシ,調理,食べる

食品っぽくなってきた

そのまま半分に切って

ウミケムシ,湯引き,食べる

こうなると貝っぽくない?

醤油をつけて食べる。

残った毒針毛が舌や粘膜に刺さらないか気になったが…

…(・~・;;;)

…ビミョー。

やはり湯引き⇒水洗いのコンボで、味が抜けてしまったのではないかと思われる。
ただそれでも、旨味や甘みはケヤリムシやユムシと比べるともともと弱そうだ。

歯応えはあるともないともいえない。
ブニブニして噛み始めのガムのようだ。

処理しきれない毛が口の中でじゃりじゃり言うのも大きなマイナスポイント。
毒はないようだが、焼いても揚げてもこの毛は如何ともし難そうだ…

味:★☆☆☆☆
価格:★☆☆☆☆

1ヶ所、口の周りの筋肉(餌を飲み込むときにびろーんと伸びる部分)だけはしっかりとした甘みがあって美味しかったが、それでもケヤリムシとは比較にならない。

ウミケムシ、食えなくはないけれども

やはり採取・調理とも容易なケヤリムシや、釣具屋でいつでも手に入るユムシと比べて、食料としての価値は低い。
毒針毛の処分がもう少し楽であれば…たとえば火にかざすと燃えて無くなるとかなら、丸焼きにして食べてみたりできるのだろうけど。
そこまでの価値があるとは思えないなぁ。

同じ多毛類ではオニイソメなど食べる地方があるというが、あれはメーターを超えてくるし食べ出という点では十分過ぎるだろうなぁ。
一度食べてみたい。。

★☆★2016年にも食べたよ⇒ウミケムシを串焼きと刺身で食べてみた


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コメント

  1. Koide より:

    こんばんは。どの記事も楽しく、一気に読ませていただきました。
    さてウミケムシですが、Wikipedia英語版に35cmまで成長するというBearded firewormの記事があります。
    http://en.wikipedia.org/wiki/Bearded_fireworm
    数字の出所やサイズの分かる写真を見つけるのはちょっと骨が折れそうですが。

    • wacky より:

      Koideさま
      コメントありがとうございます。
      35㎝…ホラーですね。。写真を見る限りでは細長くて、よりケムシっぽい見た目をしていますね。カリブ海から大西洋、地中海に生息しているようですが、当地の人は食べたりは…しないでしょうねw

  2. せつな より:

    何気に狙ってもウミケムシは釣れたことがないのです。
    一度だけ掬ったけど、活かしてる間に逃げられ。
    そして10年近く前に、ささめ針のスタッフが先にウミケムシを食べてしまったので、以来放置でした。

    ところでホウボウですが、多分夜は寝てますよ。
    飼ってましたが、夜中は胸鰭の地味なほうを上にして寝てましたから。

    • wacky より:

      な、なんだってーΩΩ Ω!!!
      色々な文献に「ホウボウは夜行性」って書いてあったのに…騙された…
      でも確かに、夜に釣れてるところ見たことないなぁ。。そして寝相が可愛らしいですねw

      ささめ針のページは読みづらくて良くわからなかったんで、自分でもレポートしてみることにしました。でももう食べません。たぶん。

  3. おいなりぴょん より:

    4~5年前の春か初夏の頃ですが、伊豆諸島の式根島のヒラトコで夜釣りをした時の事です。その夜は夜光虫が波飛沫を緑色に光らせていたのですが、同行者と海面近くに緑色に光るドーナツ状に光る丸い物を発見、正確には丸ではなくアルファベットのCなのですが、良く見るとウネウネと身を捩りながら動いていました 何だろうと目を凝らして海面を見ると、あちらにもこちらにもボーッと緑色に光るCの文字が無数に蠢いておりました。島通いは40年と長いのですが初めて見た光景にびっくりしました。翌日、島民にその話をすると『ウミケムシじゃないの?』との事。おそらく青イソメのバチヌケのように普段は海底の砂に隠れているものが、繁殖期?か何かで一斉に海面に浮かんできたものかと思いますが、そのサイズはCの字を伸ばせば、60~80Cmの大きなサイズばかりでした。島民も『デカイのいっぱいいるよ』と言ってました。ウミケムシの種類は多いらしいので正式名は判りませんが、伊豆諸島にはデカイのが居ますよ。機会ありましたら是非挑戦して欲しいです。PS、お腹壊さない程度に

    • wacky より:

      80㎝のバチ抜け!それは大迫力でしょうね…
      おそらく、南方性のゴカイで世界最大種の「オニイソメ」ではないでしょうか。
      最大で3m近くに成長するのですが、1m未満のサイズが最も活発に生殖活動を行うそうです。

      鹿児島の方ではオニイソメを食べると聞いたけど、ホントかなぁ…イソメ類は毒があるんですけどね。。
      でも見かけたら挑戦してしまいそうですw

  4. おいなりぴょん より:

    先日の書き込みへのお返事ありがとうございます
    そうですね、オニイソメっぽいですね

    何でも食べちゃうWACKYさんに緊急のお知らせです
    ほら貝って美味しいんですが、
    昔、美味しいぞ!って漁師さんに言われて以来
    何度か食したのですが、確かに肉量の豊富なサザエみたいなもんでしたが
    肝に猛毒のテトラドキシンを含んでいる個体がいるそうです

    私は魚も貝も肝は気持ち悪いので
    カワハギの肝もサザエの肝も食べないのですが
    世の中には私の母のように『食べないなら肝ちょうだい』みたいな
    肝好きの人がおられますが
    先週のことですが、式根島を訪れた観光客がホラ貝を捕まえ
    肝好き高校生が肝を食べようとしたみたいです

    喉の辺りまで飲み込みかけたとこでピリピリとした違和感を感じ
    慌てて吐き出したそうですが、喉が麻酔をかけたような感覚になり
    島の診療所を受診したとのことでした
    幸い飲み込んでいなかった為、無事だったようですが
    急変する可能性もあるので、夜間も救急ヘリでの搬送に備えていたらしいです

    ホラ貝はヒトデを餌にしているので、ヒトデの持っているテトラドキシンを
    内臓に蓄積している個体がいるとのことでした
    確かにホラ貝の身はオレンジ色っぽい毒々しい派手な色してますもんね
    ホラ貝の肝には重々気をつけて下さいね

    因みに、以前、島の漁師達の間で流行ったのですが
    磯臭いと捨てられていた鷹の羽鯛を
    炭火で表面が真っ黒く焦げるまで焼くと絶品らしいです
    こちらは毒の心配はないので、機会有りましたらお試しを

  5. みあ より:

    ウミケムシ!
    すごいですね*
    2回ほど見たことがあります
    他の記事も拝見しましたが
    とっても面白かったので
    コメントさせていただきました。
    更新 楽しみにしています!

    • wacky より:

      コメントありがとうございます!

      ウミケムシはこれまで食べてきたものの中でも極北だなぁと思っています。
      たまにこういうヘンなもの食べてますが、基本的には美味しく食ってやろうと思っているサイトですので、よろしければ今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。。

  6. 失礼します。 より:

    はじめまして、クリスタルの毛の処理にお困りのようでしたが、冷凍するといいかもしれません。
    アメリカシロヒトリの幼虫なんかも固めで口当たりの悪い毛が凄いですが、一度冷凍してカチコチの状態のものの毛を鼻毛カッター(剃刀でも)などで剃ると比較的簡単・綺麗にできますよ。
    もっとも、クリスタルはもう食べる気が起きないかもですけど……笑

    • wacky より:

      コメントありがとうございます!

      便宜上「毛」と書いていますがアレは棘なんです。ドクガよりもイラガを想像していただければ…
      僕はもう食べないと思いますwでも食いでのありそうなデカい多毛類が手に入ったら冷凍してやってみようと思います!

  7. つばさ より:

    取りきれない毛はバーナーで焼いて処理とかできないんですかね?

    • wacky より:

      やってみました!記事内に今年のウミケムシ試食記をリンクしましたので、よろしければどうぞ。。

  8. 川崎11号 より:

    「ウミケムシに天敵っていないのかな」と気になって調べてたらここにぶち当たりました。
    カニやエビ、ウマズラ、そして人ですか・・。
    (なんか変なスイッチ入って記事、読ませてもらってます)

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