干潟で出会えるリシケタイラギは普通のタイラギと変わらない美味

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これまた先日のことですが、瀬戸内海某所で干潟採取を行っていたところ、海底にエクスカリバーのように刺さる貝を発見。

ぶっこ抜いてみたところ、長さ40㎝近いハボウキガイでした。

ハボウキガイ採りはキノコ狩りみたいで楽しいけれど……
先日、瀬戸内海岸某所を歩いていると、足元に違和感たっぷりの石がありました。 ……? やたらとせり上がっていて、謎の鶏冠状です。 なんぞこれ。 よく見ると海中にもたくさんあります。 近寄って触ってみる...

ハボウキガイは同じ仲間のタイラギよりも味が薄いですが、でかい貝ということでテンションは上がります。
近くにもきっと同じようなサイズのハボウキガイがあるだろうと思い、探していると

あれ、全然趣が違う貝が……
ハボウキガイが海底から10㎝ほどからの頂部を覗かせていたのに対し、この貝は逆三角形の頂辺が海底にフラットになっていました。海底に割れ目がパカッと空いている感じで、つい指を突っ込んでしまい、指をギュッと挟まれました。

掘り出したものはシルエットやサイズはタイラギそっくりですが、殻全体に条線が入り、それに沿って鱗片のような突起がついています。

ハボウキガイと比べると形の違いは明快。

調べてみると、これはリシケタイラギというタイラギの一種のようです。本家タイラギよりも少し浅いところに生息するといいます。
近縁種とはいえまさか生きたタイラギに出会えるとは、これまでの野食ハントの獲物の中でも感激が大きいです。
ちなみにリシケとは日本の貝を研究したドイツの生物学者の名前だそうで、リシケタイラギは外来種ではなく日本の在来種です。

市場ではタイラギと同様に流通し、価格もほぼ変わらないとのこと。タイラギはかつて多産した有明海でほぼ採れなくなってしまったこともあり値段が高騰、貝柱一つで800円ほどすることもある高級品です。
リシケタイラギは果たしてその価格に見合った味なのでしょうか。確かめてみましょう。

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リシケタイラギを食べてみた

殻を剥くと、巨大な貝柱が顔を出しました。

うーんでかい! そして貝柱以外の身が、殻のサイズに比べて非常に小さく感じます。

このサイズ! 今でこそ貝柱と言えばホタテですが、かつては貝柱の王様と呼ばれたのはタイラギでした。

こちらはハボウキガイの貝柱。殻はこちらのほうが大きいですが、貝柱は二回りほど小さいです。

左端の一つがリシケタイラギ、右上の4つがハボウキガイ、下の勾玉状のものは真珠貝として有名なアコヤガイの貝柱です。

お寿司にしてみました。いただきま~す

……(≧~≦)やっぱりうまーい
リシケタイラギ、タイラギと全く味が変わりません。サッパリとしながらも強い甘み、貝柱らしい風味があり、弾力がありながらもサクサクとした歯ごたえは一級品。1個から2貫とれるサイズ感も良いです。これはマジで上等。ホタテガイよりずっと上ですね!

味:★★★★★ 
入手難易度:★☆☆☆☆
まさか出会えるとは

これと比べるとハボウキガイは2段くらい落ちます。美味しい貝柱ではあると思いますが、旨味が弱く、甘みに欠け、酸味があります。
アコヤガイは歯ごたえはいいですが、生臭みが少し強いですね。

この後、YouTube撮影用のカメラが水没して故障、自分も腰までびしょ濡れになり氷点下の闇夜を帰ることになりました。素晴らしい獲物を得るにはそれなりの代償が必要だということがわかりますね。
懲りずに頑張っていきましょう。

残ったワタはまるごとバターソテーにしました。美味しかったけど量が多すぎて胃痛がでた(;´Д`)

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魚介その2(魚以外)
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野食ハンマープライス

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