漁夫のプリンと称される「銚子の伊達巻」をウツボ出汁で作ってみた

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明けましたね(*´ω`)今年もどうぞよろしくお願いいたします。
コロナのバカ野郎が相変わらず居座っておりますが、三密に気をつけつつ、今年もまたいろいろ新しいことに挑戦していきたいなと思っております。


さて先日、ヒト秋さんのお誘いをいただき、ヒト秋さん&銅蟲さんと一緒に銚子美味しいものツアーに行ってきました。
旅の中では銚子名物アブラボウズの煮つけや、捕れたてのサメで作る本当に美味しい家内制手工業はんぺんなどナイスな食材たちとの出会いがあったのですが、メインコンテンツはそれではなく


こちら。
銚子名物の“伊達巻”だったのです。

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銚子の伊達巻は「漁夫のプリン」

千葉県の果て、太平洋に突き出た岬である銚子は、全国屈指の漁港を抱える漁師の街。
当然その歴史も漁師とともにあり、彼らがはぐくんだ独特な食文化が数多く残っています。

その中でも最もユニークなもののひとつがこの「銚子の伊達巻」。


別名を「漁夫のプリン」ともいうそれは、分厚く、甘く、そしてまるでプリンのように滑らかでプリンプリン。
我々一般人が正月に食べる伊達巻とは何もかもが異なっているのです。

冬の海で力仕事をこなした漁師は、陸に上がった時には何よりも甘いものが欲しくなるのだそうで、その欲求を満たすために銚子の伊達巻はもとより「大きくて甘い」ものだったそう。これがさらに超進化を遂げ(一説によれば、とある寿司屋の女将が魚のすり身を買い忘れ、やむなくすり身なしで作ったという)現在のプリンプリンスタイルになったと言われています。


食べてみると、まさにプリンと厚焼き玉子のちょうど中間といった趣で、子供が大変喜びそうな味わいです。大人は……左党には受け入れられなさそうですね。個人的にはこれくらい甘いのもウェルカムです。
遠くにフワッと香る醤油と出汁が良い雰囲気を醸し出しています。

これは面白いということで、自作にトライしてみることにしました。

銚子の伊達巻を作ってみた:TAKE1

レシピを見る限り、自分がオリジナリティを出せそうなのは「魚の出汁」くらいに思えます。
せっかくなのでぼくの大好きな「ゼラチンたっぷりフィッシュ」を使い、プリンプリン度を高めていく手に出ましょう。


ということでまず伊豆にダッシュし


ウツボを2匹ほど手籠めにしてきました。やっぱり茸本といえばウツボ、これは2021年も変わりません。
そういやわが神奈川県では、ウツボ棲息地は年々北上しているようですね。そろそろ大磯あたりの堤防でも釣れるようになるかもしれないし、三浦にトラウツボが現れてくるかもしれない。
なんにせよ、関東の人にとってもどんどん身近な魚となっていくでしょう。

みなさんもこの機会に、ウツボ釣りを始めてみてはいかがでしょう? 美味いですよ(*´ω`)噛まれると大変だけど。。。



ウツボの後半身(骨が多く調理が難しいけどよい出汁が出る)をじっくり水煮にして、出汁を取ります。

取れました。やや黄色味がかり、上品な中にも野性味のある香りがあります。
現場で血抜きしヌル落としまでしっかりやっているので、出汁が全く磯臭くありません。フグにも勝るこの旨味で伊達巻をグレードアップじゃあ!!


雪平にみりん150㏄、砂糖100gと淡口しょうゆをひとたらし入れて、弱火でじっくり煮詰めて蜜を作ります。
砂糖を卵液に溶かしこむのではなく、一度こうやって蜜を作ることで焼き上がりに照りが出るそうです。


卵10個をボウルに割り入れ、先ほどの蜜とウツボ出汁を入れてよくよくかき混ぜます。

これを型に入れて

140℃に余熱したオーブンで60分ほど焼きます。
低温でじっくり焼き上げることで、プリンのような弾力と質感を出そうという作戦ですが……



……(´・ω・`)ありゃー、バッチバチに「す」が入っちゃった。
プリンでも茶わん蒸しでも、その食感が台無しになってしまう「す」。食感が命の銚子風伊達巻において、これは致命的です。


食べてみると味は悪くないのですが、やはり舌触りが残念。。TAKE2いきましょう。

銚子の伊達巻を作ってみた:TAKE2

インターネッツで調べてみると、プリンや茶わん蒸しにすが入ってしまうのは
①加熱温度が高すぎる
②生地に空気が入りすぎている

の2点が原因だそうです。
確かに銚子風伊達巻では、何度か焼いて冷ましてを繰り返しながらじっくり火を通していくとも聞きました。焼成温度が高くなり過ぎないようにするのが大事なのでしょう。
また、砂糖を加えて卵液の凝固温度を高くすることもすの防止に有効だそう。

ということで、オーブンの設定温度を最低温度の110℃に設定し、

さらに生地を混ぜるときもホイッパーではなく、菜箸で混ぜて空気を含まないようにしました。
蜜の量も多少増やしました。

これを110℃で90分、最後に焦げ目をつけるために140℃で20分ほど焼きました。

どうかな……

うーん、まだちょっと入っちゃってるけど、まあいいか。白身が混ざりきらなくてまだらになっちゃってるのもちょっと気になるけど、ホイッパー使ってないからしょうがない。
良しとしましょう。

これを熱いうちに型から取り出し、


巻きすを使って形を作ります。


いいカンジ!
これを切れば


完成!(≧ω≦)
市販品と比べるとややすが入ってるけど、色味や質感は悪くない出来です。
味はどうかな……いただきまーす!


……(≧ω≦)素晴らしい!!
市販品と比べても遜色ない出来! 質感、舌触りの滑らかさ、味、いずれもばっちりです。
市販品よりはやや甘さ控えめ出汁強めですが、これは好みに応じて修正できる部分なので問題ないでしょう。

プリンプリンでうまー!!

味:★★★★☆
入手難易度:★★☆☆☆


次回はオーブンではなく、蒸しあげてみようかな。そのほうが低温でできるし。
最後にバーナーで表面に焦げ目付ければよいよね。

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釣り
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コメント

  1. ネギトロ より:

    漁夫のプリンなんてあるのですね、これは美味しそう!
    勉強になりましたー

    ちなみに神奈川でウツボ云々の記述がありますが、25年ほど前から三浦で普通にウツボは釣れてたと思います
    モノはまさしく今回釣られたようなウツボで、場所は諸磯とか剱崎あたりの磯釣りにて

    父親がクロダイ狙いで、当時小学生の私はアイナメやらカサゴやら美味しい根魚を狙いで、半日釣る
    そういう釣りを2,3回やると、1回は大きめのウツボが釣れた記憶があります

    当時は家族だれもウツボのさばき方が分からず、インターネットに情報も無く、ヌルヌルして小骨が多すぎるので、リリースしてましたが・・・
    今考えると、非常に勿体ない!!

    今後の記事も楽しみにお待ちしておりますー

    • 茸本 朗 より:

      あ、すみません分かりづらくて。。三浦にウツボがいるのは知っていたのですが「トラウツボ」はまだいないんじゃないかと思っていまして。伊豆では伊東より南に行くとたくさんいるやつらです。

      まあ、でもその時はリリースが賢明だったかもですよ(;´∀`)捌き方もさることながら、下処理を誤るととても食べられたもんじゃなくなるので。。あと怪我したら大変ですし!

  2. しろねっこ より:

    しっかり混ぜて卵液を茶漉しで濾すと泡は問題なくなりますよー!

    • 茸本 朗 より:

      やっぱり濾したほうがいいですよね!? レシピ調べてたら「銚子伊達巻は卵液を濾さないから滑らかになる」って書かれていたんでそれに従ったんですが、すが入っちゃったら意味ないですよね。
      次回から濾そう。。

  3. 木津健介 より:

    チラ見で焼きリンゴかと思った、、、

    • 茸本 朗 より:

      焼きリンゴ……? と思いましたが言われてみるとそう見えなくもないですねw 色と、形状が。

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